会社をデカくしたい、ただそれだけ。林雅也のキャリアとSODAで描く野望
ソフトバンク・ビジョン・ファンドを始め国内外から資金調達を実施し、競合のスタートアップ企業を買収、アジアや北米といった海外への進出など、挑戦を続ける株式会社SODA。SODAで働く人を紹介する「Why I'm Here」シリーズ第1弾。正社員の1人目のエンジニアとして入社し、VPoE 兼 EMを経て現在ではCTOを務める林雅也氏に、自身の過去・現在・未来について聞いた。
エンジニアの原点は「ONE PIECE」の掲示板サイト
— まずは学生時代のことから教えて下さい
林: 地元は大阪で、中学時代はルービックキューブにハマっていました。ハマった理由は覚えていないんですけど、色々な情報を集めて、覚えて、攻略して強くなるみたいなゲームっぽい感じが好きでしたね。ルービックキューブが得意な人って記憶力が良い人だと思っていて、一面を同じ色にするパターンを覚えれば覚えるほどクリアするのが速くなるんです。計測方法は色々あるんですけど、単発で25秒ぐらいで6面を同じ色に揃えるレベルまでやり込んでいました。クラスの友達にも教えて、5人ぐらいがルービックキューブを学校に持ってくるくらいには流行っていましたね。ハマりすぎて授業中にやって、先生によく取り上げられていたのも良い思い出です。あと、部活はバスケ部でキャプテンやっていたんですけど、当時試合で勝った記憶はほぼないですね。弱小チームでした。
— パソコンに触れるキッカケは?
林: 漫画の「ONE PIECE」の掲示板サイトですね。掲示板で情報収集したり、考察を話し合ったり、自分もスレッドに書き込んでみたりしていました。毎日サイトを見に行って書き込んでいたので、タッチタイピング(ブラインドタッチ)も掲示板サイトのおかげで覚えましたね。いつの間にか掲示板は見なくなって、今では掲示板の名前すら覚えてないですし、今でも存在しているのかもしれないけれど、そのサイトのおかげでパソコンを好きになったというか、中学時代にパソコンに夢中になるキッカケを作ってくれたサイトですね。「ONE PIECE」の考察はさすがにもうしなくなりましたけど、毎週最新話は追っていますよ、今でも。
— 中学卒業後、地元を離れて明石高専に進学されています
林: 母親が半導体の会社に勤めていたんですけど、同僚の息子さんが明石高専に通っていて、おすすめされたのが大きかったですね。当時、パソコンが好きでしたし、話を聞いて面白そうと思ったし、高専から大学に進学するときはセンター試験(現在の大学入学共通テスト)を受けなくていいっていうのもポイントでした。高専から大学への進学には各大学が編入試験が用意していて、試験日程が被ってなければいくつでも受けることができたんですよね。僕は大阪大学と東京大学を受けたんですけど、最初に受けた大阪大学に落ちて、その時に母親が「大丈夫?次、東大やんな?」ってめちゃくちゃ心配していたのを覚えてます。なんとか東京大学には受かって2年生の代に編入しました。
— プログラミングはいつからされていましたか?
林: 高専の1年から、授業としてはC言語などをやっていましたけど、アプリやサービスの開発に取り組むのは大学2年生の終わりぐらいからですね。友達にハッカソンに誘われて参加したのがキッカケです。そのハッカソンのテーマは、大学での学習をドライブさせるためのサービスという感じで、僕たちは授業のノートを共同編集できるみたいなアイデアを出して、それから本格的にプログラミングを始めました。ハッカソンの体験がちょっと面白いなと思って、スタートアップでエンジニアとして短期や長期のインターンシップを始めることにしました。大学時代はインターンしていない期間がほとんどないくらい、色々な企業で働かせてもらっていましたね。
若手抜擢文化のCA社を経て、新卒2年目でSODAへ
— 大学卒業後、新卒でサイバーエージェント社に入社されています
林: サイバーエージェントは、今でも本当にすごいなって思うくらいの若手抜擢文化でしたね。僕自身、内定者バイト時代に新規事業の立ち上げをしていたんですけど、その事業の立ち上げを本当に新卒だけでやるんですよね。ビジネスサイドもエンジニアもデザイナーも全員新卒で。新卒に事業立ち上げを任せるってなかなか出来ないことだと思うので、それは今でもすごいなと思っていますし、新卒としてサイバーエージェントを選んだ理由の一つでもありますね。若手に裁量をもって仕事を任せてくれそうで、成長できる環境を提供してくれそうだな、と。あとは、内定者バイトしていた先の部署の人たちがエンジニアとして働きやすそうに働いていたので、入社後に働いているイメージがより湧いたことももう一つの理由でした。
新卒時代は、新規事業としてマッチングアプリの立ち上げとリリース後の運用をやっていました。チームはビジネスサイドが2人、デザイナーが1人、エンジニアが僕を入れて2人という合計5人の小さなチームでした。もう1人のエンジニアがフロントエンドで、バックエンドは僕が1人でやるという感じでしたね。思い出に残っていることは、サイバーエージェント社の求めるクオリティでサービスを作る必要があったことです。スピード優先で作って、とりあえず出すみたいなのは許されなくて、負荷試験、障害試験、脆弱性診断がリリース前には必須でした。新卒のエンジニアとしては貴重な経験を積むことができましたし、そのタイミングで技術力もかなりついたと思っています。
— 新卒2年目にSODAに副業で参加した後、正社員として入社を決めた理由は?
