「変化を起こすコーチを目指して」コーチ未来創造ラボ参加者インタビュー#2伊藤 雅隆さん
コーチとして生きたい人向けに「高い倫理観とスキルを磨く」ことを目的としたプログラム、コーチ未来創造ラボ。
第一期に参加したメンバーにどんな体験だったかインタビューをしていきます。 インタビュー第二回はいっくんこと伊藤 雅隆さんです。
コーチ未来創造ラボ参加理由
袖川:いっくん、今日は時間をいただきありがとうございます。早速ですが、コーチ未来創造ラボに参加しようと思ったきっかけを教えてください。
いっくん:こちらこそありがとうございます。コーチ未来創造ラボに参加しようと思ったのは大きく2つあります。1つ目は、CTIジャパン出身なので、他のスクールのアプローチを知りたいと思ったことです。コーチングに正解はないと思うので、どういうアプローチが効果的なのか知りたかったんです。
2つ目は、コミュニティの接点を増やしたいと思っていたことです。CTIジャパンだけでなく、他のコーチングスクールの方々とも交流して、自分の学びや情報交換の場を作りたいと考えていました。
袖川:なるほど。CTIのコミュニティ以外との接点を求めていたんですね。
いっくん:そうですね。CTIの上級コースのメンバーとは勉強会をやっていますが、それ以外の方々との交流の場がなかったので、そういう場を求めていました。
価値があった学び
袖川:コーチ未来創造ラボでいろいろ学ばれたと思うんですけど、自分の中で一番これが価値があったなと思う学びってどんなことですか?
いっくん:ICFのコンピテンシーについて、しっかり向き合えたことです。CTIでは、ICFに則ったコンピテンシーの学びの場があまりなかったんです。CTIのコーアクティブコーチングを学ぶプロセスの中での倫理という形で扱われていて、ICFのものを明確に意識する機会はありませんでしたね。コーチングの品質や倫理基準は非常に大事だと思っていて、そういった基準のもとで活動していきたいと考えていました。第1回目のグループコールでそれを扱ってくれたことに大きな意味を感じました。
袖川:なるほど。確かにCTIの中でも倫理について学ぶ時間はあると思いますが、ICFのコンピテンシーや倫理規定を明確に意識する機会は少なかったということですね。
いっくん:また、他にも学びに感じたことがあります。ビジョンボードの作成です。特にフィグマを使ったビジョンボードの作成は、非常に新鮮な体験でした。遊び心を持ちながら、自分のビジョンや過去の人生を視覚化するという作業は、大人になってからはあまりやったことがなかったので、新鮮でした。
また、自分のビジョンボードを他の参加者と共有し合うことで、さらに深い学びがありました。同じ志を持つ仲間のビジョンを見ることで共感が生まれ、また自分とは異なる生き方や目標を持つ人を知ることで、新たな発見や刺激を得ることができました。お互いを応援し合う雰囲気も生まれ、とても楽しく、価値ある時間となりました。
袖川:そうですね。僕も非常に印象に残っています。いっくんが、どのようなコーチになりたいか、どのような人にコーチングを届けたいかというビジョンを、具体的な人物像なども交えながら、どんどんイメージを膨らませていく様子が印象的でした。
コーチ未来創造ラボでの学びがどう活きているか
袖川:コーチ未来創造ラボで学んだことは、普段のコーチングだったり、コーチとしての活動でどんなふうに活きていますか。
いっくん:具体的には、コーチングセッションの4つのフェーズ※を意識するようになりました。特にゴール設定の部分ですね。以前はあまり意識していなかったのですが、今は明確にしようと心がけています。また、クライアントの現在地を把握することも意識しています。それから、ラボの参加者から受けたエネルギーも大きいです。皆さんが自分の好きなことに向き合っている姿勢から刺激を受けました。ラボ終了後も、そのエネルギーは私の中に残っています。
袖川:いっくんの話を聞いて、私自身もCTIで学んでいた時に感じていた課題感を思い出しました。それは、コーチングセッションをどのようなタイムラインで構築すればいいのか、という点です。
CTIでは、クライアントの状態に応じて、フルフィルメント、バランス、プロセスという3つのコーチングの方向性があると教わります。しかし、実際のセッションでこれらをどのような時間配分で扱い、一定のクオリティを保つためにはどうすればいいのか。そこが明確ではないまま修了してしまった感覚がありました。
コーチングは本質的に定量化しづらく、クオリティ管理が難しい面があります。しかし、実践経験を積む中で、押さえるべき重要なポイントがあることに気づきました。今回のラボでは、そういった経験から得た知見をお伝えしたいという思いがありました。
セッションの構造化、特に時間配分の考え方は、コーチとして成長する上で重要なスキルの一つです。これは単に技術的なことではなく、クライアントにとって最も価値のある体験を提供するための基盤となります。
いっくん:なるほど。確かにCTIでは具体的な時間配分までは学ばなかったので、そこを知ることができて非常に参考になりました。実践の中で、セッションの流れや時間配分を意識することで、より効果的なコーチングができるようになりそうですね。
※コーチ未来創造ラボ内で学ぶ「効果的なコーチングの構造」のこと。
他の参加者との関わり
袖川:他の参加者との交流や、コーチングの練習会ではどんな刺激や学びがありましたか。
いっくん:練習会では、各スクールのやり方の違いが如実に表れていて非常に興味深かったです。それぞれのアプローチがクライアントにどう効果的な変化をもたらしているのかを観察できました。
また、コーチの個性によってコーチングの温度感が全然違うことも面白いと感じました。淡々とする方もいれば、エネルギッシュな方もいて。それぞれの良さがあり、クライアントの受け取り方も違うんだなと気づきました。
袖川:なるほど。いっくんの在り方にも影響を与えていそうですね。
印象に残っているグループコール
袖川:グループコールの中で印象に残っている回はありますか?
