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【第三回インタビュー】株式会社nicomama 江釣子千昌さん(後半)

こんにちは!ソーシャリアです。

ソーシャリア社会起業家インタビュー第三回目の前半」は、「株式会社nicomama 江釣子千昌さん」に、nicomamaのサービスや、立上げの思いについて伺いました。

後半となる今回は、「どの様に思いを育んだのか?」「どの様に思いが行動に結びついたのか?」ということでnicomama誕生のきっかけについて、更に詳しく伺っています。

子育て世代のパパ、ママには、是非、読んでいただきたい内容です。

youtubeでも配信しておりますので、こちらも是非ご覧ください。

一番生命を感じたのが赤ちゃん誕生の瞬間だった

【吉岡】一つ目のテーマとして、どのように思いを育んだのかということについて、病院勤務の前、学生時代について少しお聞かせいただけますでしょうか?

【江釣子さん】ついこの間も、母校の講演をしてきたんですけど、私は最初、救急のドクターヘリとかに乗るような看護師になりたかったんですよ。というのは何か、命の現場に直結した看護師になりたいと思って、大学に入学しています。あらゆる領域の実習を看護大学って行うんですけれども、私が一番、生命を感じたのが、赤ちゃん誕生の瞬間だったんですね。

【江釣子さん】これが究極の救急だと思ったんですよ。あとは産声にエネルギーをすごく感じたんですね。それで、助産師を志したのが、大学3年生とかだったんで、それまでは本当に、どんな転機があっても、方向転換できるように、とりあえず目の前の、夢中になれることは、とにかく頑張ろうって思ってました。

ファイナリストのピッチを聞いて、使命感で胸が熱くなった

【吉岡さん】二つ目のテーマとして、どのように思いが行動に結びついたのかという辺りを聞かせていただきたいと思います。色々と調べていく中で、一つ重要な要素だったと推察するのが、ボーダレスアカデミーに参加され、社会課題について本質的な原因を探求される日々を過ごしたことかと思います。ご自身で確信ができる、アイディアを思いつくきっかけにもなったのかなと思いますが、ボーダレスアカデミーで学ばれていたときについて詳細をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか?

【江釣子さん】ボーダレスアカデミーと出会ったのが、2回目のソーシャルサミットだったんですけれども、助産院を開業して、社会の子育て社会の現状を目の当たりにした時に、「このままじゃ、いけない」と思ったタイミングで、ボーダレスジャパンと出会いました。出会いのきっかけは、インスタグラムで、日比谷ミッドタウンでイベントがあることを知り、何か直感で、「これは行きたい」と思い、行きました。

【江釣子さん】8人のファイナリストのピッチがあって、それを聞いていたら、ふつふつとですね、心の真ん中にしまってあった、使命感みたいなもので、どんどん胸が熱くなってきて、帰りの電車の中で、入学の申し込みをしました。

【江釣子さん】自分でも「何かできるんのではないか?」と、そのときに凄く勇気づけられて、すぐ面談をしていただいて、入学が決まりました。ボーダレスアカデミーに入ってから、本質的な原因を探求し始めたというよりも、私の場合は、経験の中で、「これじゃないか?」というものがあったんですよね。

ターニングポイントはボーダレスアカデミーへの入学だった

【江釣子さん】一番ビジネスで言うと、「予防」って凄く難しいんですけれども、その「予防」を、どの様にビジネスに組み立てて、仕組み化していこうかという所を、かなり徹底的に取り組んだ4ヶ月間でした。

【江釣子さん】心の中にあった、「こうじゃないか?」、「こういう原因を解決すれば、みんな幸せになれるんじゃないか?」ということの、確認作業でしたね。確認作業というか、先輩起業家、あとは同期仲間と、心合わせをする。

【江釣子さん】今振り返って思うと、残ったことは、事業を立ち上げたことは、もちろん前提としてありますが、一番糧となっているのは、「人との出会い」だったと感じております。

【江釣子さん】その繋がりがあるから、今のnicomamaがあると言っても過言じゃないくらい、飛び込んだことで、nicomamaが生まれました。人との出会いの中で、私一人ではなく、皆の力で生まれたと思っています。その様なターニングポイントがボーダレスアカデミーへの入学だったと感じています。

利用者との対話を通じて、本質的な解決策を模索

【吉岡さん】ソーシャリアという活動をやる中で、我々も今、こういう所にに問題があるんじゃないのかと思いつつ、先ほどの江釣子さんの言葉を借りると、「確認作業」をしている途中なのかなと思っています。

【吉岡さん】江釣子さんの場合は、「こうじゃないか?」と元々、思っていたものが、「確認作業」をする中で、自分の読みが当たっていた、という結果だったのか、その辺りはいかがですか。

【江釣子さん】今、日本の社会は「産後ケア」に力を入れています。「産後ケア」は勿論大事で、どんどん広がっていってほしいなと思っています。

【江釣子さん】ただ、心の病だったり、体の不調などの、なってしまった後に対するアプローチは、やはり限界があります。そうならないために、「産前」から繋がることが、凄く重要というのは、仮説の中では、在学時から立てていました。

