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ソシオニクスとMBTIの違いとは?

世界中で親しまれているMBTI診断ですが、最近注目を浴び始めている性格診断ツールとして「ソシオニクス」があります。

ソシオニクスはMBTIに似ていることからしばしば「MBTI=ソシオニクス」と混同されることが多い傾向にあるようです。

そこで、今回はソシオニクスとMBTIの違いについて比較して紹介していきます。

これからソシオニクスについて知りたい方、MBTIとソシオニクスの違いについて知りたい方はぜひ参考にしていただけると幸いです!

ソシオニクスとMBTIの共通点

まずは、ソシオニクスとMBTIが混同される原因について確認していきましょう!

ソシオニクスとMBTIは、どちらもスイスの精神分析医であるユングのタイプ論を元に生まれた性格タイプになります。

ユングのタイプ論では「人は多様な性格類型のいずれかに分類できる」と仮説立てており、すべての人が4つの心的機能(感覚S・直感N・思考T・感情F)を備え、それぞれが「内向(I)か外向(E)」に分かれることから8つのタイプに分類しています。

このタイプ論を元に、MBTIアメリカの「キャサリン・ブリッグス」が、ソシオニクスロシアの「オウシュラ・オゥグスティナウィチュティエ」によって開発されました。

つまり、大元が同じ理論から生まれた性格診断のため、MBTIとソシオニクスは混同されやすくなったと考えられます。

それでは、ソシオニクスとMBTIの違いには何があるのか以下から詳しく紹介していきます。

▼MBTIについてまず詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

理論の違い

ソシオニクスとMBTIの違いには、まず2つの性格診断を構成する「理論」に違いがあります。

ソシオニクスは1960年代から1970年代にかけてロシアで発祥し、ユングのタイプ論にオウシュラ・オゥグスティナヴィチュティェが独自の視点を加えて開発した性格診断になります。

これと決まった理論は存在せず、現代でもさまざまな見解や理論が立てられており、それによって学派やタイプ判定に違いがみられる性格診断です。

ソシオニクスは(思考T・感情F・感覚S・直感N)をそれぞれ(内向 i ・外向 e )の8つの要素に分類した情報要素で心の性質を表します。

これはMBTIやユングには存在しない8つの要素であり、ケンピンスキーの情報代謝の理論を取り入れたものになります。また、ソシオニクスでは独自の記号で分類されているのも特徴です。

また、ソシオニクスでは8つの情報要素をどのように脳が処理し判断するのかをさらに分析しており、オーストラリアの精神学者「フロイト」が唱えた人の無意識領域である「フロイトの3要素」を組み込んでいます。

それに対してMBTIは、1960年代にアメリカのキャサリン・ブリッグスが同じくユングのタイプ論をベースに開発した性格診断になります。

分類の違い

ソシオニクスとMBTIでは、それぞれを構成する分類方法に違いが見られます。

【MBTI】
MBTIは、自分の心の利き手を理解するために大きく4つの指標で分類しています。

1.外向(E)か内向(I)か
2.感覚(S)か直感(N)か
3.思考(T)か感情(F)か
4.判断(J)か知覚(P)か

MBTIではこれを4つの心理機能と呼んでおり、下の図のような関係性を示します。

この4つの指標と自分の得意な機能(公式では心の利き手と表現)を性格診断によって導き出します。

①EとI(外向と内向)どちらに興味関心を向けることに興味があるか
②SとN(感覚と直感)どのように情報を知覚し取り入れることを好むか
③TとF(思考と感情)どのように情報を判断し結論を出すことを好むか
④JとP(判断と知覚)どのような姿勢で物事に取り組むか

これにより、MBTIでは4つの指標を2つの選択肢をもつため(2×2×2×2=16)で16個の性格タイプに分類します。

【ソシオニクス】
ソシオニクスは(思考T・感情F・感覚S・直感N)をそれぞれ(内向 i ・外向 e )の8つの要素に分類し情報要素と呼ぶことで心の性質を表しています。

