「天職」に就く方法
人生が何をわれわれから期待しているか
ヴィクトール・フランクル著「夜と霧」の一節がラジオで紹介された。
著者ヴィクトール・フランクルはオーストリアの心理学者。彼がナチス・ドイツの強制収容所から生還して著した言葉は、絶望状態にある人を励ます教えに留まらず、日々の暮らしを営む私達への警鐘にも聞こえます。
人生が私たちに何を望んでいるか、私たちは人生に問われている。何かを望んで人生から得るのではなく、私たちが人生の問いに応える側なのだ。日頃の意識に驕りがないか?、と背筋が伸びる教えです。
天職とは、神のCalling
天職を英語にするとCallingです。コーリング、誰が呼んでいるのか?それは神です。神に呼ばれて就いた仕事、それが「天職」との解釈されています。
もちろん神は辞令など出しません。辞令を出した上司に「これがおまえの天職だ」などと言われても信じれるわけが有りません。
結局「これが天職」と信じるのは自分が自分に言い聞かせる理由付けのようなものしかないでしょう。それが自分の自己斉一性。
自分の過去の足跡と自分の現在の機会に繋がりを感じて、そこに意味を見つけること。傍から見るとこじつけのような解釈でも納得が得られれば「神に呼ばれて、今、自分はここに居る」と安心できるのです。
天命に従って人事を尽くす
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉は古くから言い伝えられますが、「天命に従って人事を尽くす」という言葉は宮城県の村井知事が先日の講演上で紹介して、はじめて知りました。また、知事は「天命はただ口を開けて待っていてもやってこない」とも言っていましたが、自分もそう思います。
天命など誰からも明示されません。今を嘆かず、与えられた環境と機会を天命だと信じて、本気で取り組んで最善をつくすことが大事。本気で取り組むと、自分が目指す世界観とのズレを感じるところに必ず行き着く。そしたら次の出番で「これが天職!」と思い込んで本気で取り組むのが良い。
まるで天職探しの旅だけど、それでいい。
前向きな転職を繰り返すと自分をどんどん研ぎ澄ませます。そうして人生の改良を繰り返すと、いずれ本当の天職に辿り着く。ただ口を開けて待っていても年は取ります。黙って天命に従って人事を尽くすことが最善です。
置かれた場所で咲きなさい
これは2016年12月30日にお亡くなりになったシスター、渡辺和子さんの著書のタイトルです。シスターは自分の力が及ばない境遇に翻弄されたはずですが、それでも環境のせいにしないで、置かれた場所で自ら咲いてきたのでしょう。短い言葉が纏められていますが、どれも非常に含蓄が有りました。
自分も日頃から参考にしている素敵な本。多くの方に読んでいただければ。
面白い仕事があるわけではない。
楽天の三木谷社長の言葉です。
面白い仕事が与えられてない、と思う時点で主体性がありません。面白い仕事に就きたいなら、今の仕事を面白くして自ら願いを叶えるのです。好きな仕事に就きたいなら、今の仕事を好きになって自ら願いを叶えます。それには仕事のそもそもの目的を自分ごとにすることが大事なのです。
誰かのせいにする姿勢では、どんな仕事でも長続きしません。
天職に就くには
今回
「人生が何をわれわれから期待しているか」
「天職とは、神のCalling」
「天命に従って人事を尽くす」
「置かれた場所で咲きなさい」
「面白い仕事があるわけではない」
の5つの言葉を紹介しました。
「今を不遇だと嘆いていると既に与えられている機会を見失う。機会を見出して覚悟を決める。そこに全力を尽くすことが大切」と学びました。つまり天職とは、与えられるものでも獲得するものでもなく、今の役目に覚悟を決めることと言えるのではないでしょうか?
環境に文句を言うのは子供でも出来ます。私たち大人は環境のせいにせず、逆に与えられた環境に感謝して、覚悟を決めて全力を尽くします。その覚悟が子供の模範や励みになるし、自分も自然と運命に感謝したくなります。
有り難い、運がいいと思う感謝の想いを届けましょう。
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