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「伝える」を武器にソーシャルセクターの情報をなめらかに届けていく。

「わたしのソーシャルビジネス物語」はソーシャルビジネスに携わる人を発信する企画です。読者の皆様に「ソーシャルビジネスを身近に感じてもらうこと」を目的として運営されています。

社会起業家。ソーシャルビジネス。ソーシャルセクター。本noteのトピックであるこれらのキーワードと30年近く向き合ってきたNPOがある。NPO法人ETIC.(エティック)様だ。同社は「社会起業家の支援」を行う中間支援団体である。そこでNPO法人ETIC.を社会に広げるお仕事をしている人がいる。本日はNPO法人ETIC.様が運営するDRIVEメディアの編集長である佐藤様にお話を伺った。

佐藤 茜(さとう あかね)|NPO法人ETIC.が運営するDRIVEメディアの編集長。男の子2人の子育てをしながら編集・マーケティングまわりで活動中。
福島県生まれ。大学卒業後、人材系ベンチャーで新規事業立ち上げやマーケティングを担当。ニューヨーク留学、東北復興支援NPO、サンフランシスコのクリエイティブ・エージェンシーでのインターン、衆議院議員の広報担当秘書等を経験。

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出産がきっかけで踏み出した新たなキャリア。

――まずはお仕事内容を聞かせてもらってもよろしいでしょうか。

NPO法人ETIC.DRIVEメディアの編集長をしています。
その他にはアニュアル・レポートやメルマガなどの「発信・Webマーケティング」に関わるインハウスエディターのようなお仕事をしています。ETIC.のことを社外に分かりやすく発信するためのお仕事ですね。

――「伝える」という業務を幅広くやられているのですね。もう少し会社のお話を聞かせていただきたいです。

ETIC.は「社会起業家の支援」をしているNPOです。NPOの支援をする中間支援組織ですね。「意思ある個人を応援する」という思想の元30年近く事業をしています。

――佐藤さんはいつから関わられているのでしょうか。

社員になったのは2019年の4月です。それまではフリーランスとして関わっていました。

――それまではどのようなお仕事をされていたのですか。

新卒で人材系ベンチャー企業のマーケティング部署に入りました。そこから転職や海外留学を経験した後、衆議院議員の広報担当秘書をしていました。一貫してやってきたのは「伝える」ということですね。

――そこからETIC.さんに関わり始めると思うのですが、きっかけはありましたか。

「出産」がひとつの転機となりました。衆議院議員の公設秘書は国家公務員特別職なのですが、法律で育休と産休がありません。それがきっかけで退職して、フリーランスになりました。その際にETIC.との仕事がはじまり、途中から社員(職員)になって今に至ります。

子どもの頃から好きな「伝える」を「ソーシャルセクター 」に。

――佐藤さんは一貫して「伝える」というお仕事をされてきたと思いますが意識されていることなどはあるのでしょうか。

子供のときから情報を整理して伝えることは好きでしたね。図書館に通い詰めて、自分が興味あるトピックの本を借りて「紙にまとめる」「友達に伝える」ということをやっていました。他にも自分が好きな本を買って、教室で友達に貸し出しをする自分図書館のようなこともやっていましたね。

――その延長線上に今の仕事があるのですね。

そうですね。また、家庭の事情で金銭的に大学に行くことは難しいと言われていました。その時に図書館で本を通じて「奨学金」という制度があることを知りました。そのような情報がきっかけで自分の人生が変わった経験があるので、「これは伝えたほうがいいぞ」と思う情報を拾ってきて、分かりやすく伝えることにはやり甲斐を感じますね。

――そのようなご経験があったのですね。ソーシャルセクターにはどのようにして興味を持ったのですか。

ソーシャルセクターと少しズレるかもしれませんが、議員秘書を経験したあたりからだと思います。議員秘書になる前の2012年にサンフランシスコで社会人インターンのような経験をしていました。その時はオバマ大統領が2期目当選した時なのですが、アメリカでは企業で働く人たちが自分のスキルを活かして政治活動に参画する動きがありました。その時にこれまで知らなかった働き方があることを知ることになります。そこから日本に帰国した際に議員秘書のお話を知人経由でいただきましたね。

