休職二十六日目 救命病棟24時

往年の名作ドラマをちゃんと観てみようキャンペーンを継続している。
今回は「救命病棟24時」を全5シリーズすべて観たので、以下に簡単にレビューを。

主演の江口洋介と猫


・第1シリーズ
全シリーズ通して一番面白かった。硬質な医療ドラマとして秀逸だし、情緒的な展開に流されすぎないので好感が持てる。キャラクター同士の無駄な恋愛描写を廃しているのも良かった。
海外ドラマ「ER」のモロパクリと批判されまくったことでお蔵入り扱いされているのが残念。
松嶋菜々子が超かわいい。

・第2シリーズ
面白かったけれど、第1シリーズに比べて情緒に流される展開が多くなっていたのが少し残念だった。
とはいえ、第1シリーズで色々あって多少は丸くなっても相変わらず熱い進藤先生と救命救急のメンツとの多くを語らず分かり合うやり取りが良かった。
香坂先生との付かず離れずの関係にもヤキモキさせられた。
松雪泰子の色気がビンビン。

・第2シリーズ新春スペシャル
香坂先生と進藤先生のお互い好意は持ってるけど口には出さない付かず離れずの関係が極に達していた。良い意味で。
進藤先生は香坂先生の前では男の一面を見せるし、香坂先生も「誰がマウストゥマウスを?」など成長を感じさせるセリフがあり、この二人の先行きを色々と想像せずにはいられない。

・2005スペシャル
松嶋菜々子演じる小島先生がすっかり逞しくなっていたけれど、回想形式の第1シリーズの総集編なので、物足りない。
とはいえ、第1シリーズの頃の丸くなっていないキレキレの進藤先生が懐かしい。
小島先生と香坂先生だと進藤先生の接し方が全然違うのも振り返れて面白い。

・第3シリーズ
松嶋菜々子演じる小島先生がシリーズに復帰。
震災というシリーズ中で最もハードな題材を扱っているけれど、そっちに気を取られてちょっと人間ドラマが希薄に感じた。もっと掘り下げられるだろ、と。まぁ、面白かったけれど。
それにしても、進藤先生がいるだけで安心感が違う。進藤先生は単なる破天荒キャラではなく、キャラクターの成長を促すポジションになっていた。
最終回で過去シリーズの医師や看護師が応援に来たら激アツだったけれど、さすがにそれは無かった。残念。

・第4シリーズ
救命医が不足し、崩壊寸前の救命医療がテーマ。救命医は慢性的な人員不足が原因で心身ともに疲弊し、急患を受け入れ出来ず、救急車は病院を探し回る。医療ミスや医療訴訟、モンスターペイシェントなど、けっこうハードな内容に踏み込んでいる。
今までの進藤先生のやり方を精神論として、過去シリーズを相対化しているのが面白い。更に今回は進藤先生に匹敵する技術を持ちつつ、進藤先生とは正反対の理念を持つ澤井先生をユースケ・サンタマリアが演じて物語を面白くしている。澤井先生のスピンオフを観たくなるくらい魅力的なキャラクターだと思う。
ただ、諸々の事情で全7話しかないため、かなり駆け足。もう少し腰を据えて描いて欲しかったなぁと思わずにはいられない。


・第5シリーズ
何らかの理由で江口洋介が降板。主人公は松嶋菜々子演じる小島先生に。
果たして進藤先生のいない救命病棟24時は面白いのだろうか、と思いつつ、きっと小島先生が頼れる医局長として救命を引っ張ってくれているに違いない、と期待も込めて観た。
しかし、小島先生は医局長としては全然ダメで、チームをまとめられておらず。もちろん、徐々に成長していくのだけれど、前シリーズ終盤で小島先生は医局長に就任しているのに今さら医局長としての成長を見せられても鼻白らむだけ。
また、進藤先生のかわりに時任三郎演じる夏目先生という医師が登場するのだけれど、彼の黒い疑惑をメインに話を進めていくのもあまり関心しない。夏目先生は時任三郎が演じているだけあって、かなり魅力的なキャラクター。手の内を明かさず飄々としていて、彼の活躍をもっと見たくなる。そんなキャラクターが悪党なわけがない。なので彼の黒い疑惑が全くサスペンスの役割を果たしていない。
で、実際やっぱり悪党ではなく、むしろ志の高い素晴らしい救命医だったし・・・。
第5シリーズ唯一の救いは、段田安則演じる院長が最後の最後で全部持って行くカッコ良さでシメたこと。

もう救命病棟24時の続編は作られないと思うけれど、万が一、第6シリーズがあるなら、やっぱり進藤先生に復帰してほしいかなぁ。


さて、今日の一枚。

20221208
up in a bun


救命病棟24時の主題歌で一番好きなのは、やっぱこれかな。

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