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マネーフォワードらしい組織をベトナムでつくる方法

この記事はマネーフォワードアドベントカレンダー2020🎄の9日目の記事です。さまざまな職種のメンバーが今年を振り返ります!本日はMoney Forward Vietnam COOのショーンが担当します。

マネーフォワードの東京本社から約4300km。ベトナム、ホーチミンシティに「Money Forward Vietnam(以下MFV)」という開発拠点があるのをご存知ですか?

MFVは2018年8月に設立されたマネーフォワードグループはじめての海外法人です。マネーフォワードが日本で提供しているいくつかのサービスの開発・運営を担っています。

設立から2年。とてもマネーフォワードらしい組織になったと思います。今振り返って重要だったと感じる、マネーフォワードらしさをつくる3つの特徴をご紹介します。

1. MVVC

マネーフォワードにはMVVCと呼ばれるミッション、ビジョン、バリュー、カルチャーがあります。MFVでも、日本と同じMVVCをつかっています。

ミッション:お金を前へ。人生をもっと前へ。 / Money Forward. Move your life forward.
ビジョン:すべての人の、「お金のプラットフォーム」になる。 / Becoming the financial platform for all.
バリュー:User Focus / Technology Driven / Fairness
カルチャー:Speed / Pride / Teamwork / Respect / Fun

形骸化しがちなMVVCや企業理念。MVVCをメンバー一人ひとりの日々の行動につなげる方法をいくつかご紹介します。

マネジメントがMVVCを大切にしている
定義して終わりではなく、繰り返し伝え続けること、行動で示し続けることが重要だと、マネジメントの一人ひとりが理解しています。例えば朝会でカルチャーに紐づく話をする、意思決定をバリューに紐付けて説明するなど、メンバーがMVVCを実例を踏まえて理解する機会を多くつくっています。

MVVCをちりばめたオフィス
オフィスは、その会社を表現するうってつけの場所。MFVでは、壁にミッション、ビジョン、バリューを書いたり、5つのカルチャーを会議室の名前にしたり、ビジョンが実現した(すべての人の「お金のプラットフォーム」になった)状態をイラストにしたりと、日々MVVCを目にする工夫をしています。

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(MVVCがちりばめられたオフィス)

日々の仕事にMVVCを活かす
例えば「この機能はUser Focusだろうか。」「この意思決定はFairnessに沿っているだろうか。」このような会話が社内でよく見られます。最初は日本のマネーフォワードから出向しているメンバーがこのような会話をリードしていましたが、徐々に現地のメンバーも日々の仕事をMVVCと照らし合わせるのが普通になってきました。

このように、MVVCが浸透することで、共通の言葉、判断の軸が生まれます。一人ひとりの判断がマネーフォワードらしい判断になる。自走できる組織を作る秘訣です。

2. オンボーディング

ベトナムには沢山のIT企業があり、その多くがアウトソーシング(オフショア開発)をおこなっています。アウトソーシングに慣れてしまった結果、言われたからやる。仕様に書いてあるからやるというエンジニアが沢山います。

MFVは日本のマネーフォワードのアウトソーシング拠点ではありません。マネーフォワードは東京、京都、福岡に開発拠点があります。ベトナムもあくまでそのひとつ。

アウトソーシングでは、日本本社がクライアントという位置づけ。私たちは、サービス開発チームが日本とベトナムという離れた場所にいるだけという考えです。ここでは「ユーザー」に価値を届けるのが仕事です。

ベトナムでは一般的ではないこの考え方を効果的に届けるのが、オンボーディング。会社やサービス、日々の業務に関する説明の実施をオンボーディングと呼んでいます。新入社員は入社後に約半日をかけて、次の説明を受けます。

・会社とサービス、MVVCの紹介
・ビジネスモデルの説明
・日本とベトナムの文化の違い、マネーフォワードがどのような文化をつくっていきたいかの説明(「異文化理解力」という本からアイデアを得たコンテンツです。本にはベトナムのデータはありませんが、著者のサイトから購入できます。)
・ハラスメント防止研修
・セキュリティポリシー、その他規則の説明

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(オンボーディングの様子)

MFVでは、オンボーディングを含む社内の活動を定量的に評価するため、NPS調査をおこなっています。NPSの結果は-100から+100で表され、数値が大きいほど良いです。MFVの各活動のNPS平均は約+40ですが、オンボーディングのNPSは約+70と、特に満足度が高くなっています。

オンボーディングに参加したメンバーの声
- It was great and extremely helpful. I really enjoyed it and got so much from it.
- At first, I thought onboarding gonna be boring, but nope. It's really good.
- I'm very happy with the anti-harassment policy.

