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AppSheet実践編シリーズ⑫~開発したアプリをサインインなしで使う場合の注意点~

はじめに

 こんにちは。ソシオネットの髭晩酌です。
 最近、急に寒くなりましたね。先週お酒飲んで寝たら、翌朝風邪を引いてしまいました。。。年々、風邪が治るまでの期間が長くなっている気がしています。
 でも、これくらいの気温なら、まだコロッケそばは冷たいぶっかけの方がいいかな~。温かいコロッケそばを食べるのはもう少し寒くなってからになりそうです。


 さて今回のブログは、開発したアプリを他人に使ってもらう場合のお話しです。

 AppSheetで開発したアプリをモバイル上で使うためには、基本的には「AppSheetアプリ」(←開発したアプリそのものではなく、アプリをモバイルで動作させるためのアプリのこと)をApp StoreやGoogle Playからダウンロードして、その上で開発したアプリを動作させるのが普通かと思います。

 ですが、「AppSheetアプリ」をダウンロードせずとも開発したアプリをブラウザ上で動かすことも、実は可能です。
 例えば以下のような場合は、ユーザに「AppSheetアプリ」をダウンロードする手間をかけさせず、また、サインインなしでブラウザ上でアプリをさらっと動作させたいというニーズがあるのではないでしょうか?

  • 特定のイベント用の一時的なアプリなど、不特定多数のユーザ向けのアプリの場合

  • 普段AppSheetの開発に関与していないユーザに、開発したアプリを試してもらいたい場合

  • ユーザトレーニング時において、生徒が作ったアプリを生徒自身のスマホから実行してもらう場合

 ということで、今回は「AppSheetアプリダウンロードなし」&「サインインなし」で、モバイルのブラウザからアプリを実行するためのやり方と注意点のお話です。

 なお、本ブログの画面説明は「improved editor」モードにて説明していきます。

ブラウザ実行用のURLを取得しよう

 では早速、ブラウザからアプリを実行するためのURLを取得する手順をご紹介します。

 AppSheetエディタの右上にあるShareボタンを押下し、Copy sharing linksボタンを押下します。

 真ん中のBrowser Linkのリンクコピーボタンを押下し、URLをコピーします。

 ちなみに、Editor Linkはアプリのエディタ画面(つまり今の画面)へのリンクとなります。また、Install Linkは「AppSheetアプリ」のダウンロードを要求されるリンクとなっております。

 では改めて、コピーしたBrowser LinkのURLに、モバイルのブラウザからアクセスしてみましょう。
 無料でURLをQRコードに変換できるサイトはたくさんあるので、Browser LinkのURLをQRコードに変換して、お手元のスマホからパシャってやるのが早いと思います!

 そうすると、スマホのブラウザで以下の画面が出てきました。

 これは、Googleにサインインしなさい、って言われています。
 つまり、事前にアプリ側からサインインを不要とするような設定をしないといけない、ってことですね。

サインインを不要とする設定をしよう

 ということで、アプリ側でサインインを不要とする設定のやり方を説明していきます。

 AppSheetエディタの左メニューにあるSecurityを押下し、Require sign-inを押下します。そして、真ん中の部分にある3つのトグルをそれぞれ以下のように設定してください。

 なお、それぞれの設定の意味は以下の通りです。

  • Require user signin?: サインインを要求するかどうか?

  • Yes, the data in this app is public: データが公開されることを了承済か?

  • Yes, I am authorized to set up an insecure app: セキュアではないアプリをセットアップする権限を有しているか?

 全部上記の通りに設定したら、SAVEボタンを押下して設定を保存しましょう。

 これにより、前述のBrowser LinkのURLにモバイルのブラウザからアクセスすると、サインインを要求されずにアプリが開けるようになりました。

注意点

①不特定多数のユーザが使う場合はパブリッシャーPROライセンスが必要

 そもそもですが、AppSheetは無償版では月に10人までしかアプリを共有することができません。
 無償版で前述の設定をすること自体は可能ですが、そのURLを不特定多数のユーザにばらまいてアプリを使わせると、おそらくライセンス違反となりますので気をつけましょう。

 通常のAppSheetのライセンス体系は以下の公式サイトをご確認いただければと思いますが、基本的にはアクティブユーザごとの課金となります。
 が、上記のような不特定多数のユーザが使う場合のために、パブリッシャーPROライセンスというものがあります。
 パブリッシャーPROはユーザー無制限・1アプリ毎に料金を支払うプランですので、利用人数が多くユーザごとではコストがかかりすぎる、という場合はこのプランがおすすめです。

②サインインが前提となっている関数は使えない

 改めてですが、今回はサインインせずにアプリを使用する想定のお話しをしています。そうなると、サインインが前提となっている関数は使えないということになります。
 具体的には、USERNAME()やUSEREMAIL()といったサインイン情報を前提とした関数は使えないので注意しましょう。

③カメラやバーコードスキャン機能が使えない

 ブラウザからアプリを使用した場合は、カメラ機能やスキャン機能は使えません。
 例えば、image型の項目にデータを入力するアプリの場合は、通常はモバイル端末内のファイルを選択するか、その場でカメラで写真を撮るか、のいずれかですが、ブラウザからの場合はファイル選択しかできません。
 また、スキャン機能もブラウザからは使えません。ブラウザからではスキャン機能を立ち上げるボタンが表示されません。
 これらの機能をアプリで使いたい場合は「AppSheetアプリ」をダウンロードしてもらうようにしましょう。

終わりに

 本ブログでは、「AppSheetアプリダウンロードなし」&「サインインなし」で、モバイルのブラウザからアプリを実行するためのやり方と注意点をまとめてみました。

 注意点に関しては、②は「言われてみれば、そりゃそうだな」って感じかなと思いますし、③も事前にアプリをダウンロードしておいてもらえれば済む話と思います。
 が、①はコンプラ的に要注意ですね。冒頭の用途の例でも書いたような、イベント参加者向けのアプリをAppSheetで開発しようとされている方は、気をつけましょう。

 ということで、今回のブログは以上となります。ではまた次回ブログでお会いしましょう!ルネッサーンス!!

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