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休職112日目 空想科学読本

高校生の頃、教室で「空想科学読本」を読んでいたら、クラスメイト(友達ではない)が話しかけてきた。
「俺、その本キライなんだよ」と彼は言った。「フィクションなのに科学的にあれがおかしい、これがおかしいとか文句たれてんじゃん」と。
俺はめちゃくちゃ驚いた。「空想科学読本」はそういう本ではないからだ。
「空想科学読本」は、作者の柳田理科雄が、ウルトラマンや仮面ライダーなど特撮モノを始め、漫画、アニメ、映画、ライトノベルや昔話まで、あらゆるフィクションの中の設定や出来事を科学的に考察する内容。それがユーモラスに書かれている。例えばウルトラマンがマッハ7で飛ぶと首が千切れるとか。
俺たちが「ドラゴンボールで一番強いのは誰か」と1時間も2時間も語り合ったりするのと同じで、考察する対象を作者が好きで好きで仕方ないことがビンビンに伝わってくる良作だと思う。
決して、彼が言うような、フィクションに対して文句を垂れるような本ではない。
「読んだことあるの?」と彼に訊くと、「無いよ」と彼は即答した。「だって、そういう内容でしょ?」。

この出来事から、俺は2つのことを学んだ。

1、見たり読んだりしていないものを批判しない
2、仮に見たり読んだりしていても的外れな批判をしないように読解力を身につける

38歳になった今でも、この2つのことを肝に銘じている。そういう意味では、彼に感謝している。身をもってダサい奴ってこういう奴のことを言うって教えてくれたわけだからね(笑)。

良い機会だから読み返そうかな
テレビに空想科学ラボラトリーが映ってる(笑)

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