言えることなど何もないのだ

昨日はテレワークの日だったのだけれど、パソコンを開いてマウスを動かしても、上手く仕事のモードに入っていけず、冷たい水で顔を三回洗っても改善は無かった。
やれやれ。無理もない。
仕方ないので会社に電話し、上司には体調が良くないので休ませてほしい、と伝えた。
上司は「お大事に」と言って電話を切った。
お大事に。お大事に。お大事に。
言葉が上手く身体に馴染んでこない。自分が自分ではなくなってしまったようだ。
リビングのソファで何をするでもなく呆けていたら、携帯が鳴った。息子の学校からだ。
どうやら息子が一限を受けることが出来ず、帰りたいと言っているらしい。今朝はいつも以上に精神的に不安定だったので無理もない。
すぐ迎えに行く、と告げて電話を切った。

学校まで歩きながら、前日の夜のことを考えてみた。怒りなのか、悲しみなのか、自分の中にわき起こる感情を上手くカテゴライズできない。

学校に着くと、息子は見たところ元気そうで、俺に飛びついてきた。俺の姿を見て安心したのだろう。
担任と軽く話してから学校を出た。
手を繋いで息子と二人で歩く。小さい手だ。息子はこれからどうなるのだろう、と考える。心理士は、まだ診断は下せない、まだまだ面談が必要だ、と言っていた。早く結果を出してほしいと思う反面、ずっと結果が出なければいいのに、とも願っている。親がこんな体たらくで、息子に対して恥ずかしい。

帰宅し、息子のランドセルを置いてから二人で出かける。近所のドンキでカップ麺とお菓子とジュースを大量に買い、近所の公園でお菓子を食べながらキックボードで遊ぶ。
バニーホップやプラント系のトリックなど、手軽なトリックでステアを攻める。息子はとても楽しそうだった。
昼過ぎに帰宅して二人でカップ麺を食べる。食後、ひたすらダラダラ。

夕方に妻がパートから帰宅。息子の前では平静を装う。三人で夕飯の買い物を済ませた後、夜に少しだけ一人で滑る。
いつものラブホの前のスポット。スケボーは組んだばかりのヘロインのデッキ。8.8インチ。
一人で滑りながら、前日の夜のことや、息子のことや、今まで自分がやってきたことについて考えてみた。人に褒められるどころか、糾弾されるような生き方をしてきた。息子に対しても、妻に対しても、胸を張って誠実だとは到底言えない。冨樫義博の漫画ではないけれど、言えることなど何も無いのだ。

帰宅し、三人で夕飯を食べる。息子は、明日は学校に行く、と約束してくれた。とはいえ、運動会で頑張ったのだから、少しくらい休ませても問題は無いだろう、と思っている。学校なんて行きたい時にだけ行けばいい。ただ、「耳をすませば」ではないけれど、人と違う生き方をするのは、それなりにしんどいだろう。

20時頃に妻が就寝。息子も21時にベッドに入った。
俺はカーペットの上でウサギと戯れてから22時に就寝。映画を観ようとか、本を読もうとしたけれど、集中できそうになかったので、やめた。
先日買った、奥山貴弘「31歳ガン漂流」のオーディオブックを聴きながら寝る。

どんな夢を見たかは覚えていない。夢なんて二度と見たくない。

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