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【第二回インタビュー】大豆ミート”ソイクル” 株式会社上向き 白坂大作さん(前半)

こんにちは、ソーシャリアです。

「ソーシャリア社会起業家インタビュー」の第二回目は、環境問題を”食”の切り口からアプローチする、大豆ミート「ソイクル」を販売する「株式会社上向き 白坂大作さん」にお話しをお伺いしました。

インタビューでは、「どの様に思いを育んだのか?」ということで、特に「株式会社上向き設立前」のエピソードを深堀して聞いています。

”自分のやりたいこと”が見つけられずに悩んでいる方にとって、非常に参考になる、考え方もインタビューでは伺っています。

Youtubeでも公開されておりますので、よかったらご覧ください。

はじめに(会社紹介)

今回のゲストは、株式会社上向き 代表取締役 白坂大作さんです。

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株式会社上向きのミッションは、「環境に配慮したライフサイクルを日本のスタンダードに」、ビジョンは、「2030年までに420万人が参加するECOコミュニティを作る」、これらを掲げ、環境問題を“食”の切り口からアプローチするということで、2021年の6月に、大豆ミート「ソイクル」の発売を開始しました。

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ソイクルは、従来の大豆ミートによくある植物性油脂の製造時における副産物ではなく、発芽させた大豆から作られています。
そのため、お肉に引けを取らないほど栄養価が高く、うまみ成分もたっぷり入っています。調理をすることで3倍に膨れ上がるため、コストパフォーマンスも高いのが特徴です。

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大豆ミートは、以下のような環境問題の解決策の一つとしても注目されています。

1つ目は、温室効果ガスによる地球温暖化の問題。主に牛等の畜産業による温室効果ガスの排出量は、世界の総排出量の14%にも上ります。

2つ目は、環境資源の問題です。水や穀物、土地等、お肉をはじめとした食料の生産には多くの資源が必要になります。

そして3つ目は、人口とお肉需要の増加によるタンパク質危機です。大豆ミートが普及することで、これらに対して好影響をもたらすことができます。

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つまり、ソイクルを日常生活に取り入れることで、個人が環境にやさしい一歩をすぐにでも踏み出すことができるのです。
それでは、そんな大豆ミート「ソイクル」を販売している白坂さんがどのような方なのか、インタビューしてみましょう。

「スポーツトレーナー業界の未来」を考えるように

【水本】それでは、本日のインタビューに入らさせて頂きたいと思います。

【水本】本日株式会社上向き、白坂さんにお伺いしたいところは、大きく3つございます。

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【水本】まず一点目としては、どの様に思いを育んだのか、という事に対して是非、白坂さんのソイクル発売までをまずは中心にお聞きしたいんですけれども、これまでの人生の歩みを具体的なエピソードを元に、少し深くお伺いしていきたいと思います。

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 【水本】白坂さんは今まで、株式会社上向きを設立するまでに、大学卒業後、スポーツトレーナ時代をご経験されて、その後、事業プロデューサー時代を経て、株式会社上向き設立、今回のソイクル発売という所になってきてるのかなと理解させて頂いております。

 【水本】本日、まず一番最初に貸していただきたいのは、スポーツトレーナー時代のブログを引用させていただきます。

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 【水本】「遅れている業界であると自覚しているが故に、次世代を担う人間が何倍も努力しなければ、業界が違うといえど、置いてかれるだけではなく、今後のフィットネス業界も暗い」

【水本】というようなところも記載をされていて、非常に業界に対して、強い思いを持たれています。

【水本】フィットネス業界でお仕事をされていた時に、働いていた”会社”に対する思いは強い方はいらっしゃると思うんですけど、そこが”業界”までとなると、なかなかそこまで思い入れが無い方が多いと思います。この部分について、特に業界に対しての思いを持った、きっかけやエピソードがあれば教えてください

【白坂さん】元々フィットネスクラブでトレーナーを4年間行った後に本社勤務になるんですけど、26歳ぐらいから他の会社の人と交流するようになり、そうすると視野が広くなってきました。

【白坂さん】本社の仕事の4年間では、どうやって広く情報を伝えるかについて、考えていました。

【白坂さん】若手の分科会を一緒に作ったり、2011年の震災が起きた後に、お互いにチャリティーの企画をして、人をいっぱい呼んだりしていました。後は、色々なイベントに行き、自分たちがやるべきこと、というのを議論するようになって、当時若手と言われる、二十代後半ぐらいの年齢も近かった人たちと、未来の話をするようになってから、業界全体に対して、もっとこうするべきだなと考えるようになっていったというのが、一番大きいと思います。

自問自答を繰り返し成長。高校サッカーが原点に

【水本】ブログを拝見していると、長い期間にわたってそういう活動も続けられていますし、試行錯誤されながら、ご自身の考えを見つけていってるというプロセスを感じたのですが、それは白坂さんが、そういう力を元々持っていたのか、それとも何か工夫してやられた事があったのかというと、いかがでしょうか?

