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Moglie 〜モリエ〜 その1

隣のスナック「モリエ」さんが昨年12月に閉店したのだが、新規の店が決まったようで内外装の工事が始まった

moglieとはイタリア語で「奥さん・妻」という意味で、かれこれ40年近い歴史があるパブスナックだった。蕎麦宗が開店してすぐの頃に、モリエのオーナーである渡邊善次(故人)さんは、常連客として度々脚を運んでくれた。東京の生まれ育ちで、ピアノ弾きとして活躍していたと聞いた。「越路吹雪(故人)さんと組んで戦後すぐの日本中をドサ廻りした」話など、なかなか聞けないような話を沢山してくれた。ご存命ならば95歳位だが、残念ながら数年前に天寿を全うされている。

善次さんは、たいしてお客もいない開店したばかりの蕎麦宗をずいぶん応援してくれた。あの頃(2005年)の三島は、バブル崩壊の陰が未だ色濃く残り、とても暗い街だった。僕自身、自分の蕎麦や、特にインテリアや庭などの内外装には自信を持っていたが、来客する年配者にはしょっちゅう酷評されたものだ。そんな噂を聞きつけるたびに「あんなセンスのない三島の奴等のいうことなんか聞くことはない、この店はいつか見てろって店なんだ」。そう言って僕を鼓舞してくれた。

今でこそ遠方からもお客さんが来て下さるし、ジャズの流れる雰囲気やインテリアも称賛していただけるようになった。自分自身がブレずに愚直に続けて来たからには違いないが、それは、善次さんのように応援してくれる方々あってのことだ。

そんな、まだ若かりし頃に想いを馳せつつ、モリエとの思い出をもう一つ語りたいと思う。つづく

#スナック #モリエ #ジャズ #越路吹雪

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