7/5開催レポート:オンライン作戦会議『情報の届け先と届け方を考える』

今回は、情報発信プロジェクトを前進させるべく、公開での作戦会議を開催しました。
新型コロナによる経済への影響は長期化することが予想されています。今はまだなんとかやりくりしているものの、経済的に“紙一重”のひとたちが少なくなさそうだということが、6月28日の「深掘りヒアリング~生活困窮編~」でも見えてきました。では、そうした方達に窓口につながってもらうにはどうしたらいいか、参加者で話し合いました。


1)作戦会議の要点&記録

作戦会議の要点を、以下の四つにまとめています。

“紙一重”にあるひとたちでも、特に学生や子育てしている若い世代をターゲットに、相談していいんだよというメッセージを届けよう。彼/彼女らは自身が困っている状況にあるということを感じにくい。
(困ったときに相談できる窓口があっても、若い人ほど、その存在を知らないかもしれません。また、窓口の存在を知っても「自分は対象ではない」「自分は“困窮”などしていない」「支援なんて恥ずかしい」「行きたくない」と思って我慢してしまうのも、若い人に多いかもしれません。対面相談はもちろん、電話相談もハードルが高いというイメージもあります。)

●予防的なアプローチを行おう。しんどくなって相談窓口に行くような人が、しんどくなる前に相談してもらえるようにする。「ちょっとでもこういった兆候があるのなら相談してね」と届ける。
(この点はケア系の団体の弱いところでもあるようで、「支援のメニューがあっても届ける言葉がない」という発言も聞かれました。)

●すでに相談にきているケースを参考に、ライトな層へのアプローチを考えよう。実際に相談にきている人のイメージが分かれば、同じような方には響くのではないか。
(こんな悩みでも、相談したら回復した!という実例に基づいて発進できると、共感して相談のハードルも下がっていくかもしれません。)

●当事者の声を聞かないと、どのような届け方がいいのか、どのような情報を届けられるといいのかが分からない。例えば学生さんと意見交換・ヒアリングする機会を設け、それを参考にしながらアウトプット(チラシやHP)のイメージを検討したい。
(まさに、自分たちで「こうかな?」と悩むよりも、実際に若者から、既存の相談窓口の情報がどういった形で発信されていたら相談するかヒアリングしたいですね。そこから、相談のハードルを下げるためのアイディアが浮かびそうです。)

2)当事者が声を上げられなくても・・・

色々と、このnoteで抜粋して紹介したい気持ちはあるのですが、本日は個人的に印象的だった
「当事者が声を上げられなかったとしても、別の形で拾うことができないか?」
という意見をご紹介します。

・相談できない人たちは、自分が困っていることを認められない人だと思う。多いのは、借金が雪だるまになっていく人。自分では困っているけれど、それを認めてしまうと自分のことが嫌になってしまうから、困っていることを認めない。どうしようもなくなった時にようやく相談にくる。そういった方のことは、実は近所の人や大家さんなど、周りから見えていることも多い。地域の中に困っている人がいないか、地域を巻き込んでアウトリーチの仕方が必要。
・学生なら、友達に聞いたら出てくる、ということもあるだろう。対象者にピンポイントでたどり着くのは難しいが、集団の中に聞いてみると心配されている人が見えてくる。

これを聞いたときに、なるほど!と思いました。どうしても「この手で当事者に情報を直接届け、相談してもらう」ということに目が行きがちでした。
でも、その周りの方々を巻き込むとか、特定のコミュニティに対してアプローチして炙り出す(言葉がいいかわかりませんが)とか、そういった方法もあるよなと気づかされました。多少お節介かもしれないけれど、困っているような方に手を差し伸べられるような地域・社会を作っていきたいと、改めて感じました。

3)今後に向けて

気がつけば7月に突入し、待ったなし!の状況です。今後は、学生さんへのヒアリングなどを実施しながら、若い世代に届くような情報発信の方法を検討していきます。

会議後、困窮者支援をされている方が、
「家を出る前、家賃を滞納し始めたとき、滞納しそうだと分かったとき、仕事をやめるとき、やめたくなったとき、、、どこから大変だったんだろう、どこにアプローチできていれば良かったんだろう、、、そんなことを常々考えている。」
と話していました。状況が悪化する前の段階で手を差し伸べられるように、引き続き皆さんと進めていきます!

また、このせんだい・みやぎソーシャルハブでは、多セクターがゆるやかにつながることを大切にしています。生活困窮系の深堀を進めていますが、今後は例えば女性、障害者系、子ども系など、他の分野も、現場の話を聞いていきたいと考えています。

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