【白坂さん】事業と直接関係ないですが、高校のサッカーが、自分の人生の原点みたいになっていて、自分では劣等生だと思ってるんですよ。遅咲きタイプって言うんですかね。何をやるにしても、そんなに誰よりも早くできるわけじゃないというのを、高校の時に自覚しました。

【白坂さん】自分は6軍ぐらいから、高校サッカーをスタートするんですよね。それを3年生の時に試合に出ると、自分で目標を決めて、それを達成するために、年間と月と週とその日という風に、何をやらなきゃいけないのかをブレークダウンしていって、それをやっていく過程で、自分の成長が実感できて、結果として目標を達成できるっていう経験を、その高校生の時にしてるんですよ。

【白坂さん】社会人になっても優秀な人はたくさんいますし、今でも優秀な人だらけですけど、あんまり周りを気にせず、自分が成長できてるかどうかということが、1番考え方のベースにあります。昨日より今日、少しでも成長できればいいやと思って、本当にそれぐらいの感覚で生きてます。

「自分のやりたいこと」を“考え続ける”ことが大事

【水本】自問自答を繰り返しても答えがないような気がして、逆に悩んでしまって動けなくなってしまう人もいて、考えることをやめてしまうこともあるのだと思うんですけど、自問自答を繰り返す中で、その時点での答えを見つけながら動いてきたのか、そのあたりはいかがですか?

【白坂さん】それもすごく良い質問ですよね。自分が何やりたいんだろうって考えても、答えはほとんど出てこないことの方が多いんですよ。こういうのやりたいのかなって、たまにヒットすることはありますが、ほとんど出てこないんですよね。でも結局そうなって考えることをやめたら終わりで、考えることをやめて生活することは、絶対しなかったんですよ。そのような時に何を思うかって言うと、まず目の前のことを100%やろうっていう。だから自分の目の前に起きている仕事や生活を、100%にするように持っていって、並行して自分のやりたいことを考え続けるっていうことが大事なんじゃないかなと思います。

【白坂さん】どうしても「やりたいことは何か?分からない。こちらも手につかない」という状態が一番良くないと思っていて、やりたいことを見つけられる人の方が、すごく少ないと思うんですよ。「本当にこれだ」って。しかも、若いうちから何も経験してない人が、本当にやりたいことを、見つけられることの方が難しくて。僕にはサッカーがあったので、盲目的にサッカーは楽しいし、これを仕事にできたら最高だな、位にしか考えていなかったです。

【白坂さん】自分の人生という大きい時間軸で見た時に、やりたいことありますか?って聞かれる方が酷だと思うんですよね。

【白坂さん】今っていろんなものが揃っちゃってるし、戦後と違って何をやっても仕事になって、何をやっても人に喜ばれて、その見返りが給料や車であるという時代ではないので。今ってそういう意味ではすごく見つけづらいと思うんですよね。

【白坂さん】だからこそ、考えることを絶対に辞めちゃいけないと思うし、あとは、自分の生活を100%以上に豊かにするにはどうすればいいかなと。豊かというのは、仕事を楽しむ方法とか、今の生活をちょっと面白くする方法を考えれば、その中で、どこかで自分のアクションが、何かと何かが結びついて、これがやりたいのかなって気づく時がくるような気がしますけどね。

30歳目前。「コミュニケーションをデザインする」道に進むことを決意

【水本】考えることをやめないということに付随してお聞きしたいのが、スポーツトレーナーの、本社での仕事を通じて、次の自分のやりたいことを模索されていたのかなと思っていて、その時のブログがあったのでご紹介させていただきます。

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【水本】「30手前の一昨年くらいから、自分の進みたい方向が、ぼんやり見えてきたと同時に、今まで以上に、自分の将来を真剣に考えました。その結果、一つの答えを出しました。人と人をつなぐこと。すなわち、コミュニケーションをデザインする道に進みたいという答えです。」というのが、次のキャリアを考える時に書かれていた言葉だったのかなというところなんですけど、まずお聞きしたいのが、「人と人とをつなぐ」ということや「コミュニケーションをデザインする」道に進みたいという、この時の思いだとか、それがこの後の展開につながっていくところで、もし何かあればそこもお伺いしたいです。

【白坂さん】当時はスポーツクラブ業界で働いていたって事もあるので、あんまり狭い仕事だけをしたくないなっていう思いが、結構強かったっていうのはありますね。

【白坂さん】自分で企画して、人が集まって何かが生まれることに喜びを覚えて、こういう道に進みたいと見えてきたのが、そこのブログにあったことですね。それで福岡にたまたま行きたい会社があって、なんの縁もあったわけじゃないんですけど、履歴書を送って「僕はこういう気持ちで入りたいです」って言って、そして入ったという、そんな感じです。

30代前半。良い会社、仲間に出会い、溢れ出るエネルギーを100%投下

【水本】実際入ってみて、いかがでしたか?

