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離れていても、繋がる復興支援。オンライン撮影でお手伝いしました。

西日本豪雨で被災した地域を支えるために、広島大学の学生を中心として誕生したボランティア団体「アイリス」

東日本大震災から10年を迎える今、福島第一原発30キロ圏内に位置する福島県葛尾村(かつらおむら)の「今」を伝え、改めて「復興とは何か?」を社会に問いかける活動をしています。

「葛尾村の写真展を開催したい」という相談を受け、ソー写ルグッドのCSR活動"ボラ写PROJECT"として葛尾村・広島・東京をオンラインで繋ぐ、交流&撮影会イベントのお手伝いをさせていただきました。

今回は素敵な活動を続けるアイリスさんの活動内容や撮影会当日の模様をご紹介します。

【取材にご協力頂いた方】
広島大学ボランティア団体アイリス 代表 原ゆうみさん

■広島大学ボランティア団体 アイリス
Twitter https://twitter.com/irishiroshima
Facebook https://www.facebook.com/irishiroshima2018/

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*アイリス初期メンバーの写真 写真右下 原ゆうみさん

1.アイリスの活動内容を教えてください

広島大学の学生が中心となって、災害ボランティアを中心にさまざまな支援活動を行っています。

発足のきっかけは2018年7月に発災した西日本豪雨です。広島県や岡山県など、被害が大きかった地域のライフラインの復旧から暮らしの復興まで、さまざまなお手伝いをさせてもらいました。

ソー写ルグッドさんとは、西日本豪雨のボランティアさんたちを撮影した写真展を広島駅で開催されたとき、運営のお手伝いをしたことからやりとりを続けています。

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2.今回の交流&撮影会の内容と経緯を教えてください

全国でさまざまな支援活動を行ってきた中で、東日本大震災で被害を被った福島県葛尾村の方々とご縁が生まれ、アイリスの学生6人が一昨年2019年に葛尾村に滞在させて頂き、村に住む方々への聞き取り調査や、村の課題分析を行うなど、いろいろな形で活動させて頂きました。

豊かな自然に囲まれた村の魅力、人の優しさに触れ、多くのことを学ばせてもらうと同時に、福島第一原発から30キロ圏内にあって、全村避難を余儀なくされたことから急速に進む過疎高齢化など、村が抱えている課題も知りました。

そこで私たちはそうした現実を知るだけで終わりにせず、葛尾村の課題解決に取り組んでいきたいと考えて今回のイベントを企画しました。

当初はアイリスの学生たちが撮影した写真展を葛尾村で行う予定だったのですが、新型コロナの影響で現地開催が難しくなりました。そこで写真展ではなく、牡蠣せんべいなど、広島のご当地食材を食べていただきながら、クイズ大会や会話を楽しむオンラインイベントに切り替えて準備を進めていました。

ただ何らかの形で写真撮影はしたいと思って、ソー写ルグッドさんに「オンライン撮影」の相談をしたところ快諾いただき、葛尾村の皆さんのことを撮影するオンライン撮影会をすることに決めたのです。

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3.事前の準備はどのように進めたのですか

現地にはアイリスのメンバーは一人もいません。すべて事前に村役場の方々とやりとりをして、段取りを決めていきました。

ソー写ルグッドさんには事前の撮影・通信テストのときに

「iPad(カメラ)の高さを目線と同じぐらいに調整する」
「壁に対して垂直・並行・水平にiPadを置く」
「晴れていたら障子の開け締めで光加減を対応する」

など、撮影環境の確認をしてもらったので不安はありませんでした。

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4.当日の流れを教えてください

被写体となる村の方々に公民館に集まっていただき、当日の流れや注意事項をご説明してからイベントがスタート。広間のテレビにZoom画面を共有して、据え置きのノートパソコンと手持ちのiPadでコミュニケーションをはかりました。

アイリスの学生たちもそれぞれお世話になっている方がいるので、「おひさしぶりです!」「おお、元気にやってるかね?」といった感じでひさびさの会話を楽しんでいました。

中でも「葛尾村の自慢は?」という質問コーナーに登場した《凍み餅(しみもち)》はインパクト大でしたね。冬の間、お餅を軒先に吊るして寒風にさらし、凍らせた後に乾燥させてつくる伝統食なんですが、広島ではもちろん食べられないものなので、「今度みんなが来るまでとっておくからね」と言ってくださりうれしかったです。

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5.オンライン撮影会について教えてください

懇親会がひと落ち着きしたころを見計らって、隣の部屋で1組ずつ撮影をスタートしました。高齢者の方が多く、オンラインで会話すること自体が初めての方もいたので、役場のご担当者にも立ち会っていただき撮影のサポートをお願いしました。

当日は全部で7組・13人の方を撮影しました。ご夫婦が多かったですね。「2人で写真なんて何年ぶりだ?」「金婚式でこないだ撮ったっけな」「オンラインで撮影ってこうやるのかあ」などなど、自然な会話からたくさんの笑顔が生まれました。

ホワイトボードに葛尾村の好きなところを書いていただいたり、ご当地キャラの「しみちゃん」のぬいぐるみを抱っこしてもらったり、ご本人たちがリラックスできるように工夫。最後に篠木弘村長や松本弘副村長、役場の方々も撮影させていただきました。

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6.会を振り返ってみてのコメントをお願いします

ボランティアといっても物理的な復旧だけでなく、継続的にコミュニケーションをとることが復興の一助になると考えています。自然災害からの復興だけでなく、コロナ禍という社会状況においても自分たちに何ができるのか、大好きな葛尾村とどんなことができるのかを考え、実践できたことが自信になりました。

私はもう少しで代表を退きますが、これからもアイリスの活動は続きます。できること・できないことを整理して、「できないことは、どうすればできるようになるか」を伝えていこうと思っています。

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※交流会の最後には、アイリスさんたちから感謝のビデオメッセージを上映。葛尾村の方々に感謝の気持ちを伝えました。


【取材後記】取材・撮影を終えて、ソー写ルグッドが感じたこと

災害からの復旧・復興において欠かせない他者との交流、つながり、心のケアに繋がるようなきっかけ作りを、ほんの少しですが、例えオンラインでもお手伝いできたことは嬉しく思います。そして震災から10年、復興について、写真の力で何ができるのか。考え続けながら、その時にできることをお手伝いしていきたいと感じました。


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*今回撮影した写真も展示した写真展の様子(アイリスさん提供)

素晴らしい活動をされているアイリスさんの、心のこもった写真展。巡回して様々な場所で行われるので、お近くの方はぜひご覧ください。


〜復興って何だろう?福島県葛尾村の「今」を見つめ「未来」を考える〜
【写真展スケジュール〜】

ハチドリ舎(広島県広島市):2021年3月6日〜3月13日
中国新聞社本社ビル(広島県広島市):3月15日~18日、4月1日~7日
ほたる荘(広島県東広島市):3月後半予定
福島県内:4月以降予定


取材協力:ライター 筒井健二 


*この記事を読んで「プロボノ撮影してほしい!」というご希望がある方は、ぜひご連絡ください。社会課題に関心のあるフォトグラファーさんも募集中です。お気軽にお問い合わせください。

ソー写ルグッド株式会社:https://socialgoodphotography.com/
お問い合わせ:info@socialgoodphotography.com


*アイリスさんはこれからクラウドファンディングにも挑戦されるそうです。
ぜひ応援よろしくお願いします!




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