【江釣子さん】今、確認作業で確証を得ているのが、「かかりつけ助産師」のサービスです。社会に色々な子育て支援のサービスがある中で、継続性が高いのは、「かかりつけ助産師」のサービスです。

【江釣子さん】nicomamaは、今、4つのサービスで動いていますが、一番、軸となるサービスが「かかりつけ助産師」です。「かかりつけ助産師」が、一番満足度も、継続率も高いというのが、利用者の反応からも分かっています。

【江釣子さん】それが、「確認作業」という言い方が適当か分かりませんが、利用者から、教えていただいた、返ってきた言葉だったり、満足度だったりという所です。やはり、個と個が繋がっていくというのが、すごく大事だと感じています。

【江釣子さん】「恐らくここら辺にニーズがあるのではないか?」という所までは、掴めてきたと思ってます。ただ、あらゆるニーズがあると思っていますので、色々なご家族のニーズに応えられる体制は、確保していきたいと思っています。

【江釣子さん】ポイントは「産前」に、という所です。10人中2割ぐらいのママは、予防的な意識を持っています。不安が強く、頼り先を探しているというのも、勿論ありますが、より豊かに、より安心して、自分の大事なお子さんを迎えたいという方が、多い印象があります。

【江釣子さん】取り組んでみて思ったのは、心の余白が全然違います。妊娠期に教わったことを、覚えていて、自然に実践できていたりします。学んでいない人を責めるわけではなくて、いつ学ぶとか、早い、遅いはないと思ってるんですけど、できるだけ早く知っておいた方が、心の余白は作られやすいのかなと感じています。

【江釣子さん】あの時、助産師が「あんな事、言っていたよ」みたいな感じで、思い出していただくような感じになると、普段、お母さんたちに一から教えるようなことが、産後にスムーズに行えているんですよね。それを見たときに「これだ、これだ」と、私は感動しました。心の余白がある分、子供に愛情が更に、生まれるのかなと思います。

まずは、自分のカラーで、思いを表現してみることが大事

【水本】一歩踏み出した先輩として、起業を目指している人に対して、最後に一言、お願いできますか。

【江釣子さん】同じような事業って、世の中にたくさんあると思うんですけど、その方が、生きてきた背景みたいな所は、唯一無二だと思います。

【江釣子さん】これからの時代は、競合という考え方も、勿論大事ですが、救える場は、あれば、あるほどいいと思っています。個の時代になっていくと、あらゆる選択肢があって、自分が心地良いと感じる選択肢を、利用者も選ぶと思います。なので、救える場が増えれば増えるほど良いと思っています。

【江釣子さん】なので、まずは何か、「自分のカラーで、何か思いを表現してみる」ことが大事だと思います。私が生きてきた人生、「こういうものだ」みたいなものが、裏側に見え隠れするのが、事業やっていて、凄く素敵だなと、色々な起業家を見ていて思います。自分の人生を表現していくみたいな。あまり壮大に思わなくて良いのかなと思っています。

おわりに

今回のインタビューは如何だったでしょうか?

「日本中の妊娠・出産・子育てに本質的な安心を生み出す」
インタビューでは、熱い”志”を持って事業に取り組む姿勢が印象的だった
一方で、起業は、「あまり構えなくてよい。自分のカラーで思いを表現することが大事」と、良い意味で肩の力が抜けていた
私もあまり肩ひじ張らずに自然体で前に進んでいきたいと思った

インタビューを終えて私はこのような感想を持ちました。

一見、社会課題をテーマに起業することのハードルは高いように思います。

インタビューでは、日本の子育て社会に対する強い思いを伺いながらも、一方で終始リラックスした雰囲気の中でインタビューは行われました。

お人柄もあるのかと思いますが、肩ひじ張らずに自然体で事業に取り組まれている姿を見て、まずは一歩、「自然体で、自分らしい一歩を踏み出せば良いんだ」と感じたインタビューでした。

次回のインタビューは、「利益(分配可能額)の80%をアフリカに還元する」のアパレルブランド「SHIFT80」を立ち上げた、「株式会社 こたつ 坂田さやかさん」です。こちらのインタビューも是非ご期待ください!!

<運営メンバープロフィール>
【水本】社会起業家養成所ボーダレスアカデミーにて社会の為、周りの為に奮闘する社会起業家とそれを目指す人達に魅せられ、本取り組みを開始。
また休日は3児の父として子育てに奮闘中。

【平良】新卒後は製薬会社のMRとして勤務。その後、医療系広告代理店の企画、製薬会社のMSLを経験。現在は一児の父として育児休業中。MBA専門のコミュニティー「MBA交流クラブ」の代表。

【吉岡】社内・社外問わず色んな人と繋がりを持ち、面白い活動やネットワーク作りを探求中。ペット関連サービスで起業した獣医師の事業立ち上げ支援や、社内のパラレルキャリアコミュニティーの企画メンバーとして活動中。

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