【レビュー】 マドリーはやっぱりマドリーでした 第33節 ソシエダ - R・マドリード
首位マドリーをホーム、アノエタに迎えての負けられない一戦。
直近2試合、ドローで勝ち点を伸ばせていないソシエダ。だが内容的には、ヘタフェ戦終盤で見せた4-3-1-2のようにポジティブな面も多い。
コンディション
ほぼベストメンバーで臨める
マドリーが主力を温存 (大チャンス!)
スベルディアとスビメンディが戻ってきた。ブライスは依然として療養中だが、インテリオールの代役はザハリャンが充分に担えている。今節はカードによる出場停止もいない。
対してマドリーはBチームと形容しても問題ないほどのターンオーバーをしてくるものと思われる。
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スターティングメンバー
ソシエダは好調のザハリャンではなくトゥリエンテスを先発。キックの上手いザハリャンに対して、トゥリエンテスはドリブルでの前進や、ボックス内への進入といった推進力を持っている。優劣の問題ではない。
対するマドリーは、久しぶりにチュアメニを本職のボランチで起用。休養より、ボランチとしてのアピールの機会を自ら求めたように思えてならない。
あ、事前予想の的中率は90%(20/22)でした。大満足。
試合結果
スタッツ
交代
トゥリエンテス → ザハリャン
オドリオソラ → アリッツ
バレネチェア → ベッカー
ル・ノルマン → アンドレ・シルバ
試合内容
マドリーはやっぱりマドリーでした
ソシエダに大きな問題点はなかったように思える。
久保とバレネチェアは攻撃の起点になっていたし、オヤルサバルにもいつもよりボールが入っていた。オドリオソラとハビ・ガランのオーバーラップの回数も決して少なくない。インテリオールで出場したトゥリエンテスも、2度の決定的なシュートを放っている。
相手GKの好セーブもあってノーゴールに終わったが、2〜3点入っててもおかしくはなかっただろう。
問題があったのはマドリーの方だ。
ヴィニシウスやロドリゴがいない影響で、前線での溜めができない。クロースがいないからレーンをまたいだダイナミックな展開に欠ける。カルバハルは疲労が溜まりすぎているのか、存在感がない。なによりオフェンス陣の連携が悪い。だからホセルが9番として機能しないし、チャンスも作れない。
なのに。
なのに勝ちを持っていくのがマドリーだ。
少しずつズレを修正し、1本のチャンスで決め切る。勝負強いというよりも理不尽という表現の方がしっくりくる。もちろん個々の技術の高さがあってこそ成せる業なのは分かっているが、はっきり言って納得できない。
セットプレー
この試合で個人的にちょっと面白いセットプレーがあったので、備忘録的に残しておきたくなった。
前半23分のシーンだ。
キッカーはトゥリエンテス。マドリーのディフェンスラインが揃ったところで、ル・ノルマンがあえてオフサイドポジションに移動してセット。
キッカーが助走に入ったタイミングで、ファーサイドで待つメリーノとスベルディアが裏を取ろうと走り出す。ディフェンスラインも当然下がる。バレネチェアも前に走る動きを入れ、マークに付いているギュレルを引っ張る。
この時ル・ノルマンとオヤルサバルは動かない。ル・ノルマンは下がってくる相手DFのカルバハルを手と体でがっちりブロック。
キックの瞬間にバレネチェアは進路を切り返す。同じタイミングで、1列後ろに構えていたオヤルサバルがトップスピードで斜めに走り出す。タイミングをずらされたディフェンス(21番)はスタートが遅れる。
バレネチェアがダイレクトでゴール前のスペースに落とし、ノーマークで走ってきたオヤルサバルが良い体制でシュート。という流れだ。
実際にはトゥリエンテスのパスがバレネチェアに合わず失敗に終わったが、中でオヤルサバルをフリーにする形は完璧に作れていた。
高さがあって相手に警戒されるメリーノとスベルディアをおとりにし、手の使い方が上手いル・ノルマンをブロック役に、ワンタッチプレーの得意なオヤルサバルをフィニッシャーに。とても合理的にデザインされている。
おそらくまた近いうちに見られることだろう。
今季のソシエダはセットプレーからの得点やチャンスが多い。
明確にデザインされていることは随所から見て取れる。攻守のセットプレーを担当しているのはミケル・ラバカアシスタントコーチだ。とても優秀なことがうかがい知れる。
久保やザハリャンのように良いキッカーがいることもチャンスに繋がっている大きな要因だろう。特に久保が見せる、縦のドライブ(回転)で急激に落ちてくるボールは素晴らしすぎる。
どうかもっとペナルティエリア付近でのFKを久保に蹴らせてあげてほしい。
次節に向けて
この試合でスベルディアが累積5枚目のイエローを受け、次節ラス・パルマス戦は欠場となる。変な話、バルセロナやらバレンシアやらベティスやらと続く今後の日程を考えると、最適なタイミングのようにも思える。
ブライス・メンデスの復帰が近いとの報道もあり、シーズン終了までのメンバー的な不安は現段階ではあまりない。
気掛かりはやはり得点が少ないこと。
どこかのタイミングでケチャドバしないと、勝敗だけでなくチームの勢いが出てこないように思える。結局はゴール。内容よりも結果。それを今節でマドリーに突き付けられた。
次節のラス・パルマス戦はまたもホームで行われる。
3点ぐらい取って、攻撃陣復調の足掛かりとなれば最高だ。
次節はこちら
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