ベトナムのネット銀行Timoがすごい
ベトナム、ホーチミンシティ在住の添谷です。ベトナムには「Timo」というネット銀行があります。口座開設のユーザー体験、アプリの完成度が高く、ベトナム在住の方にはとてもおすすめの銀行です。今回は主にアプリを見ながら、どのように優れているのか、イマイチな点はあるのかなどを見ていきます。
Timo
ベトナム初のネット専業銀行。TimoはVP Bank系の銀行で、Timoの口座は外部のサービスから見たときにVP Bankの口座として扱われます。TimoがVP Bankの口座をラップしているような状態です。
URL: https://timo.vn/en
口座開設のユーザー体験
日本では銀行窓口を訪れることなく口座開設が可能ですが、ベトナムでは残念ながら銀行窓口に行く必要があります。このオンライン化出来ていない部分でも、ベトナムの他の銀行とは異なるユーザー体験があります。
1. オンライン予約
Timoのサイトから、口座開設の予約を行います。支店はありませんが、国内4都市に口座開設の為のオフィスが存在し、そこに出向いて口座開設とカード受け取りをします。
2. 口座開設・カード受け取り
Timoのオフィスはカフェのようなつくりになっています。予約時間に行くと、まず飲み物のオーダーがとられ、一杯無料で飲み物を飲むことが出来ます。Timoのスタッフが私の身分証明書の情報をタブレットに打ち込み、その場で口座開設が行われます。カードも当日受け取ります。
オンライン化出来ていない部分でも、予約を可能にしたり、予約しても発生してしまう待ち時間をカフェのような雰囲気で中和したりと工夫が見られます。
アプリ
銀行のアプリはたくさんありますが、Timoのアプリは特に完成度が高いと感じます。いくつかの画面を見てみましょう。
ログイン画面はシンプルで、Touch IDを利用してログインすることも出来ます。
ログイン後のトップページにあたる「ACCOUNTS」タブです。「Spend Account」が普通口座、「Goal Save」が目的別口座、「Term Deposit」が定期預金です。必要な情報がシンプルにまとまっています。(一見多くのお金が入っているようにも見えますが、5,639,365VNDは執筆時点で26,904円です。)
Spend Accountからは残高や利用状況をみるだけでなく、携帯電話のチャージ(ベトナムではプリペイド式の電話が主流)、電気やインターネットなどの支払い、送金も簡単に行うことが出来ます。
送金はTimoの口座間の場合、特に簡単です。送金したい相手のQRコードを読み取り、金額を設定するだけです。QRコードのスキャナーと自分自身のQRコードが同じ画面に表示されるのも私は好きです。ぜひLINEの友だち追加もこのようになって欲しいです。(画像のQRコードは一部加工済みです。)
定期預金も簡単です。金額を入力し、期間を選ぶだけです。利率、受取利息の金額、開始日と終了日などが表示されます。
銀行のサービスは機能が多くなりがちですが、その他の機能もタブやサイドバーにわかりやすくまとめられています。
例えばカードの利用停止、再発行、PIN番号の変更も同じアプリで出来ます。
イマイチな点
このように、使いやすいアプリが提供されているTimoにも、イマイチな点は存在します。
1. オンラインで開設できない
Timoに限らず他のベトナムの銀行もそうですが、一度は店頭に出向く必要があります。Timoはその来店のユーザー体験も向上させようとしていますが、国内4箇所しか無いため全員にとって訪れやすい場所ではありません。
2. 海外送金が出来ない
正確にいうと、海外からの送金の受け取りは可能です。ベトナムから海外への送金が出来ません。ベトナムは国の外にお金を出すのが比較的難しい国ですが、Vietcombankなど他の銀行では書類を揃えることで海外送金も可能です。Timoにもぜひ頑張ってもらいたいです。
3. 送金のワンタイムパスワードの意味がない
送金する場合、最後のステップとしてワンタイムパスワードの入力が必要です。しかし、このワンタイムパスワードがTimoの送金最後のページに表示されるため、意味が薄いように感じます。
それでもTimoがおすすめ
いかがでしょうか。イマイチな点もありますが、それを考慮してもおすすめできる銀行です。私は同僚とご飯に行った際など、よくTimoで送金しています。現金社会のベトナムで少しキャッシュレスを取り入れ、快適なベトナム生活を送っています。
Timoのアプリから、日本の銀行のアプリに取り入れるべきことはたくさんあるように感じます。お互いの良い点を取り入れていければ良いですね。