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J2第4節:徳島vs熊本

 3節のヴェルディ戦は仕事で見られなかったので、4節よりまたレビュー再開しました。
(いつまで続くかは分かりません。(笑))


3節については詳しい内容は控えますが、徳島は先制直後に失点してそのままドロー。開幕から3連続ドローとそろそろサポーターのフラストレーションも溜まってくる頃。


しかしヴォルサポTwitter界隈で話題になったのは、徳島の試合内容ではなく、

ポカリスエットスタジアム強風問題(笑)



ポカリスエットスタジアムは里浦町の海岸からあまり離れておらず、加え海岸の周囲は名産鳴門金時の畑が拡がっていることから、風を遮るような建物も少ないです。
(震災時の避難場所になっている)

潮風のダイレクトアタックを受けるスタジアムではそこそこの強風が吹きます。

僕はスタジアムから実家が近いので、砂嵐と風で飛んでくる農薬に昔から悩まされたものです。(笑)


特に徳島のようにボールを大事にするサッカーをする上では風というのは結構邪魔です。

風下に立たされると、相手のロングボールは伸びるわで最悪です(笑)


 専用スタジアムの建設まだですか!(笑)大塚製薬さん!(笑)



話題を今節に移します。

対戦相手のロアッソ熊本は昨年のJ3チャンピオンで、前節大宮に勝利しているなど順位表では上にいる相手。ベンチには徳島のレジェンド、藤本主税さんも。


徳島はミッドウィークにルヴァンは無かったものの、代表帰りの選手がいたり、カカの出場停止もあったりとややコンディションに不安が。


1.スターティングイレブン

 

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ホームの徳島は代表合宿に参加していた藤尾をベンチに置き、トップにはバケンガがスタメン入り。システムは変わらず4-1-2-3。  

熊本は中盤がダイヤモンドに近い3-4-3。
監督のスタイル的によく走るプレッシングチームらしく、補強戦略的にも走れる選手を選んでいるらしい。

それがはっきり分かるゲームでしたね。とにかくよく走る(笑)ゴール前にも人がたくさん湧いてくるし、厄介なチームが昇格してきたなという感じです(笑)




2.徳島のビルドアップと熊本のプレッシング

~左右非対称の形で~

 いつもの様に後方からボール保持を狙う徳島に対し、熊本はトップの高橋を中心に前線からプレッシングを仕掛けます。

高橋は体躯もあり、献身的に守備でも走れるモダンなFWでした。徳島にとっては嫌な存在だったと思います。

高橋とトップ下の伊東が、どちらかがCBに寄せる、どちらかはアンカーケアという関係性。ここはしっかり約束事として守られていたようです。



徳島は2節の岡山戦あたりから、左で作って右で仕留めるという形が色濃く出ていました。


今節も、左右のSBが左右非対称なポジショニングをとりながら同様の狙いを持っているように見えました。


右SBの藤田はやや絞り気味の位置を取り、スライドしたDFラインに押し出されるように逆の新井は少し高めのポジションで、渡井、西谷とのユニットを形成。

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渡井の下りる動きに合わせて、ハーフレーンに侵入してくる西谷、そこにボールが入って前向きの渡井に落としたところから、ドリブルや逆サイドへの展開を狙うパターンは鉄板になりつつあります。(専門用語を使うとレイオフという表現になります)

逆サイドでは白井が下りてきたところに縦パスを入れて、櫻井に落とすパターンが多いですね。


左右非対称の立ち位置とレイオフを駆使してビルドアップを試みる徳島に対し、対峙する熊本は

WGの杉山がCB阿部、右WBの阿部がLSB新井の位置まで押し上げてプレッシングに行きます。

前述したようにアンカーの櫻井は高橋と伊東でケア。

人への意識が強い熊本の守備。徳島の左右非対称の形にハメに行く形です。

マークの受け渡しを控えめにして、走力を生かしてしっかり追いかける守り方。

ハマったときは強いですが、徳島の左サイドのようにレーンや立ち位置を交換しながらボールを運ばれると剥がされやすい一面もあります。その分走らされますしね。


象徴的だったのが、右CBの黒木が自陣に下りていった渡井についていくシーン。笑

めちゃくちゃ走らされてますが、走力には分があるし、マークがずれるくらいなら付いていってやろうという魂胆でしょうか。河原のカバーリングが遅れると簡単に突破されるシーンもありました。