林: 新卒2年目に入ったタイミングで、他の会社の環境も見ておきたいなと思って、副業先を探していたんですけど、その時にSODAからOffers経由でスカウトが来て、副業をすることになりました。副業を通じて、SODAの事業面と組織面に惹かれたんですよね。事業面では、いわゆる指数関数的に、Jカーブみたいな感じでグッと伸び始めたときだったので、エンジニアとしてそういうアクティブな環境に入ることが純粋に面白そうだな、と。組織面では、 フルタイムの開発者としてはCTOのharukiさん(佐藤 陽樹)しかいなかったんです。当時から組織作りに興味があったので、正社員の1人目のエンジニアとして、組織作りを0から経験できるという点も良かったですね。もちろん、サイバーエージェントと比べるとまだまだ始まったばかりで、何もかも0からやっていくぞという感じでした。ただ、なんかこう、プロダクトにフォーカスしてひたすらプロダクト開発している感じが、今振り返るとなんかいい会社だな、いいスタートアップだなとは思いますけどね。
VPoE / EMを志願し、課題を自発的に解決できる組織をつくる
— SODA入社後、ソフトウェアエンジニアとして働くことになります
林: SODAには2020年10月に正社員として入社したので、ちょうど3年くらい経ちますね。最初の1年半はソフトウェアエンジニアとして、次の1年半はVPoEとしてですね。ソフトウェアエンジニアとしては、ひたすらプロダクト開発をしていました。少しずつ採用の業務も増えてきましたけど、基本的にはプロダクト開発をずっとしていましたね。1人でやることもありましたし、2-3人で分担してやることもありました。開発組織の規模感としては、その頃から平均して月に1人のペースで入社していて、入社から1年半後にはエンジニアが15人くらいになりましたね。2年半ぐらいかけて年間で12-13人ずつ増えてきていて、 今は40人弱のエンジニアがいますね。割と線形に増えている感じですね。
— VPoE / EMになったキッカケは?
林: エンジニアが15人ぐらいになったタイミングで、なんとなく漠然とした不安感や課題感を感じたんですよね。ただ全員が開発するみたいな体制だと、品質もスピードもジワジワと悪くなっていくように思ったんです。VPoEやEMについて詳しく知らなかったですけど、そういう役割の人が今後出てくるような問題を解決していそうだなと思って、CTOのharukiさんやCEOのうっちーさん(内山 雄太)に相談してみて、今後問題が出てくるはずで、その問題を事前に防いだり、解決するのがVPoEやEMという役割の人だと思っていて、ちょっとやってみていいですかと相談して、やることになりました。VPoEになってから、最初の3-4ヶ月はコードを書いていましたけど、明らかに自分がボトルネックになっていることが分かったので書くのをやめました。よくプレイングマネージャーは難しいと言われているじゃないですか、自分ならできると思っていましたけど、実際には全然できなかったですね。
— VPoE / EMとして、1年半で学んだことは?
