6/28深堀ヒアリングレポート 後編

6/28に開催した「深堀ヒアリング〜生活困窮編〜」のレポート後編です。前編はこちらからご覧ください。

前半の内容を受けて「最悪な状況になるまでだれにも相談できずに我慢している人」に対して「相談や支援のネットワークにアクセスしてもらうには、どういった情報を届ければよいのか?」ということについて、みんなでアイディアを出し合いました。

1)だれに届けたいのか

まずはだれに情報を届けたいのか、みんなで話し合いながら整理しました。

・直接・間接的にコロナによって生活状況が悪化している人たちに情報を届けたい。
・「私よりも大変な人がいるから」と考えて手を挙げない人たちに、早めに手を挙げてもらえるようにしたい。
・「自分は関係ない」と思っている人もいる。そういう人たちに届けなければいけない。
・所得が低く、貯金が少ないような層にコロナの影響が出てくる。

といった話が出ました。
ただ、困窮ギリギリでなんとか踏みとどまっている人たちには、30~40代の方もいれば、学生、外国籍の方もいて、その属性は多様です。そして、困っている人がどこに多いか。例えば外国籍の方は仙台でどこに住んでいるのか。ターゲティングについてはもう少し深めていく必要があります。これは次回のミーティングに持ち越しです。

2)届けるべきメッセージ

・「あなたも頼ってね」というメッセージと、どこに連絡すればいいかという情報をセットにして伝えたい。
・「誰に頼っていいかわからない」「他にもっと困っている人がいるから…」という人たちはおそらく恥ずかしいという感情があるのでは。
・頼ることは恥ずかしいことではないというメッセージを、しっかりと伝えることが大事。

コロナ禍で困窮に陥った人たちを見ると、これまで普通に生活をしていた人たちも目立つことが、特徴の一つです。普通に生活してきた人たちは、これまであまり支援に頼ったことがなかったり、頼るのが恥ずかしいと思っていたりするのではないか…。それを見越して、一人ひとりに届くようなメッセージを考えていかなければと思いました。

3)情報発信の手段

また、情報発信の手段を検討する上で考慮すべき点についても、いくつかの意見が出されました。

・「相談していいんだよ」と呼びかけるに当たって、対象者を例示したほうが良い。外国人、大学生、ひとり親など、どうしても社会支援が足りない人を例示するイメージ。
 ・できればチラシは1種類ではなく、対象者ごとに複数用意した方がいい。外国人向け、ひとり親世帯向け、学生向け、それぞれに絞ったチラシをつくる。
 ・困窮している人に「相談にいく」という行動を起こしてもらうことが必要になる。誰かに行動を起こしてもらうような文章がほしい。専門家に文章作成を依頼できると良い。
・一つのチラシの中に、困っているひとたちに向けた情報と寄付集めの情報が混ざると、狙いがわからなくなる恐れがある。  寄付集めの情報は、支援情報とは別にメッセージを作って発信するほうが良いと思う。

そして「自分は関係ないと思っている人」や「無関心・無気力になってしまっている人」にも届くように、情報発信の手段は多様にあったほうがいいという意見が出されました。情報発信の具体アイディアとして、

・案内冊子を作成し、市政だよりに折り込めないか。
 ・新聞を取っていない世帯にチラシをポスティングしては。
 ・既存の広報媒体での書かれ方を、見やすい形に改善・改良する。書き方を変えるだけで相当反応があるだろう。
 ・市のゴミ袋に情報をプリントできないか。缶瓶回収のかごに相談先を載せるというアイディアもある。
・スーパーの値引きの時間帯を狙ってチラシを配ってみる。 (困窮者が訪れる可能性があるため)
・既存のフリーペーパーへの情報掲載を狙う。
・公共施設のトイレに案内カードを置いてもらう。
・なにより継続して情報発信することが大切!

といった案が出されました。
いずれ紙媒体をつくるとしても、初めはウェブベースで情報を出すのもいいのでは?との意見も出されました。コロナ第二波が来るであろう9~10月前までには、情報を届けるためのなにかを用意したいと思います。

おわりに

アイディアだけでなく、今後の検討課題も出され、情報発信をひとつのプロジェクトとして前進させていけそうな手応えを感じました。
一方で、情報発信を始めたら相談件数も増えるため、受け皿となる支援者間の調整も並行してやっていくべきとの話が出ました。今後も、こうした情報交換の機会をつくりながら、支援者の相互の信頼関係を作っていければと思います。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!!
次回は情報の届け先と届け方についてもっと内容を深めていきたいと思います。




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