MFVがアウトソーシングの会社ではないこと。「ユーザー」に価値を届けるために日本のチームと双方向のコミュニケーションが必要と伝えることで、メンバーのスムーズな理解と活躍が進んでいます。

3. 成長機会

メンバー一人ひとりの成長がMFVの成長のカギ。成長機会をつくる3つのことを紹介します。

日本のチームと双方向のコミュニケーションをとる
オンボーディングにもあるように、MFVにとって日本のマネーフォワードはクライアントではありません。ひとつのチームのメンバーが日本、ベトナムにいるだけです。

MFVのメンバーに求めるのは、ユーザーに価値を届けること。例えば機能開発の場合、日本のメンバーが言っているから作るのではなく「どのような価値をユーザーに届けたいのか」を考えた上で、別の良い方法がある場合は提案することを期待しています。

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(長期出張でベトナムに来た日本のメンバーとベトナム現地の開発チーム)

MFVでは社内コミュニケーションを基本的に英語でおこなっています。すべてのメンバーが日本のチームと直接コミュニケーションを取れるようにすることで、積極的に双方向のコミュニケーションがとれるようにしています。

多様性
MFVは採用サイトで自らのことを「Equal Opportunity Employer」と表現しています。性別や年齢などに関わらず、チャレンジの機会をつくり、フェアな評価をしています。

メンバー曰く、ベトナムでハラスメント防止や多様性についての研修を受けるのは少ないとのこと。マネーフォワードがこれらを大切にしていると伝えることで、一人ひとりがのびのびと活躍できているように感じます。

最近の事例として「女性の日のプレゼント廃止」があげられます。ベトナムでは女性の日というものがあり、会社から女性社員に対してプレゼントが配られることが多いです。

MFVでは、会社としてプレゼントを配ることを廃止しました。会社が社員の性別を決めるのはおかしいですし、私たちが本質的に提供すべきはプレゼントではなく、日々のチャレンジ、フェアな評価といった成長機会だからです。

廃止に関してメンバーからもヒアリングをしていますが、ポジティブな声が沢山ありました。MFVから、新しい当たり前をつくっていきたいです。

1on1、360度フィードバック、リーダー合宿
MFVでは、1on1と呼ばれる、上司と部下が1対1で話をする時間を設けています。これは主に上司が部下の話を聞き、部下の課題解決やキャリア育成を支援するための時間です。

360度フィードバックでは、自分自身、上司、同僚、部下といろいろな角度からのフィードバックを得ることで、期待値とのズレを認識し、日々の行動を改善するきっかけをつくっています。

リーダー層に対してはリーダー合宿という、日々の業務から離れてディスカッションやトレーニグをおこなう機会をつくっています。直近で実施したリーダー合宿では、MVVCの理解を深めるためのディスカッション、MFVの3年後の姿を見据えて、次の3ヶ月で何をするかなどのディスカッションをおこないました。

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(リーダー合宿の様子)

このように、メンバー一人ひとりの成長を支援したり、成長を妨げる障害を取り除く工夫をしています。

メンバーの人生をもっと前へ。

マネーフォワードのミッション「お金を前へ。人生をもっと前へ。」にならって、Money Forward Vietnamのメンバーの人生をもっと前へ。

この気持ちが、MVVC、オンボーディング、そして成長機会というベトナムでマネーフォワードらしい組織をつくる特徴に繋がったのではないかと思っています。

この記事が、組織づくりのヒントになったり、よりマネーフォワードを知っていただくきっかけになると嬉しいです。

アドベントカレンダー10日目は、マネーフォワードCDO セルジオさんの「マネーフォワードデザイン振り返り」をお送りします!お楽しみに!

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