自分に最適な滑らかな関わり方を。

――アメリカではそのような動きがあるのですね。実際にNPOに転職をされてみて魅力などはどんなことがありますか。

2つありますね。1つ目は自分が1つの課題に対してコミットするより、幅広く関わっていたいタイプということが関係しています。ETIC.は日本の社会起業家の走りである、カタリバさんやフローレンスさんの初期から関わってきました。そのように社会起業家の源流に関われるということはひとつの魅力ですね。その中で自分の得意な「伝える」というスキルを活かして、情報の流れをなめらかにしたいと思っています。

――まさに社会起業家第一世代の方々を支えてきたのですね。

そうですね。もうひとつは「働く自由度」が高いことです。私は子育てをしているのでフルリモート、フルフレックスで働くことができる環境や週4勤務で働ける環境はとても助かっています。特に誰かに管理されることなく自分で結果を出すために調整していくイメージですね。

――以前記事に出されていた*1ティール組織ですね。逆に自立性がないとやっていけなさそうですね。

はい、フリーランスのような感じですね。実際に自分の会社を経営しながら週2,3でETIC.に関わるような方もいらっしゃいます。自分で何かできる方が集まっていますね。

――素敵な環境ですね。社員としてNPOにジョインするのは初めてだったかと思いますが、不安などはなかったのでしょうか。

出産前と比べると、待遇面は正直、年収で数百万円下がりました。ただ私はあまりお金を使わない生活をしていますし、夫と共働きをしていることもあり転職時にお金は意識していませんでした。仕事の中で好きなことができるならお給料はあまり高くなくてもいいかなと思っていました。

――お金以外の組織面などで不安はなかったのでしょうか。

先ほどお伝えした通り、フリーランスとしてETIC.には関わっていました。いきなり正社員を辞めて、次の会社に転職をするのはハードルが高いと思っています。HP上では良い会社に見えても、実際に働いてみると思っていたことと違うことだってあるかもしれません。なので事前に副業などで関わるなどは良いと思います。ただソーシャルセクターではまだまだ1つの会社に同じ職種の人が何人も働いているというわけではありません。なので、「同じ専門分野の人たちと切磋琢磨して頑張る」などは中々できないので、そういったスキル面では少し不安でした。

ーー少しづつ関わっていくのオススメですよね。

そう思います。副業以外にもプロボノや寄付会員、他にもSVPさんなどもオススメだと思います。

「伝える」を武器に社会課題を届けていく。

ーー今後はどのようなキャリアや人生を歩んでいくご予定でしょうか。

この仕事で「伝える」ということはまだまだできていないので、スキルを上げていきたいと思っています。例えば多くの人の「関心」と「社会課題」は噛み合っていないと思います。ニュースを見ても社会課題よりエンタメ性のあることの方が人気だったりしますよね。これは書き方や発信の切り口を変えれば、より多くの人に届くと思っています。

ーー具体的な事例などありますか。

ニッポン複雑紀行望月さんなどは沢山の方に届けられる記事を書かれている方だと思います。調査報道のような伝え方もありますし、ビジネスセクターで使われている知見をソーシャルセクターで使っていくことが大事かと思います。それは私自身もまだまだスキルを上げていきたいと思います。

ーーありがとうございます。ご自身のキャリア以外にも世の中で感じている課題などはありますか。

私自身子育てをしていて思うのですが、子育てをしている人の働き辛さですね。そもそも子どもが1,2歳だと働いていないケースが多いですし、転職もし辛いです。私の場合、これまでは平日の日中は仕事をして、平日の夜や土日で勉強などをしていました。ただ、それも今はし辛いので、勉強の時間を作るために週4勤務にしているという側面もありますね。もちろん、私のように誰でも週4で働ける訳ではないと思うのですがひとつのモデルケースになりたいと思います。

ーー確かに子育てをしながら働くのはまだまだ社会側の器が整っていないですよね。

あとは、ソーシャルセクターにいる人は自己犠牲や我慢してしまう人が多いと思います。ただ、そうではなく「自分の幸せ」と「社会に良いこと」の両方を探っていくのが良いと思います。多くの人に「自分のやりたいこと」と「自分の生活」の間の部分の最適解を探して欲しいと思います。自分の幸せを大切にしないと、他の人も幸せにできないですもんね。

*1:ETIS.宮城代表退任記事はこちらからご覧になれます。
取材/おかしょー
文/おかしょー
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