【白坂さん】20代は大手のコンプライアンスとか、きっちりしてる会社ですね。すごくいい会社で、僕も未だに大好きな会社なんですけど。

【白坂さん】一方で、転職した会社というのは、広告の仕事、コミュニケーションデザインの仕事、あとは通販のサポートとかをしていて、それが自分のやりたい領域でウェルカムだったのですが、とにかく忙しかったんですよ。別にそれをブラックとも全然思ってなくて、1人でブラックやってて何がいけないんですか?くらいの感覚で働いていて。朝5時とか6時くらいまで企画書作って企画書を20部くらい印刷して、そこから始発で博多から新幹線乗っても大阪や東京に行くみたいなことを結構やっていて。

【白坂さん】20代の頃、そんなに働きつくしたという感じがしていなくて、危機感みたいなのがあったんですよね。自分の中で。このままでは、本当にいけないなという。溢れ出るエネルギーみたいなものもあったし。もっと戦えるみたいな。それを30代の時に本当に良い会社に出会えて、良い上司や良い仲間が仕事をする場を作ってくれたんで、思いっきりやるだけという感じでしたね。

【白坂さん】追い込まれるっていうのは、大事だと思いますね。良い意味で。命を取られることはないやという開き直りはありましたし、企画って何月何日の何時に、どこでプレゼンするって決まるわけですね。そうなると、締め切りの中で、どうやってこう自分の脳みそを活用して、良い企画書作ったり、周りを巻き込んだりとか。そこに至るまでの段取りっていうんですかね。企画書の1ページから10ページ目まで、この人にお願いするとか。そういう色々な事を思考することから逃げられなくなるんですよね。何も考えてなかったら、何もない企画になってしまうので。やっぱり追い込まれて、自分の頭を嫌でも使わなきゃいけないような状況っていうのを作ってくれたこの会社の環境って、大事なんじゃないかなと思いますけどね。

良い先輩、後輩、そして何より家族の支えを元に、ハードワークを乗り越えた

【吉岡さん】ハードワークで単純に体調を崩したりだとか、悪い方向に働いていたっていうことはなかったんですか?

【白坂さん】なかったですね。それはきっとうちのママのおかげかなと思うんですけど。そのハードワークをしている時も、土曜日も日曜日も当たり前のように働いていて。でも言っていたのは、ここで働くのは、長い人生で言えば、この3年とか5年とかで、根詰めて働く期間はしれてると。ここで思いっきり働いた後に、レバレッジが効いてくるんだと。だから我慢してくれというか、そういう言い方をしてました。結婚したばっかりの時に。

【白坂さん】それがあったから、ものすごく応援してくれたし、全然文句とかも言われたことないし。いつも家帰って、すごく疲れている時でも、家帰るとテレビでゲラゲラ笑っている奥さんを見ると、地球って平和だなと思って。あと、いい仲間がいたっていうのもありますけどね。良い先輩達と後輩に恵まれたというのもありますけど。本当に自分の一番の拠り所って、家だと思うんで。そこが守ってもらえたというか、サポートしてもらったおかげで、特に体調を崩した経験はないですね。めちゃめちゃ元気やなあってよく言われます。

終わりに

白坂さんへのインタビュー前半如何だったでしょうか?

自分のやりたいことを考え続ける
そして、目の前の事に全力で取り組む
他人と比較するのではなく、昨日の自分を少しだけ越えていく
焦らずに、自分のやれることから取り組めばいいのだと思った

インタビューを終えて、こんな風に感じました。

大事なことは「考えることをやめない」こと。そして「目の前の事に全力で取り組む」こと。「自分のやりたいこと」が見つからず、悩んでいる方も多いと思いますが、そんな皆様にとっては、参考になる考え方なのではないでしょうか。

後半のインタビューでは、「株式会社上向き設立」から「ソイクル発売」までのエピソードを中心に、白坂さんが見つけた、”自分のやりたい事”に迫ります。

後半のインタビューも是非、ご期待ください!!

<運営メンバープロフィール>
【水本】社会起業家養成所ボーダレスアカデミーにて社会の為、周りの為に奮闘する社会起業家とそれを目指す人達に魅せられ、本取り組みを開始。
また休日は3児の父として子育てに奮闘中。

【平良】新卒後は製薬会社のMRとして勤務。その後、医療系広告代理店の企画、製薬会社のMSLを経験。現在は一児の父として育児休業中。MBA専門のコミュニティー「MBA交流クラブ」の代表。

【吉岡】社内・社外問わず色んな人と繋がりを持ち、面白い活動やネットワーク作りを探求中。ペット関連サービスで起業した獣医師の事業立ち上げ支援や、社内のパラレルキャリアコミュニティーの企画メンバーとして活動中。

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