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#5 トコトコダンダンをご存知でしょうか?

トコトコだんだんをご存知でしょうか?

大阪府に位置する木津川沿いの遊歩道と広場(旧入堀)を併せた空間を言います。

無機質な防波堤を集いの場所へと導いた、ユニークな場所です。

参考画像:大阪府 西大阪治水事務所

街の中に水辺があるといいなと思いますが、
堤防等はどうしても安全性を優先させる為、人が集うとう言う発想が、私には今まではなかった。

また人が集う場所も、公園とか図書館とかある程度人の興味を掻き立てる場所が主だとも思っていた。
それがこんな斬新なアイデアがある事を知って、嬉しかった。


もともと、この場所は、5Mにもなる高さの堤防があり、街と川を分断していた。

参考画像:大阪府 西大阪治水事務所

写真を見て思うのは、物理的な距離感とコンクリートの壁に覆われると言う冷たさが、一層川から人を遠ざけていた様に思える。

そんな場所を大阪府により新たな水辺を生かす場所としてのコンペが行われた。

私が驚いたのは、今まで水に対し警戒や拒絶する様な造形から、水辺への親しみや気持ち良さを感じる造形が採用された事だ。

これは、提案する方のアイデアも大事だが、採用する側の力量も感じる。

その背景には、水辺とまち、水辺と人、そして人と人そんな関わりをこの広場へ寄せる思いを感じる。

そして、私がとても気に入ったのは、階段状の防波堤が腰を下ろしやすい形状になっており、通りがかりに少し休憩がてら立ち寄るとか、座っている顔馴染みがいたら会話をするとか出来るスペースになっている点である。

今までの土木事業では、考えられない事に思う。

また、名前もとってもチャーミングだと思う。
お子さんが覚えてくれそうな響きだ。

ちっちゃな子供がトコトコと階段を登るシーンを思い浮かべる。

こんなちょっとした公共があると、人との繋がり方が少しだけ豊かになるのかと思えてしまう。

“まちづくり”というキーワードが最近注目を集めているが、この様なサードプレイスがまちのあちこちに見られる様になれば、人の関わり方も変化できるのでは。
と期待出来る試みだ。





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