審美眼、人間が出来る仕事
先日の居酒屋の店員さん「本日のオススメは!メニューに書いてない……じゃ…なくて…メニューに書いているこれ!これです!ホッケの一夜干し!」という残念なオススメだったけど料理が美味くて雰囲気の良いお店でした。
さて、審美眼です。
何を美しいと思って、何を美しくないと思うか。それは経験で培われます。
そのため自分が「美しくない」と思っても、他の人は「別に気にならない」と食い違うことも起きて当たり前。つまり審美眼の得意領域はそれぞれ異なるから、逆に自分には美醜を審判できない領域もあるということ。
とはいえ他人のことはお構いなしではなく、どちらが正しいでもなく、各々の強みを各々の出番で発揮することが大事。自分の審美眼は自分らしさ。
審美眼を養うには仕事が一番だけど、今日の仕事が明日無くなってしまう可能性もあるような現代では、今の仕事に未来があるか不安になりますね。
先日Twitterで出会ったこの画像もあながち間違った予測ではないでしょう。
どの仕事であっても審美眼が求められますが、何を美とするかが違います。
例えばレジ係。
レジ係なんて言い方も失礼だと思いますが、臨機応変に対応しない(またはその必要のない)機械的な作業だったとしたら「漏れなく速やかに商品をレジ打ちして、正確に代金を徴収すること」が最低限の仕事。そこに必要な審美眼は「漏れなく速やかに」と「正確に」となり、これは機械に置き換えても質が落ちないか、むしろ機械のほうが美しく出来てしまう仕事です。
※もちろん感謝を込める人間らしさはあるけど、顧客ニーズは別なのです。
機械に置換可能なのは美の審判基準を明文化できるから。一様かつ一定の審判基準(=顧客ニーズ)をコード化すれば機械にやらせることができます。
前述の表で置換可能性90%以上の仕事には、元々顧客ニーズが一様なものもあれば、顧客が臨機応変な対応を諦めている仕事も含まれています。「そういう決まりなので」と言い切れる仕事は概ね機械化が可能になります。
機械なら、冒頭の居酒屋店員のように口を滑らせることはありません。
長く働くだけで養える程度の審美眼なら学習AIでも修得可能。逆に顧客ニーズが多様で変化する仕事では、いくらAIが学習しても万年新米で役立たず。前頭葉が発達した人間の審美眼には敵いません。顧客が置かれた境遇と顧客が求める未来を想像して、それらを繋ぐ仕事を創造する審美眼です。
特に異業種で培った審美眼は有効。どんな仕事でも構いません。仕事で培われた一流の審美眼は異業種でも活かせます。歩道に描いた配管図にすら見惚れちまう。一流の審美眼で創造した仕事が自分の出番。それが人間の仕事。居酒屋店員のリカバリーはとても創造的で親しみを感じさせてくれました。
自分の審美眼を養って、自分らしく誇らしく創造的に仕事しよう。
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