林: 採用と組織開発には多くの時間を使いましたね。特に採用ですね。採用フローを整備したり、エントランスブックなどのストックコンテンツを作ったり、スカウト打ったり、採用面談に参加したり。情報収集している顕在層にはSODAの情報をきちんと伝えられる状態にはなってきたんじゃないかと思っています。組織開発面でいうと、メンバーのみんなと1on1したり、評価制度を整えたり、開発プロセスの最適化などしていましたね。フロー効率を高めていくといった開発プロセスやチーム開発の考え方を言語化して、整備して、導入したり。
また、採用計画に近いと思うんですけど、組織ロードマップのようなものを作ったりしましたね。今後組織が拡大していくにあたり、Webエンジニアのみ採用してもうまく回らないので、どういう役割のエンジニアをどういう割合で採用していくと、組織として健全に回るようになるのか考えながら。エンジニアだけではなくて、プロダクトマネージャーやデザイナーを含めたプロダクト開発に関わる職種はまとめて作りましたね。
— VPoE / EMとして、難易度が高かったことは?
林: 開発プロセスの改善は難しかったですね。アジャイルな考え方を入れて、スクラムを参考にしながら、15-20人いるタイミングから開発プロセスの改善を始めたんですけど、浸透させるのには結構時間がかかりました。導入にあたって、前提の知識がかなり必要でしたし、全員が全員詳しいわけではないので、理想の行動とは少し違うなと感じることは初期はありましたね。改善する方向性は正しいと思っていましたけど、それでもうまく回ってきたなと実感できたのは導入から1年ぐらい経ってからでしたね。本当に一年越しでようやく良くなってきたかなと。
— VPoE / EMとして、現状感じている課題や良かったことは?
林: これから改善していきたいポイントでいうと、 中長期的な視点を持てる人をもっと増やしていきたいですね。コードの品質、システムアーキテクチャーの負債、プロダクトマネージャーやデザイナーと円滑に協力して進めていく時の潜在的な課題など。プロダクトを成長させるために、検索やレコメンデーションなどのテクノロジーが強く関わる施策ももっとやっていきたいですね。検索は最低限対応したというレベルですし、レコメンデーションは全然やれてなくて。中長期的な目線で事業課題になりうることを、組織や技術の観点から考えて、先回りして解決していくことがまだまだ必要だと思っています
良かったことでいうと、僕自身がコードを書かなくてもプロダクト開発は円滑に回るようになっていますし、開発するにあたり出た短期的な課題はチームで自発的に解決できる組織になってきているなとも思っていて、課題解決力が高いエンジニアが増えてきていると実感しているので、それは本当にめちゃくちゃ良かったなと日々思っていますね。
会社をデカくして、難易度が高いことに挑戦したい
— SODAはどんな会社で、どういう人が多いですか?
林: 「Growth First」というVALUEは本当に浸透していると思いますね。事業を拡大するためには、どうすれば良いのかと考えられる人は多いと思います。エンジニアも同じで、40人の開発組織になっても、プロダクトを成長させるぞ!という意識が浸透してるのは結構すごいと思います。採用や組織作りの方針としても、課題解決力の高い人や、組織の成果を最大化(=VALUEの1つでもある「One Team」)できる人は大切ですね。そのような考えを持ち行動できる人と一緒に働きたいですし、そういうエンジニアになってほしいと思っています。現在の開発組織にもそういう人が多いと思いますね。
— 今後、どのようなことをやっていきたいか?
林: さきほど話していたまだ足りてない部分と同じにはなるんですが、短期的な課題は自律的に改善できる状態になってきましたし、課題解決力を高めることができる土壌が整ってきたと思っています。そのため、課題解決にかかるタイムスパンが長い課題に目を向けて考えられるような組織にしていきたいですね。
— SODA、SNKRDUNKを通して実現したいことは?
林: 僕は会社をデカくしたい、会社を成長させたいとずっと思っています。シンプルですけど、本当にそれだけかもしれません。事業を成長させることで、会社がデカくなる。事業や組織の規模だけでなく、時間軸で長いというのもデカいに入ると思うんですけど、広い意味でのデカいことをやるのは難易度が高いと思います。むしろ、デカくなればなるほど、難易度が高くなると思いますし、そのような難易度が高いことに挑戦できるようになりたいですね。そのためには、短期的な視点だけでなく、中長期的な視点からも組織や事業を捉えられる人と一緒に働きたいですし、そのような人が多くいるチームを作りたいです。
— 本日はありがとうございました!
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