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【レビュー】ヨーロッパリーグ出場をかけた大一番 第37節 レアル・ベティス - レアル・ソシエダ
1ポイント差でヨーロッパリーグ出場権を争う両チーム。ソシエダは前節バレンシア戦に勝ち、再び6位に返り咲いた。
大一番ではあるものの、最終節を考えれば引き分けでも良しとされる一戦。
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前節はこちら
サモラ賞の話は目次から飛べます。
コンディション
前節から中2日の過密日程
ル・ノルマンが急遽、出場取りやめ
ベティスはイスコ他、怪我人多数
今節も過密日程は同条件。スビメンディ、スベルディア、ル・ノルマンの中央がいないが、ベティスもイスコがいない。
スターティングメンバー
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前節バレンシア戦から6人を入れ替え。
ティアニーとガランの縦並びは第30節アラベス戦以来2度目。2人のプレースタイル的にも相性が良いと思える。
ホームのベティスは引き分けすらも許されない状況で、開始直後から積極的に前がかってくることが予想される。それに対しソシエダは、ガランの位置次第で4バックにも5バックにも対応できるメンバーで臨んだ。
試合結果
スタッツ
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交代
キーラン → ヨン・マルティン
トゥリエンテス → オラサガスティ
トラオレ → アランブル
ブライス → バレネチェア
ベッカー → ザハリャン
得点
ブライス・メンデス (FK)
メリーノ (アシスト:オヤルサバル)
試合内容
ソシエダは5バックではなく、4バックでスタートした。となれば当然ミドルブロックではなく、ハイプレス。いつものソシエダの4-3-3だ。素晴らしい対応。攻撃にウエイトを置きたいベティスにとっても、その方がやりづらいはずだ。
ソシエダのビルドアップ
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序盤はベティスもハイプレス。
ソシエダはレミーロまでボールを下げ、ぎりぎりまでベティスのプレスを引きつける。4-2-3-1のベティスは、トップ下の8番フェキルが一列前に出て4-4-2でプレス。トゥリエンテスにはダブルボランチの1人、14番カルバーリョが寄せる。
ちょっと色分けしてみよう。
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最終ライン(紫)はベティスが数的有利だが、中盤(橙)ではソシエダの方が1人多い。なのでレミーロからインテリオールまで飛ばす少し長めのパスが有効になる。そういうシーンが何度か見られた。
ちなみにトゥリエンテスがフリーで簡単に前を向けるシーンもあった。普段のベティスがあまりハイプレスをやらないせいか、トップ下がイスコではないせいか、はたまたソシエダが5-4-1でくると想定していたせいか。要因はいくつか考えられるが、いずれにせよソシエダのビルドアップはいつもよりやりやすいように映った。
序盤の先制点による影響
ブライスのとんでもないFKが決まり、ソシエダが先制。願ったり叶ったりの展開ではあるが、少し流れが変わり出す。
もう後がないベティスがさらに攻勢をかけるのに対し、ソシエダは徐々に全体のラインが下がり始めた。
前半17分のベティス
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ベティスの右SBサバリが最前線まで上がっている。さらには右SHのフォルナルス(18番)が前へ出ていくこともあり、ティアニーとガランの距離が近くなっていく。
かといってベティスの攻撃は右一辺倒ではない。左に展開すれば左SBのミランダ(3番)が高い位置を取り、ベッカーがやはりディフェンスライン近くまで押し下げられてしまう。
バランスを取るためにメリーノとブライス、オヤルサバルも引かざるを得なくなる。全体が押し下げられると、ソシエダはゴール前でなんとかクリアしてもセカンドボールをベティスに拾われてしまう。必然、ベティスがボールを保持する時間が長くなっていった。
5-4-1で対応
前半20分過ぎからソシエダは5バックを併用し始めた。ベティスの攻撃になればガランが左SBに、キーランが左CBに。5枚で構えることで守備面での安定感は増した。一方で、今度は攻撃がうまくいかない。
5バックでのビルドアップを見ていく。
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ベッカーは右サイドに張ったまま。ガランのために左の前線は空いている。メリーノが下りてトゥリエンテスとダブルボランチ気味での展開を試みる。
最初に見た4-3-3でのビルドアップに比べ、中盤のスペースが狭い。中を経由したいソシエダにとって、展開しづらくなっている。それを打開するためにオヤルサバルが下りてきて受ける形が何度か見られた。ただ、オヤルサバルが下りてくると今度は最前線がいなくなる。ボールは繋げても、ベティスの脅威にはなっていない。
ベティスの守備の変化
ソシエダは再び、序盤で見せた4-3-3でのビルドアップを試みる。
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最終ラインから一度レミーロまで下げ、ベティスを呼び込む。ガランとベッカーが高い位置を取ることで、数的有利の中央エリアを広げる
