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【レビュー】 圧倒的な輝きを放ったザハリャン 30節 ソシエダ - アラベス (A)

第1回目のレビューはアラベスとのバスクダービー。

ビルバオとのバスクダービー同様、こちらも会場の雰囲気が非常に良い。
試合前の場内は和気あいあいとしており、アウェイのユニフォームを着てホーム側のスタンドにいても問題ないというレベル。
白熱しまくるセビージャダービー(セビージャとベティス)ももちろん良いが、休日のサッカー観戦をみんな楽しんでいるこうした感じもなんとも素敵だ。


 チームコンディション

  • 代表ウィーク明け

  • ル・ノルマンがイエロー累積で出場停止

  • バレネチェア、アリッツが怪我から復帰

  • 数日前のトレーニング中にブライス・メンデス負傷

招集されていたのはレミーロ、トラオレ、アランブル、ル・ノルマン、ティアニー、スビメンディ、メリーノ、ザハリャン、久保、サディク、ベッカー、オヤルサバル。
ユース世代ではトゥリエンテスも。

計13人。 とんでもないな。

2試合フル出場した選手はさすがにいなかったが、移動やらあったのも考慮すると招集されなかったメンバーのコンディションがいいはず。

であればハビ・ガランと、絶好調ブライス・メンデスはマストと思っていたところにブライス負傷のニュースが。しかもわりと長そうっていう。

ちなみに非公認ながら行われたバスク代表の試合にはアリッツ、パチェコ、
オラサガスティ、アラベスからゴロサベル、ゲバラ、ソラが招集された。




スターティングメンバー

23-24シーズン 第30節 アラベス戦のフォーメーション

ディフェンスライン

ル・ノルマン不在なので当然パチェコがスターター。順当。
昨シーズンと比べてミスが明らかに少なくなったことに加え、実は左足でのロングボールが蹴れるという点でも今後が楽しみな1人。

左サイドのハビ・ガランも順当。
ただし前にバレネチェアがいるのがやや気になる。
26節のビジャレアル戦でも左サイドはこの2人だったが、その時はバレネチェアがワイドで受けた時にハビ・ガランがサポートの位置で手持ち無沙汰にしている感じが何度か見受けられたからだ。
相手が元ソシエダのゴロサベルということもあり、左は注目ポイント。

インテリオール

絶好調ブライス・メンデスの長期離脱はソシエダにとって大きな痛手であることは間違いないが、ザハリャンにとっては千載一遇のチャンスでもある。

これまでインテリオールとしてスタメンで起用されたことはもちろんある。
だがそれは本当に数回しかなく、基本的には左のウイングを任されてきた。
バレネチェアのように個の突破力を武器としていない彼をなぜそこで?と嘆き続けた世のレアリスタは多かったのではないだろうか。

だが今回は違う。状況がまるで違う。
これまで得意としてきた攻撃的なインテリオールでの起用。バランスを取るのが得意で、後方からのロングボールのターゲットになってくれるメリーノとのセット。
そして決定的に違うのは前節のカディス戦で待望の移籍後初ゴールを決めていること。(あのガッツポーズは最高でした)
その後の代表ウィークでも、途中出場ながら1年振りにピッチに立ち、アシストを記録したっていうんだからノってないわけがない。


スリートップ

オヤルサバル、久保、バレネチェア。
言わずもがな今季のソシエダにおいてベストな組み合わせ。
なのにここ最近は3人がスタートから揃うことはなく、調べてみたら最後は第12節のバルセロナ戦まで遡るようだ。内容では間違いなく勝っていたのに、アディッショナルでアラウホにヘッドを叩き込まれて惜敗したあれか。
調べなきゃ良かった。

ともあれ、いろいろと見どころのある一戦ということで。




試合結果

スタッツ

交代

  • 久保 → ベッカー

  • バレネチェア → アンドレ・シルバ

  • オヤルサバル → ティアニー

  • ザハリャン → トゥリエンテス

得点

  • パチェコ (アシスト:ザハリャン)




試合内容

大方の予想通りといった展開になったように思う。
ボールを保持しながら崩したいソシエダと、やや引いた形からロングボールを交えつつ少ない手数でゴールまで迫りたいアラベス。
前回の対戦ではゲバラが非常に良い働きをしていたのもあり、アラベス優勢の展開だったが、それは予想外。


左サイド問題

注目ポイントに挙げた左サイドについて。
普段は大外で張ることが多いバレネチェアは序盤、1つ内側のレーンでボールを受けるシーンが散見された。ペナルティの角、あるいはもう少し内側あたり。大外のレーンをハビ・ガランに使わせる為かと思ったが別にそんなシーンはなかった。

もちろんバレネチェアが大外で受けるシーンもあった。その時にはガランが1レーン内側で相手の最終ライン近くまで押し上げていたのだが、連携は全く無くどうも息が合っていない感じは否めない。
だが今後、左を2レーン使って崩すようになってくるならワントップとの距離感が良くなる期待が持てる。加えて、単純に攻撃の人数が増えることで得点力アップに繋がる可能性も感じる。

後半にティアニーが入って、ハビ・ガランが一列前に上がったことでなにか納得した。いつもならディフェンスラインからだろうと序盤からどんどん仕掛けるガランが、ようやくドリブルし始めたからだ。大人しかったのは、後半にその機会があるのを知っていたからかもしれない。

最近はウイングに利き足が逆のアタッカーを置くのは定石だが、左サイドに左利きをっていうのもそれはそれで良い。


圧倒的な輝きを放ったザハリャン

地元紙でMVPに選出されたザハリャン。右サイドで久保が受けた時のサポート、裏への抜け出し。糸を引くような完璧なスルーパス(3本)。高精度のコーナーキック。過去イチの躍動を見せてくれた。

ブライス不在の中、彼の活躍はチームの最終順位にも大きく関わってくるように思える。どうか怪我だけには気を付けてくださいね。


気になったプレイヤー

ハビ・ロペス
アラベスの左サイドバック。
細身でありながら体幹が強く、当たり負けしない。久保とのマッチアップでもしっかり対応していたように思う。
攻撃時には一番前まで押し上がるシーンも度々あり好感。
U-23スペイン代表に選出されているとのことで評価も上々のよう。

来季おそらくティアニーいないだろうし、ガランもダメだった場合に取ってくれたら嬉しい。マドリーのフラン・ガルシアより断然良いと思う。




今後について

まもなくコパデルレイの決勝が催される。
ビルバオ対マジョルカの一戦だが、この結果はソシエダの今後を大きく左右する。

コパデルレイの優勝特典がヨーロッパリーグへの出場権ということで、現在5位のビルバオが勝った場合は既にその権限を有しているということで、ラ・リーガの6位へと権利が回ってくる。つまり現在6位のソシエダは順位を落とさないことが今季の最低限の目標になる。

もしマジョルカが勝つと大惨事だ。
ヨーロッパリーグの出場権は当然マジョルカに与えられ、6位のソシエダは下のコンペティション、カンファレンスリーグへの出場ということになる。

カンファレンスリーグの出場権では主力選手の流出は避けられない。これを機に一気にチームが弱体する恐れも全然ありうる。かといってここから5位に浮上するのもなかなかハードルが高い。

なのでお願いします、どうか勝ってくださいビルバオ様。


次節のマッチレビュー



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