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【レビュー】セルヒオ・ゴメス、良すぎませんか? 第2節 エスパニョール - レアル・ソシエダ

ラージョとの開幕戦に敗れたソシエダはアウェイでエスパニョールと対戦。昇格組のエスパニョールも初戦はバジャドリード相手に黒星スタート。
お互い初勝利を目指す一戦となった。


前節はこちらから


チームコンディション

  • スベルディアとオドリオソラ、ザハリャンにバレネチェアが欠場。

  • カルロス・フェルナンデスは移籍交渉のため登録外。



スターティングメンバー

前節からの変更はピボーテのスビメンディと、右WGのセルヒオ・ゴメス。



試合結果

1ー0

得点:久保
サイコーでした!


チームスタッツ

個人スタッツ

試合への影響度が見える以下の5項目をピックアップ。

・ xG (Expected Goals / ゴール期待値)
シュートを打った時に、その位置や状況からどのくらいゴールになりそうかを0〜1で数値化したもの。10本打って1本入るような難しいシュートなら0.1、こぼれ球を押し込むだけとかなら0.6といった感じ。
この数値は、1試合の中でシュートを打つ度に加算される。例えば5本打ってその合計の xG が0.8だった場合、実際に1点取れていれば優秀。2点取れてたのなら超優秀。0点だったら次はちゃんと決めろという話になる。

・xA (Expected Assisted Goals / アシスト期待値)
考え方は xG と同じ。どのくらいゴールに直結するようなラストパスを出したかという目安。

・ PrgC (Progressive Carries / 効果的なドリブル)
ドリブルにより一定距離(10m弱)ボールを前進させた回数。自陣でのプレーに関してはカウントされない点が特徴。プレスの強まる相手陣内でボールを前に運べるプレイヤーは、個での優位性を生み出す存在であり、相手にとって脅威となる。

・ PrgP (Progressive Passes / 効果的なパス)
パスにより一定距離(10m弱)ボールを前進させた回数。こちらも自陣でのプレーに関してはカウントされない。ただし、右SB → 右SHのような比較的通りやすい縦パスもカウントされるため、ディフェンダーを見る場合は少し注意が必要。

・ Cmp% (パス成功率)
こちらは自陣でのプレーもカウントされる。なのでキーパーとセンターバック、アンカーの選手あたりが良い数字を残す傾向にある。

ソシエダのゴール期待値の方が低いのが気になる。


試合内容

4-3-3 と ダウンスリー

ソシエダのビルドアップ時、エスパニョールは前の2人(7番&9番)でスビメンディへのパスコースを消しながらミドルブロックで対応。トラオレとハビ・ロペスへのマークも少し離しており、中央へのパスコースを閉める意図があるように思われる。

ただ、スビメンディがうますぎて簡単に中央で受けれてしまう。
EUROでロドリからいろいろ指導受けてきました?

中央にスペースが空いているのはトゥリエンテスとブライスがあえて引いてこないから

エスパニョールは前線のディフェンスが全然機能してないので、途中から7番プアドをスビメンディのマンマークに設定。

ダウンスリー

すると今度はスビメンディが左SBかCB間に下りてきて3バックのように変化する。トゥリエンテスが下りてきて、難なく前を向く。

ちなみにエスパニョールのディフェンスがなぜここをフリーで持たせてくれるのかは正直理解に苦しむ。15番グラヘラが守備時に両手を広げて、このラインを保てみたいな指示を何度かしていたが、中盤のラインをそこまで下げるなら前線のプレスの掛け方がおかしい気がしてならない。

とにもかくにもソシエダは中盤がかなり楽に使える展開。その影響は、スビメンディとトゥリエンテスのとんでもなく高いパス成功率にも表れている。
ピンチらしいピンチも無く、前半は終始安定したポゼッションを保った。



課題は攻撃陣

安定したポゼッションを保つことは良いことだが、それでいてチャンスシーンが少ないのは問題だ。
この試合のゴール期待値(xG)はソシエダ0.7に対してエスパニョール1.8
負けていても全然おかしくなかった。パチェコのミスキックで大ピンチを招いたが、サッカーにミスは必ずあるものでこれを無くすことは出来ない。
得点力アップが引き続きの課題だ。

(今節に限れば、ブライスのロスト17回がやや多すぎたというのもある)


SBの押し上げ

結果的にはあまり多くの決定機を作ることは出来なかったが、攻撃面で良かった点もいくつかある。

ひとつには両SBが高い位置を取れていたこと。

トラオレとハビ・ロペスが攻撃時に大外を使える位置にいたおかげで、ベッカーとゴメスがハーフレーンに入ってくることが多かった。これによりオヤルサバルとの距離感が良くなり、ワントップで孤立することを防げていた。

もうひとつSB。今度はハーフレーンを取る形。

ちなみにこちらは得点シーン

これにより久保、ベッカーが1対1を仕掛けやすくなる。

今のソシエダのストロングポイントは久保でありながら、なかなか1対1の形を作れていなかった。こうしたシーンを何度も再現できれば、得点力アップに直結するだろう。

なおこのシーンでは、久保がドリブルで構えた時に味方が離れていくのも良かった。ゴール前のスペースを空けていたおかげで、シュート前の1〜2歩分だけ余裕を持ってコースを狙えている。



その他どうしても

セルヒオ・ゴメス、良すぎませんか?

久保とスビメンディの活躍は別格として、セルヒオ・ゴメスも前節に続いて際立っていたように思う。ライン間を狙うポジショニングだったり、攻撃スピードのコントロールだったり。パスやシュートのキック力だったり。
なにより、自由に動き回るプレースタイルがソシエダに無いバグ(イレギュラー要素)として、とても効いているように見える。

前半34分のシーン。

トゥリエンテスが裏を狙ったもののボールが出てこず、中央にぽっかりスペースができる。そこへセルヒオ・ゴメスが大外から流れてきてライン間でパスを受け取る。そのまま逆サイドのベッカーに展開し、自分も左サイドへとさらに流れていく。

これは一例であるが、セルヒオ・ゴメスのプレーによってソシエダの攻撃のテンポがとても良くなっているような気がしてならない。
あとたぶん、久保とプレーがすごく合うと思う。


ハビ・ロペスも良すぎませんか?

ハビ・ロペスに関してはPSMの段階からフィットしていたが、さらに存在感を増している。タイミングの良いオーバーラップを最後まで出来るスタミナ。1対1の体の強さ。早くヤマルとかロドリゴとかとのマッチアップが見たくてたまらない。

アディショナルに足を攣っていたが、たぶん嘘。アリッツが治療中で10人の時だったので、時間稼ぎをしていただけと思われる。頭が良い。顔も良い。



次節に向けて

最終盤はヒヤヒヤする展開ながらもまずは初白星。
初戦から好調そうだったアリッツが負傷してしまったのはチームにとって大きな痛手だ。足を引き摺りながらも懸命にディフェンスしようとする姿が忘れられない。長引かないと良いけれど…

次節はアラベスとのバスクダービー。
PSMではアラベスの方が出来は良かったが、メンバーが違うので全く違った内容になるだろう。

連勝とともに、調子の良さそうな久保の2試合連続ゴールにも期待。



サディクについて考察してみました

PSMのアラベス戦はこちら

いよいよELの抽選会が始まりますね




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