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感情労働(2)お客様は神様?

感情労働は主にサービス業、特に顧客と直接対面する場面で接遇の質を問われる業種に多く、それらの仕事は「女性の仕事」という認識が広まっています。その背景には「女性は感情の器」という決めつけに基づいた「感情政治」が長年続いていることがある、という石川先生の論に同意します。
※感情労働に関する石川准先生の言葉は末尾にリンクを列記する

さて1983年のホックシールドの著書では、例として航空機の客室乗務員や看護師が挙げられました。しかし知らず識らずのうちに私達は、あらゆる職種、それこそレジ打ち店員、配送員、電話応対などに高品質の接遇を求めています。まるで「顧客の立場は優位であり、接遇に心地よさを求めることは当然の権利、いや事業者の義務である」という考えが当たり前のように。

この風潮が広まった理由は、個人的には「スマイル0円」とマクドナルドが掲げたことがひとつ、ふたつめに三波春夫さんをモノマネした芸人によって「お客様は神様」という言葉が真意が誤解されたまま広まったことだと感じます。(そもそも神様=支配者という認識自体が隷属的な宗教観だが…)

<参考文献>

管理される心:感情が商品になるとき
 (出典:石川准先生 ウェブページ@静岡県立大学)

ホックシールド『管理される心─感情が商品になるとき』(PDF:656KB)
 (出典:日本労働研究雑誌 2016年4月号(No.669) より)

トーク内容「非社交と脱社交から医療・福祉を考える」
 (出典:ゆき.えにしネット)

「ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか」(武井 麻子 著)

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