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Twitterで話題沸騰したポカリCMの効果測定

※本記事で取り上げるポカリスエットのCMの企画・制作に弊社は関わっておらず、実績として紹介しているわけではありません。あくまで、参考になる事例として弊社コンサルタントが取り上げさせていただきました。

概要

ポカリスエットCM「君が見えた」篇:大塚製薬

大塚製薬が2021年4月9日に出したポカリスエットの新CM「君が見えた」篇は、公開日初日にTwitterでトレンド入りを果たし、公開後わずか1週間でポカリ公式がツイートした動画が1000万回以上の再生を記録しました。

従来ポカリスエットのCMといえば若手女優が海辺などを走りながら汗を流し、青春を強く押し出したイメージがありましたが、本CMは女子高生が起伏のある学校の廊下を他の生徒とは逆方向に走り抜け、その先にある扉を開くと、藤の花が舞う幻想的な空間が現れ、もう1人の女子高生と手を繋ぎ海辺まで駆け抜ける。というものでした。

本CMはCGではなく現実のセットで映像が制作された背景をTwitterのポカリスエット【公式】アカウントが明かしたことで、公開初日「完成度が高すぎる」などCMのクオリティの高さを称賛する声が多く上がりました。

この記事では、本CMに関してTwitterでどれくらい話題になっていたかを測定するために、ツイート数の推移、ツイートの内容に関して分析しています。

CM公開ツイートのエンゲージメント

いいね:約28,000件
リツイート:約12,000件
引用リツイート:約1,900件
ブックマーク:約1,500件

では、次にこのCMに関してTwitter上で出ている口コミを分析していきます。CM放映前後で口コミ数がどのように変化したかという定量分析と、どんな内容の口コミがあったかという定性分析を簡易的に行いました。

定量分析

まずは、本CM公開前後でのポカリスエットに関する口コミ数を見てみましょう。

CM公開前の1ヶ月の口コミ数

CM公開後の1ヶ月の口コミ数

CM公開前の1ヶ月間で、ポカリスエットのCMに言及するツイートは859件だったのに対し、CM公開後の1ヶ月間のツイート数は約14,000件と前月比1,583%増加しています。

ツイート数の時系列推移

CM公開日の4/9にツイート数が跳ね上がっているのが見て取れます。ポカリスエットのCMに言及するツイート数は公開から約2週間後ごろまでは高い水準で推移していました。

定性分析

次に、ツイートの具体的な内容を見ていきましょう。
CM公開から3週間の間にされたツイート内容を、カテゴリごとに分析していきます。

称賛するツイート

CMを撮影したセット、出演女優、音楽、世界観などを称賛するツイートが数多くされていました。
ツイート例

女性同士の恋愛に関するツイート

女子高生2人が中心となっている構成のため、女性同士の恋愛を暗示しているといった内容のツイートが一定数ありました。
ツイート例

「ポカリCM」=「百合」に見えるということのみに言及しているツイートが多く、加えて「良い」「好き」といったポジティブな感情も含めたツイートが多数を占めました。一部、それに対する反感を示すツイートもありましたが、量自体は比較的少なかったです。

競合比較ツイート

ポカリスエットの競合であるアクエリアス(コカ・コーラ)の名前を出したツイートが散見されました。主に飲むシーンやCMへの印象などについての言及が多かったです。
ツイート例

ネガティブなツイート

ポカリのCMに関して嫌悪感を示すツイートが少数ではあるが、存在しました。本CMに言及しているものもあれば、どのポカリのCMも嫌いといった内容も存在したことから、ポカリCM自体に嫌悪感を抱いている層は一定数存在することが伺えます。
ツイート例

購買意向を示すツイート

CMを見てポカリを買いたいor買ったというような内容のツイートが一定数存在しました。CMを見る→ポカリを買う、という短期かつ直接的な影響だけでなく、CMの印象により消費者のプレファレンス(選好性)が高まり、スポーツドリンクを飲みたいと思った時の購買確率が上がるという趣旨のツイートも見られました。
ツイート例

3つ目のツイートが示すように、CMの視聴によってメンタル・アベイラビリティが向上しても、フィジカル・アベイラビリティは変化しないため、購買行動に繋がらないことも示唆されています。
アクリアスはコカ・コーラ社専用の自動販売機があるため比較的フィジカル・アベイラビリティが高い可能性があります。

消費財のCMはどれほど消費行動に効果があるのか?

今回取り上げたポカリスエットのCMに関するツイートを見る限りでは、CMを見てポカリを買いたくなるという直接的な効果だけでなく、中長期で消費者のプレファレンスを高める効果があるというインサイトを確認できました。

いずれもサンプル数が少ないため、仮説の域は出ませんが、SNS上に投稿として現れるUGCは氷山の一角のため、同様のインサイトを持っている消費者は一定数存在することが推測されます。

最後に

今回はBrandWatchというツールを使用してTwitterのソーシャルリスニングを行い、CMの効果・反響測定を行いました。

新商品の開発や既存商品のリブランディング、SNSの運用戦略策定などにおいてソーシャルリスニングは効果的に働くことが多いです。

今回は口コミの量と内容を簡易的に分析しただけでしたが、競合との口コミ内容の比較や、施策前後での口コミ内容の変化の分析、自社商材の不満点・
満足点の調査などを行うこともできます。

弊社では、ソーシャルリスニングをさまざまな活用目的で実施してきた豊富な実績があります。
ソーシャルリスニングに興味のある方はぜひこちらからご相談ください。

また、Twitterのソーシャルリスニングの代表的な活用例はこちらにまとめていますので、興味のある方はご覧ください。