「静かに、ねぇ、静かに」

相変わらず、本を読んで、映画を観て、スケボーして、絵を描いて、ふわふわした毎日を過ごしている。
今さっき、本谷有希子「静かに、ねぇ、静かに」を読了。
本谷有希子の作品は、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」と「ぬるい毒」しか今まで読んだことがなかったので、面白いけど文体が独特すぎてちょっと疲れる作家、という感覚があり、少し避けていたのだけれど、今回ばかりは、タイトルに惹かれて思わず購入。短編だし、そんなに疲れることもないだろう、と。
いざ読んでみると、俺の印象とは異なり、全く疲れず、すぐに引き込まれた。何かに依存することで自らを肯定する人々。その歪さ。
俺が特に好きなのは、「奥さん、犬は大丈夫だよね?」。
ネットショッピングに依存する主人公の女性と倹約家の女性が対象的に描かれていて、あまりの救いの無さに思わずため息が出る。良い意味で。
目の前で起こる(起こったと思われる)異常な事態、もっと言えば、それによって引き起こされる他人の痛み、あるいは、自分の恐怖にまで、ネットショッピングで必要なものを買うことと結び付けてしまう主人公。救いが無さすぎるだろう。

そんな感じで、良い機会なので、本谷有希子の他の作品も読んでみようかしら。

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