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公徳心(18)運命てんでんこ

自分を大事にしたい。仕事に支配されたくない。自分の好きなことをしたい。働きたくない。そう願っている人は多いです。驚くほどに。

でも、そう考えれば考えるほど、現在を嘆いてしまいます。過去を悔やんで、未来を心配してしまいます。

そして、自分が置かれた今の環境を恨んだり、周囲の他人の言葉や表情に囚われて、自分の現在が出来ることがわからなくなるほど不安になったり、仕事が手につかなくなったります。 

こうして、自分を幸せにしたいと切望するほど不幸になってしまう。そういうパラドックスに陥ってしまいます。

 「今、ここ」に集中する。

これが大事だと最近では「マインドフルネス」で説かれていますし、多くの哲学者が幸福になるためにやるべきことを説いていますが、この考え 「今、ここ」に集中するということは共通しています。

一日一日をど真剣に生きる。

これは、多くの経営者が尊敬する京セラ創業者の稲盛和夫さんの言葉ですが、私はこの考え方は働き方だけではなく、生き方そのものにも適用できると思いながら日々を過ごしています。

では、何に対して真剣に生きるか。

社会の一員である事実から目を背けず、社会の課題を自分ごとと捉えて、1ミリでも社会の役に立とうと努めること。つまり公徳心です。

自分の好きなことがしたいなら、それに公共性をインストールして、とことんまでやり抜く。そうも行かず、どうしても今の仕事をしないといけないなら、その仕事を好きになるしかない。そしてとことん本気で取り組むのだ。

手を抜かず気を抜かず、でも力は抜く。

そうして日々を過ごせば、社会の課題は一つ一つ解決してゆくし、未来の子どもたちに課題を持ち越さない。そして、個人の精神も安定する。細かいことに惑わされなくなります。公徳心は社会と個人、共に幸せにするのです。

私たち社会人は、現代社会を構成する一員です。それは紛れもない事実。そして時代が積み上げるレンガのひとつ。そう自覚して、事実を受け入れる。

周りのレンガを当てにしないけど、いざとなったときには頼りにする。そういう頼れるレンガの一つに、自分もなろうと研鑽するのが公徳心。

運命てんでんこ。One For All, All For One。今日も一日、健やかな公徳を。

フリーライダーは退行欲求に駆られた成れの果て。その公徳心は幼稚、と言わざるを得ない。

稲盛和夫さん、御冥福をお祈りします。


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