マットレスの短歌集|短歌

  軀から染み出す重みに労いを
            流れる疲れは庭の運河に

  踵から伝う痺れに賞賛を
            ふきんに吸わせて塵箱に

  背骨から垂れる自責に健忘を
            成る丈濾して差し色に

  おでこから弾ける言葉は丁重に
            レコードにして繰り返し

  脾臓から溢れるときめき粉々に
            欠片じゃなくて塊がいい

  気脈から零れる思い出そのままに
            心を添えて明日の土産に

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