上の図のように8つの情報要素には①「内向思考」②「外向思考」③「内向感情」④「外向感情」⑤「内向感覚」⑥「外向感覚」⑦「内向直感」⑧「外向直感」があげられます。

この、8つの情報要素をフロイトの3要素に当てはめて、「自我ブロック」「超自我ブロック」「超イドブロック」「イドブロック」にそれぞれ8機能に分類したものを、ソシオニクスでは「モデルA」と言います。

モデルAは第1機能〜第8機能まであり、上から順にそれぞれ「自我ブロック:第1機能と第2機能」「超自我ブロック:第3機能と第4機能」「超イドブロック:第5機能と第6機能」「イドブロック:第7機能と第8機能」に分類されています。

また、ソシオニクスでは8つの情報要素を、モデルAの8機能にそれぞれ分類させ、さらに第1・2・5・6機能が共通するグループに分けたものを「クアドラ」と呼び、このクアドラは大きく4つの「アルファ・クアドラ」「ベータ・クアドラ」「ガンマ・クアドラ」「デルタ・クアドラ」に分類されます。

このように、4つのクアドラに4つの似た機能をもつグループに分類することで(4×4)で16個の性格タイプに分類されています!

このように、MBTIとソシオニクスはユングのタイプ論から派生していますが、分類方法に大きな違いが見られますね。

これらの分類方法によって何がわかるのでしょうか?

ソシオニクスとMBTIの性格診断の主な目的について確認してみましょう!

主な目的

上記で紹介した理論や分類方法の違いから、ソシオニクスとMBTIの性格診断の主な目的にも違いが見られてきます。

MBTIは93の質問数で、1つの質問に対してしっくりくる方(心の利き手)を選びます。

それによって、自分の心のあり方や脳の働き方のパターンを理解することにつながり、「自己理解を深める」ことができます。

ソシオニクスでは30〜40の質問数で、AとBどちらがしっくりくるのか2つの選択肢から1つを選びます。

それによって導き出されたタイプで、自分や他者との関係や感情について理解を深めることができるため、対人関係の改善に効果が見られるとされています。

16タイプ

最後に、ソシオニクスとMBTIの16タイプの違いをそれぞれの表記とタイプごとに比較して紹介していきます。

【MBTI:16タイプ】

・ESTP(起業家)
 SLE(元帥)

・ESFP(エンターテイナー)
 SEE(政治家)

・ISFP(冒険家)
 SEI (調停者)

・ISTP(巨匠)
 LSE(管理者)

・ESFJ(領事)
 ESE(熱狂者)

・ESTJ(幹部)
 LSE(管理者)

・ISFJ(擁護者)
 ESI(守護者)

ISTJ(管理者)
 LSI(検察官)

INFJ(提唱者)
 EII(人文学者)

・ENFJ(主人公)
 EIE(指導者)

INFP(仲介者)
 IEI(詩人)

・ENFP(運動家)
 IEE(相談役)

・INTJ(建築家)
 LII(分析家)

・INTP(論理学者)
 ILI(批評家)

ENTJ(指揮官)
 LIE(企業家)

ENTP(討論者)
 ILE(発明家)

まとめ

ソシオニクスでは、4つのクアドラごとに分類されています。

【クアドラと16タイプ】

「アルファ・クアドラ」
1.ILE:発明家
2.SEI:調停者
3.ESE:熱狂者
4.LII:分析家

「ベータ・クアドラ」
1.SLE:元帥
2.IEI:詩人
3.EIE:指導者
4.LSI:検察官

「ガンマ・クアドラ」
1.SEE:政治家
2.ILI:批評家
3.LIE:企業家
4.ESI:守護者

「デルタ・クアドラ」
1.IEE:相談役
2.SLI:職人
3.LSE:管理者
4.EII:人文学者

このように、ソシオニクスとMBTIは似ているようで全く似ていない違う性質をもつ性格タイプです。

本記事を読んでソシオニクス診断に興味が湧いた方は、以下のサイトから診断を受けることが出来ますので、ぜひご活用ください!

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