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雑談コミュニケーション・すべてはある程度仲良くしてもらうために

以前、ツイッターでこんなツイートをしました。

おぉ!めっちゃいいねが多い!

まさにこのツイートのように、多くの人に足りないのはコミュニケーション能力ではなく、単に”雑談能力”なのではないでしょうか?

私は心理学講師として「人と話せない」「人と一緒にいると緊張しやすい」といったお悩みを持つ受講生さんを、何百人も見てきました。
が、そういった方に共通して見られるのが…

用を伝えるために、話そうとする。
オチをつけようとする。
相手が「これを話したら面白いと感じるかな?」ということを頭の中から見つけようとする。
中身があることを話そうとする。
共通した考えを持ってもらおうとする。

…が。
人がする会話のほとんどが、雑談です。
おそらく、9割くらいは。

雑談とは、内容がなければないほど、価値が高いのです。

雑談の目的とは、ただ一点。
相手と仲良くなること。
もっと正確に言えば、ある程度、相手に仲良くしてもらうこと

どうでもよい会話から和やかな雰囲気を作り出し「自分は警戒するに値しない人間なんですよ~」と相手に知ってもらう。

そこから、自分の考えを相手に伝えたり、要件を伝えたりすることもできます。
が、むしろそんなことをする必要すらない場面の方が、人生において多いのではないでしょうか?

多くの人が、相手に敵でも味方でもない関係性を望みます
「愛でつながりたい!」とか「皆と仲良くなりたい!」とか「友達100人できるかな?」とか思っている人の方が稀で、「ただ無難に人間関係を済ませておきたい」という人の方が、実は圧倒的に多いのかもしれません。

そんな関係性を築く(「築く」というほど大袈裟ではないが)のに一番の近道は、雑談マスターになること!
雑談マスターになることで、人と一緒にいるときの無用の緊張感から解放され、人と一緒にいてもある程度良い雰囲気になり、あわよくば信頼されたりすごい人と思われるキッカケを作り出すことだってできます。

『笑っていいとも』で司会をされていたタモリさんはこう言っています。
「人はふつうにしゃべってれば皆おもしろい」。

その”ふつう”の中には、大したオチもなく、教訓もなく、信念や価値観を投影したものでもないはずです、『笑っていいとも』を見ていた限りでは。
どうでもよい話が、とってもよいのが雑談なのです。

その一方で、雑談しづらい相手もいます。

ムッとしている人、話さない人、リアクションがやたらと薄い人…

あなたも今までの人生でそういった方との会話を試み、失敗し、「私は人と話せない」なんて思い込みを持ったのかもしれませんね。
思い込みは別の思い込みを作り、「自分はダメだ」とか「人が苦手」とか「人は怖い」とか、そんなことを思うようになったのかもしれません。

今回のnoteは、そんな雑談難民に向けて書きました。
が、雑談についてガッツリ書くと「沈黙について」とか「信頼してもらうには」とか「さらに仲良くなる話の内容について」など、本三冊とかでは済まないくらいの分量になるので、割とアッサリ書いてあります。

「買ってもらうのための雑談の方法」や「両想いになるための雑談」についてもほとんど書いてありません。
あくまでも”密でも遠すぎるでもない”、とりあえずちょっと仲良くなるためだけの雑談についてのnoteです。

ボディセラピスト(整体師)として17年間、何万名のお客様と施術中に雑談してきた私・ソシャフィアがお送りいたします。
カウンセラー・心理学講師として、というよりは。

カウンセリングも心理学を教えるのも、”雑談”ではないですからね。

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コミュニケーションと雑談の違い

私たちは人と話をすることを「コミュニケーションをとる」といった言い方をします。
あるいは、「会話をする」。
「相談する」「話し合う」「談笑する」…
人との関わりを結ぶのに、様々な言い方を日本語ではしますね。

どれも日常的に使う言葉ですが、そういった言葉をもっと細かくして、意味づけをさらに明確にすることで、”雑談とは何か”を知ることができて「あ、今から雑談するんだな」と意識することもできるようになりますね。

雑談が苦手な人は「これは雑談だ」ということを意識しておらず、何かを話そうとして、話題を頭から引っ張りだそうとしてしまったりします。
「何を話せばいいかな?何を話せばいいのかな?」と心は焦るばかり。

ズバリ言うと、世の中の人がする話には二種類しかありません。
一つは中身の”ある”話。
一つは中身の”ない”話。

”ある”方は、要件を伝えるためだったり、自己主張だったり、自分がやってほしいことを相手にやってもらうためだったり、問題解決のための相談だったり、要望を知るための質問だったり、”報連相”だったり、夕飯のおかずを何にするのかの話し合いだったり…

”ない”方は、お天気会話や噂話、悪口、軽い感じの近況報告(「最近どう?」)などがこれに当たるでしょう。

で、雑談は後者。
中身が”ない”
方。
それ以外は中身が”ある”やり取りだと定義づけましょう。

つまり、人と会ったときに「これから中身のない会話をするぞ」と自分に言い聞かせることで、オチを付ける必要もないし、笑わせようとする必要もないし、頭の中から特にこれといった話題を探そうとしなくてもよい、ということなのです。

何も考えずに、ナチュラルな自分で雑談を行えるようになることが、人との関わりを持つ上で最良の方法でしょう。
もっとも、それができるようになるまでには、これから書かれているような雑談の方法を少し意識する必要もあるかもしれませんが。