いっくん:1回目のICFコンピテンシーと倫理に関する回と、2回目のビジネスモデルに関する回が特に印象に残っています。ビジネスモデルについては、これまで考えたことがなかったので、自分の提供できる価値は何かを考える良い機会になりました。
袖川:ありがとうございます。実は1回目のグループコールで倫理を扱う事は、僕自身も迷いがありました。
参加者の皆さんは、すぐに実践で使えるような情報や、集客のテクニックなどに興味があるのではないかと考えました。しかし、このラボで一番大切にしたいことは何かと自問したとき、「高い倫理感とスキル」がコーチにとって最も重要だと確信しました。
そこで、少し不安を感じながらも、あえて倫理を第1回目のテーマとして取り上げることにしました。正直なところ、これが最適な選択かどうか、確信はありませんでした。
しかし、皆さんの反応を聞いて、第1回目で倫理を扱って良かったと実感しています。コーチングの技術や戦略以前に、倫理観をしっかりと持つことが、プロフェッショナルなコーチとしての基盤となるからです。
いっくん:そうですね。私も第1回目で倫理を扱ってくれたことは非常に意義深かったと感じています。技術や戦略は後からでも学べますが、倫理観はコーチとしての根幹を成すものです。これを最初に学ぶことで、その後の学びもより深いものになったと思います。
袖川のコーチングスタイル
袖川:私のコーチングスタイルや関わり方で、参考になった点はありますか?
いっくん:3つあります。1つ目は、ニュートラルなあり方です。どんな状況でも感情を表に出さず、フラットな姿勢を保っていることが印象的でした。これはコーチングの時間に限らずグループコールでも感じました。
2つ目は、質問の鋭さです。シンプルでありながら核心を突く質問が印象に残りました。そでこさんの持ち味でもあると思いますが、人を傷つけるような感じではなく、良い感じに突いてくれると感じています。
3つ目は、無駄な言葉がないことです。言葉が洗練されていて、伝えたいことがクリアに伝わってきました。おかげで自分が考えることにグッと入れたと思います。
袖川:ありがとうございます。特に鋭い質問については、私の一番の持ち味だと思っています。
どんな人に勧めたいか
袖川:最後に、このコーチ未来創造ラボはどんな人にすすめたいですか?
いっくん:コーチングに迷いがある方におすすめです。自分のアプローチがクライアントに本当に効果的なのか疑問を感じている人にとって、このラボは新しい視点を得られるプラットフォームになると思います。また、異なるスクール出身の方々との交流の場として非常に価値があります。スクールの垣根を越えて、業界全体をよくしていくという思いを持つ人にとって、横串を刺す場として大きな意味があるでしょう。
袖川:ありがとうございます。私もスクールの垣根や派閥は本当にくだらないと思っています。だからこそ、特定のスクールに属さずICFを選んだという経緯もあります。コーチ未来創造ラボがそういった横串を刺す場になれば嬉しいです。
いっくん:そうですね。袖川さんがICFでフラットな立場でいらっしゃることは、非常に大きいと思います。
インタビュイー紹介
伊藤 雅隆(いとう まさたか)
インタビュアー紹介
袖川 航平(そでがわ こうへい)
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