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生きること

初めに言います。
今から私と友達の間に起こった出来事の話をします。
あの日から何年経ったか私にはわからないし、
今まで誰にもこの話はしたことがないと思うし、
ずっと2人だけの秘密だったこと、
今からみんなに話すのを許してね。


詳しいことは正直いろいろ忘れてしまったけど、
私が友達と多分結構な頻度で、
通話しながら勉強するっていうのをやってて、
その日も普段通り電話をしてました。


で、友達が「明日死のうと思ってるんだ」って
急に言い出して、
当時の私はそれをどんな気持ちで言っているのかわからなくて、
ただ相手が、私に「相談」とかじゃなくて、
もう彼女の中の「決定事項」 として、
それを言ってるんだってことだけがわかって、

私はどうしたらいいかわからなくて、
正解がわからなくて、
多分正解なんてなかったんだろうけど、
何も言えなくて暫く黙ってた。

悩んでることはなんとなくわかってたけど、
そこまで深くを話してくれたことはなくて、
そりゃ話せないのが当然かもしれなくて、
無力な私にすごく悲しくなって、

「死ぬのはダメだ」なんて言っても、
もっと彼女を苦しめる言葉になるかもしれないって思って、
私は正直死にたいとは思ったことないし、
ほんとうにわからなくて、


電話越しに沈黙のまま私が泣きそうになって、
出た言葉が、
「私は生きていてほしい」
だった。

抱えてる苦しみとか、解放されたいとか、
いろいろあって、
それをきっと私はどうしてあげることもできないし、
力になってあげれないけど、
ただ私は君に生きていてほしくて、
「ただの私の我儘だと思って聞いて欲しい」
って言って、

お願いだから、生きてるだけでいいから、
ただ私が生きていて欲しいから。

って泣きじゃくりながら言って、

結局2人で電話越しに大泣きした。


ちなみにその後の会話は泣きすぎて記憶にない。



そして今でも、
彼女は生きてます。


もしあの時私が電話を掛けていなかったら、とか、
あの時死にたいって思いを吐露してくれていなかったら、とか、
そんな たられば を考えるのは今でも怖い。


私はこんな珍しい体験をしたんだ!とか、
友達を救った!とか死ぬのはダメだ!とか、
そんなことが言いたいんじゃない。

意外とこうゆうことって身近に溢れてるかもしれないってこと。

隠れてるだけで、
隠してるだけで、
みんな生きるのが嫌になっちゃう時があるかもしれない
自分が死にたいって思った経験とか、
友達が、家族が、実はそう思ってたことがあったりだとか、
もしかしたらまだ誰も気づいてないだけで
いつも笑顔のあの人だって、

そんなのわからない。


だけど、伝えたいのは、
生きてる意味はきっとどこかにあるってことで、
今誰かはあなたに生きていて欲しいって思っていたり、
今思ってる人が居なくても、
将来出会う誰かは絶対にあなたを見てくれると思う。

それと同時に、
みんなほんとにいつ死ぬかなんてわからない。
今だって地震がくるかもしれないし
明日交通事故に遭っちゃうかもしれない。
けどそんなこと毎日考えてる訳にもいかない。

だから全部奇跡だと思う。
今あの子が笑っていてくれることも、
一緒に食べるケーキが美味しいことも、
会話一つ一つが楽しいことも。

全部奇跡で、全部宝物で、
全部大切にしないといけないもの。
生きてないと、見れなかった景色。

だから私は、
友達と過ごす時間が好きで、愛おしくて堪らない。


締め方がわからなくなったので、
最後にこの話を基に書いた、
いつの日かの投稿のキャプションを載せておきます。

「私が一緒に生きていくから
ただ生きているだけでいいから
私の願いは君が生きていることだから
自分勝手なお願いだけど聞いて欲しいって
君に泣きながら言ったこともあったね」


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