聞く、聴く、訊く

雑談をする際にベストなのは、”自分がしゃべること”ではなく”相手にしゃべってもらうこと”。
聞き上手になるのが最も簡単かつ、楽です。

理想は9:1~8:2。

が、相手がしゃべってくれるとは限りません
そういったケースに関しては後述に譲ります。

ともかく、相手がしゃべる人だった場合にその話をどうやって続けてもらうかを理解しておくことで、自分が何かをしゃべることなく「この人は話しやすい人だな」「いい人だな」と思ってもらうことができます。

逆を言えば、しっかりと聞き方をマスターしていないと、自分が話をずっとしなければならなくなるばかりか、下手すると「この人は話を聞いてくれない人だな」と思われてしまう可能性もあるということです。

実際の”話の聞き方”をマスターする前に、以下のことを理解しておきましょう。

・聞く
・聴く
・訊く


この3つは読み方は同じだけれど、意味は全く異なるということ。
こういう言葉を”異字同訓”なんて言いますね。

”聞く”は、相手の言葉に意識を向けていないけど、音としては認識しているということ。
”聴く”は、相手の言葉を注意深く聴いているということ。
”訊く”は、質問。

例えば…
「何かしゃべらなきゃ」
「何か反応しなきゃ」
「どんなことを訊けばいいんだろう?」
「何を質問してほしいのかな?」
「そんなこと知ってるよ!私の方が良く知ってるのに!」
「どういう意図があってこの話をしているんだろう?」
「相手は自分に何を伝えようとしているんだろう?」
「この人の話のツッコミどころはどこだろう?」
「この人が言っていることは正しいことなんだろうか?」
と自分が自分に心の中で語りかけているときは、相手の話を”聞いて”はいても、”聴いて”はいません。

こういった人は、雑談の場であっても人の話を飛躍します。
「うどんとそば、どっちが好きですか?」という問いに「つけめんのつゆは濃いめだとちょっと…」と答えるような方も実際にいるのです。

中には、何気ない話を「相手は自分を否定している」と捉えたり「自分は下に見られている」と防御態勢をとったり「○○をやってほしいんだな」と勝手に解釈して先回りして動こうとしたりする人もいます。

まぁ実際に、何かしらの意図を持った相手もいるものですが、うまくいかない会話というもののほとんどは、言葉を受け取る側の言葉の受け取り方にあるものです。

ただ、聴けばよいのです。
相手の意図などは読み取ろうとはせず。
あるいは、自分に意識をフォーカスすることなく。

その上で、しっかりと「聴いてますよ」という態度を相手に見せていきたいものですよね。

聞き上手の基本コンボ

”聴いている”ということと、”聴いているように見える”ことは大きく異なります。
聞き上手は”聴いているように見せるのがとてもうまい人”なのです。

で、その聞き上手の話の聞き方には、法則があります。

①「えぇえぇ」「あぁ」「ふむふむ」などの相槌
②「へ~」「ほ~」「う~ん」などの感嘆詞
③「そうなんですか~」「なるほど~」「それありますね」などの相手の言葉を受け取る言葉
④「すごいですね~」「面白いですね~」「ウケる~」のような、自分の感情を表す言葉
⑤「それって○○ですよね」「○○じゃないですか~」などの自分の解釈
⑥「それでどうしたんですか?」「そのあとどうなったんですか?」などの相手の話を促す言葉
⑦「あぁ、○○(相手が言ったこと)」「○○(相手が言ったこと)したんですね」と相手の言葉の一部をそのまま返すバックトラック

①~⑦までを順番にやっていると、「よく聴いてもらっているな」と話し手は判断します。
もちろん多少崩してもよいですが、順番通りにやっていれば間違いありません。

例えば、こんな感じです。

相手「昨日一平ちゃん食べたんだけどさ~」
自分「うんうん」(①相槌)
相手「からしマヨビーム入れ忘れちゃってさ~」
自分「うわぁ、マジか」(②感嘆詞と③受け取る言葉)
相手「普通のカップ焼きそばになっちゃって」
自分「ウケるわ~それ」(④感情を表す言葉)
相手「一平ちゃんはからしマヨビームがないとね」
自分「確かに。私もマヨビームないならUFOの方が好きだわ~。それで、マヨどうしたの?」(⑤自分の解釈と⑥相手の話を促す言葉)
相手「捨てちゃってたみたいだわ」
自分「捨てちゃったんか!w」(⑦バックトラック)

以上、本当に中身のない会話でしたね(笑)。

⑤の自分の解釈がすぐに思いつかない場合は、省略しても大丈夫です。
⑥の相手の話を促す言葉も、話がそこで終わっている場合は、省略しましょう。

⑦のバックトラックとは、”オウム返し”。
相手が言ったことをそのまま返す方法で、これをすることで”聴いてもらっている感”を相手が感じやすくなるのですが…
うまくやらないと話を阻害されている感覚を覚える人もいるので、徐々に慣れていくとよいでしょう。
省略しても大丈夫です。

つまり、①~④までをやっておけば、とりあえず大丈夫。

これらは「あなたの話を興味深く聴いていますよ」という態度を示す聞き方なのです。
雑談がうまくない人は、すぐに自分の話に持っていこうとしたり、相手が話しているのに無反応だったりするのですよね。

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