ここからトゥリエンテスが前に抜ける動きを見せ、メリーノが下りてくる。フリーになるブライスにレミーロからロングパス。完璧。
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これに対してベティスはCBを当ててきた。ベティスの最終ラインは同数になるが、全体が押し上げられていないソシエダに対しては有効な策だ。
ブライスは前が向けず、遅れてプレスにきた10番アジョセに挟まれロスト。逆にカウンターを受けてしまう。
5バックでも4バックでも、ソシエダはなかなか攻勢に回れない。
さらなる一手
ベティス優位の状況の中で、ソシエダはまたしても変化を見せる。
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丁寧に繋いでいくのをやめ、ロングボールを多用し始めた。ヘディングの競り合いに強いメリーノをターゲットに放り込む。メリーノはバックヘッドでゴール前へのパスを狙う。この時、ソシエダはコンパクトにしてセカンドボール、ルーズボールに即プレスをかけられる立ち位置を取っている。
結果的にこの攻撃が、前がかっていたベティスを押し戻し、プレーエリアを回復することに成功した。
追加点のシーンも起点はロングボールから。ヘディングでクリアされたものの、ベティス陣内でハイプレスをかけれている。それがミスを誘発し、ゴールに繋がっている。
ハイライト: #RealBetisRealSociedad 0-2
— ラ・リーガ (@LaLigaJP) May 20, 2024
ソシエダ @RealSociedad_JP がベティスに見事勝利し、来季EL出場権を獲得 💙🤍#LALIGAEASPORTS | #LALIGAHighlights pic.twitter.com/fOC6YUYFi0
レミーロがすごすぎた
この試合、ベティスの選手たちは非常に集中していて、プレーのクオリティが高かった。失点に繋がったのを除けば、ミスもほとんどなかった。内容でまさっていたのはベティスだったのは間違いない。枠内シュート数、パス成功率、ポゼッション率等々、データにも表れている。
ではなぜソシエダは2ー0で勝てたのか。
これは試合を見た誰もが分かっている。レミーロがすごすぎたからだ。
再三のピンチを防いだ上に、まさかPKまで止めてしまうとは。
レミーロの活躍といえば、前節バレンシア戦でのスーパーセーブも記憶に新しい。絶好調の気がする。
もしかして次のアトレティコ戦も…
次節、最終アトレティコ戦
今季ラ・リーガの順位がほぼ決まった。
ソシエダは6位、最終節で当たるアトレティコは4位確定。
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というか上位勢と降格組が全て確定してしまったため、最終節の面白みにやや欠けるところはある。
だがそんな悠長なことを言っていられるのも、今節ベティスに勝ってくれたおかげだ。最終節までもつれなくて本当によかった。
レミーロのサモラ賞はどうなった?
ここから番外編。
以前取り上げた、サモラ賞の行方はどうなっているのかを確認する。
サモラ賞とは何かはこちらの記事で。
現状はこうだ。
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レミーロは現在3位。なのでまずレミーロがクリーンシート(失点0)で次節アトレティコに勝利することが、サモラ賞獲得への絶対条件となる。
するとこうなる。
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ウナイ・シモンに0.001ポイント届かない。
ここでよく採られるのは、ウナイ・シモンが出場しないという手だ。チームの順位も決まっている。リスクを冒して試合に出る必要はないという話。
だが今回はそれが出来ない。テア・シュテーゲンがクリーンシートを達成した場合、失点率0.93でトップを明け渡してしまうからだ。
ここで面白いのは試合の順番。
今節の試合順はこのようになっている。
ソシエダ - アトレティコ
ラージョ - ビルバオ
セビージャ - バルセロナ
本来なら全試合同時刻キックオフ予定だったが、ほとんどの順位が確定したため、一部を除き試合時間がずらされた。テア・シュテーゲンがクリーンシートを達成した場合を考慮し、ウナイ・シモンも少なくとも60分は試合に出なければならない。
相手は16位と格下のラージョながら、アウェイだ。失点は充分にありえる。
ウナイ・シモンが1失点した場合はこうなる。
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試合数、失点数が全く同じになり同率での1位。
話はまだ終わらない。テア・シュテーゲンが残っている。
テア・シュテーゲンはそもそも規定試合数に達しておらず、この試合の出場は絶対。その上でクリーンシートを達成すれば、失点率0.93でトップ、2年連続の受賞となる。だが、こちらもアウェイの試合だ。しかもセビージャ。
当然、失点した場合はウナイ・シモンとレミーロがトップだ。
まとめ
レミーロがサモラ賞を受賞するための条件をまとめるとこうなる。
レミーロがクリーンシート
ウナイ・シモンとテア・シュテーゲンがともに1失点
これは、ある。
次節は勝敗よりも、クリーンシートが達成できるかどうかが見どころだ。
〈了〉
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