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子どもにとって保育園や幼稚園で過ごす時間の意味とは?

3月に入り、卒園式、卒業式などが各所で行われていますね🌸

卒園、卒業される皆さん、そして保護者の皆さま、おめでとうごさいます。

そして、4月になるとすぐ、入園や入学がやってきます。

このように、0~6歳の、小学校に入学するまでの時期に多くの子どもが過ごす保育園や、幼稚園。この時間が子どもたちにとってどんな意味を持つのかを考えてみました。

保育園の・幼稚園成り立ち

子どもにとっての意味を考える前に、まずは、そもそもどうして幼稚園や保育園はできたのでしょうか?

保育園の成り立ちは以下のように言われています。

イギリス(ウェールズ)人ロバート・オーエンにより、スコットランドにて産業革命期の1816年に作られた幼児学校(infant school)が始まりです。自身の経営する紡績工場で働く労働者とその子どものため、1歳から6歳までを対象とし、幼い子どもたちの健全な性格形成を目指し、母親が安心して働くことができるようにするための学校であったそうです。

有田町歴史民俗資料館 https://www.town.arita.lg.jp/main/3992.html

つまり、産業革命時に、保護者(特に母親)が働くことができるよう、子どもを預かってくれる場所としてできたのが保育園というわけです。

一方、幼稚園は以下の通り。

幼稚園は1840年にドイツ人、フリードリヒ・フレーベルによって始められました。世界最初の幼稚園「一般ドイツ幼稚園」を設立し、小学校にあがる前の幼児のための学校(kindergarden)と位置づけました。フレーベルの教えはその後の幼稚園教育の基礎となり、その精神は現在も続いているようで、フレーベルは「幼児教育の父」とされています。

有田町歴史民俗資料館 https://www.town.arita.lg.jp/main/3992.html

つまり、小学校入学前の教育機関としてできたのが幼稚園というわけですね。

この、成り立ちのとおり、現在でも保育園は「保育に欠ける事情」がある(保護者が仕事や病気などで子どもの保育ができない状態)1歳未満から小学校入学前の子どもを対象にしているのに対し、幼稚園は保護者の就労状況などを問わず入園することができます。

入園後も、幼稚園のほうが教育色が強く、お勉強などをするのに対し、保育園のほうが自由な遊びの時間が長いといった印象をお持ちの方も多いかと思います。

実際、幼稚園と保育園ではその運営や、方針を示す基準となるものが異なるため違いが生まれています。

一方、平成18年には保育園と幼稚園の要素を併せ持つ「認定こども園」もできましたし、最近では独自の教育・保育方針を持つ園も多く、必ずしも幼稚園だからこう、保育園だからこうということもなくなってきているように思われます。

保育園・幼稚園への入園が子どもに与える影響とは?

保育園への入園は、早い子で0歳、幼稚園は多くの場合3歳です。そんな、まだ幼い子どもたちが保育園や幼稚園に通い始めるというのは、どんな意味を持つのでしょうか?

やはり、それまでとの一番大きな違いは、家族以外の社会を知るということでしょう。

よく、初めて働き始めることを「社会に出る」といいますが、ある意味で始めて社会に出るのはこのときかもしれません。

英語 society の訳語である「社会」は Weblio辞書で検索すると以下のように書かれています。

人間の共同生活の総称。また、広く、人間の集団としての営みや組織的な営みをいう。

辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書

この意味からも、家族は社会の最小単位などとも言われるわけですから、もちろん入園までにも社会を経験しているわけですが、0~3歳までの子どものいる家庭では、子どもを中心として生活が組み立てられていることも少なくないですし、基本的には自分の自由に過ごすことのできる時間が多いでしょう。
おもちゃなども、自分のために買い与えられたもので、兄弟もいなければ、全て自分の自由に使うことができます。

一方、この子どもたちの世界は、保育園や幼稚園への入園とともに一変します。

一日の過ごし方は基本的に決められており、そのスケジュール通りに過ごしていきます。
これまでのように、ブロックをやりたいときにブロックをやって、お絵描きをしたいときにお絵かきをするわけにはいかないのです。

そして、おもちゃや道具はみんなで一緒に使わなくてはいけません。自分の大好きなおもちゃをずっと独り占めして、抱えていることはできません。

そして、だんだんと、どうやら他のお友達は必ずしも、自分と同じように感じたり、考えたりするわけではないんだと、衝突する中で知っていきます。

これは、子どもたちにとってどれだけ大きな衝撃でしょう。

僕が(わたしが)中心で世界は回っていると思っていたのに、そうではないことを突きつけられる瞬間だとも言えます。

どうか、社会で生きることを楽しいと感じられる時間であってほしい

家族という小さな社会から、保育園や幼稚園に入園し、これまでより大きな社会を経験する子どもたちは、ときに我慢をすることもあれば、嫌な思いもするでしょう。

でも、それ以上に「この社会で生きること=人と生きること」を楽しいと感じられる時間であってほしいと心から願っています。

もちろん、集団で過ごすこと、お友達や先生と関わることが得意な子もいれば、そうでない子もいるでしょう。ときには環境とのミスマッチで、集団生活を辛く感じる子もいるかもしれません。
必ずしも全員と仲良くする必要はないし、みんながみんな全く同じ過ごし方をする必要もないでしょう。

でも、はじめて家族以外の世界に一歩踏み出したその世界にはきっと楽しいことがたくさんあるはずです。

その楽しさに触れ、この世界に安心して、その世界に生きる自分を肯定して生きていく、そんな大事なスタートを切るのが保育園や幼稚園で過ごす時間の意味だと思います。

そんな大きな一歩を踏み出す子どもたちにエールを

3歳になったら保育園や幼稚園に行く。それは大人にとっては当たり前のことかもしれませんが、子どもたちにとっては大きな意味を持ちます。

そんな大きな一歩を踏み出す子どもたちに絵本でエールを贈りませんか?

周りに入園、卒園するお子さんがいる方はぜひご検討ください!


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