逆に熊本の左サイドでは坂本、竹本、伊東がトライアングルをいい距離感で形成し、流動的にポジションを入れ替えたり、お互いをカバーする意識が強いように見えました。

徳島の構築が左に偏っていることもありますが、熊本の左サイドからはそこまで突破された印象はありません。


3.前半はお互いに1点ずつ


前項で触れた徳島のビルドアップと熊本のプレッシングについては、特に左サイドにおいて徳島が一枚上手だった印象です。

しかし熊本もデュエルでそこそこ強さを見せていましたし、決定機までは作らせていなかった印象です。

徳島の先制点は、ゴールキックの流れからこぼれ球を拾った櫻井から右サイドの浜下へ。ダイレクトクロスからバケンガのヘディング一発。

浜下のクロスは相変わらずエグいですね。今季徳島で、最も質で殴れているのは浜下だと思います。

岡山戦の藤尾のゴールのアシストも見事なクロスでした。

浜下と右サイドを形成するのは、川上もしくは藤田と、結構タイプの違う選手ですが、浜下はどちらと出場してもうまくやってる印象ですね。

川上と出場する場合は大外を川上に走らせて、ハーフレーンで仕掛けるパターンも持ってます。

熊本は前半のうちに追いつけたのが大きかったです。スローインの流れから、安部が失ったボールをかっさらった河原が突破し、マイナスに折り返したところに伊東。

このシーンでもクロスを上げた河原も含めると5人の選手がペナルティエリアに侵入しています。


4.熊本ペースの後半戦

熊本は徐々にボールを握れるようになり、徳島の即時奪回を狙うプレッシングを外していきます。

WGの選手が下りることで、効果的にボールを前進させる場面が増えていました。距離感も遠く、ポジションチェンジが少なかった右サイドは前半と比較すると特に変化を感じました。

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これは熊本の2点目のシーンですが、新井のパスミスから徳島は、いつものようにIHの渡井を押し出して4−4−2の形でプレッシング開始。

LWGの坂本が下りてきて、白井・浜下のギャップでボールを受け、竹本にリターン。そこからCBの菅田。(バケンガの立ち位置次第では防げたパス

そこから今度はRWGの杉本が下りてきてボールを受けます。この時点で杉本はライン間のスペースでフリーに。阿部選手は大外のレーンにいました。

前ががりに寄せた徳島の中盤とDFラインはかなり間延びしていて、そこをうまく突かれました。クロスに対しても全く枚数が足りてませんでした。


得点シーン:見切れている徳島のDFラインと中盤4枚の間に熊本の選手が4人フリーになっている。

この辺は徳島のプレッシングもまだまだ修正が必要なようです。

出鼻をくじかれた徳島でしたが、こちらも即刻追いつく目まぐるしい展開。


徳島の2点目は、藤田のマーカーを引き連れていったインナーラップがとても効きました。その動きによって空いたスペースに侵入した渡井選手にボールが入り、最後はクロスからバケンガ2発目。

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渡井に危険なエリアでボールが入るとやはり何か起こしてくれそうな気がします。左サイドで新井・西谷と見事な連携を見せていますが、元々テクニシャンタイプのキレキレドリブラーなので、やはりゴールに近い位置で渡井に仕事をさせられるかで今後の得点力には違いが出てくるかもしれません。

結果的に2−2のドローに終わりましたが、後半はよりボールも持てるようになった熊本のペースで進んでいた印象です。


4.バケンガの評価

〜CFは誰がいいのか〜

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この試合では2本のシュートで2ゴールを上げたバケンガ。

昨季終盤に加入した外国人助っ人については、未だにどれほどのポテンシャルがあるのか未知数なところです。ノルウェー代表にも各年代別からずっと選ばれていますし、13の頃は神童と呼ばれていたようです。笑

(ウィキペディア情報です)

今回の試合を見た限りでは、あくまでペナルティエリアで仕事をする古典的なストライカータイプ。


中盤に落ちて崩しに関わる場面も少ないし、味方にスペースメイクするようなオフザボールの動きもあまり見られません。


見た目で勝手に決めつけてましたが、(笑)背負って受けたり、ポストプレーもあまり得意ではなさそう。

開幕戦の藤尾に指摘したように、前線でボールが収まらないことは結構しんどいです。 

徳島はIHの2枚が得点に絡めていないので、

ポストプレーや、中盤の選手をサポートできるようなプレーができると、渡井など攻撃的な中盤の選手の能力ももっと活きてくるようになると思います。

そういった意味ではCFの人選はまだまだ分かりませんね。一美もいますし、まだ誰も絶対的な存在とは言えなそうです。


5.最後に


昇格組の熊本にそれなりにしっかり支配されてドロー!(笑)

やっぱりJ2は難しい。4試合連続ドローという長いトンネルですが、これを勝利で抜けるか、負けが着くかではかなり差があるように思います。


次はアウェイで大宮と対戦。元徳島のFW河田選手の変態ボレーが怖いですね(笑)

ここで負けるとマジで厳しいので何とか勝利を!(笑)

それでは今回はこの辺で。
あくまでも個人の意見です。


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