【詩】りせい
ずうっと、細い綱を渡っているようだ
わたしは大人になってゆくにつれて、何かを上達させないとまずいのだろうか
歳をとるにつれて人生のけだるさは増すいっぽうであるのに、それに抗って、人間として強くならなければいけないのだろうか
この世界で生きるため、社交的で好戦的な理性を獲得しなければならないのだろうか、その理性を発揮させるための概念的な筋肉をみるみる肥大させる他、いのちをつなぐ術はないのだろうか
そのような社会が知覚できぬほど情報の靄は濃くなり、僕らが真実を見ようとするのを妨げたりもする、そういう難さもいっぽうである
さて、果たしてホモ・サピエンスは、わたしの親だろうか、腹を違えて、ヒョウの遺伝子でも混じったか
このようにしてさきに向かっていればこそ、真夜中にさしかかれと急かされる慌ただしい黄色の信号は、向日葵よりもずうっと危ういと、わたしはわたしで、判断するのだ
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