祖母の時間と孫の時間
蕎麦宗は手打ちそば屋だけど、カウンターの店だ。なのでお客さんとの会話の時に、愉快な話はネタとして時折使わせて頂くことがある。
昨日も久しぶりにいらした80代のおばさまに、
『お孫さんのエピソードをネタとして使わせてもらってます!』
と、内容を話して伝えたら大爆笑してくれた。というわけで書かせて頂こう。
昨年の話だ。そのおばさまの20代のお孫さんが、オーストリア留学から一時帰国した時に蕎麦宗へ立ち寄ってくれた時のこと。おばあちゃんから
『最近、近くに美味しいお蕎麦屋さんが出来たよ』
って聞いて来たらしい。その娘は続ける。
『ところでこのお店いつできたんですか?』
僕は正直に答えた。
『2005年だから、14年(2020現在)経ちますよ』
『え”〜』
半分笑って、半分引きつった顔でその娘は応える。
『ぜんぜん最近じゃないじゃん!』
お孫さんであるその娘の言う通りなのだが、おばあちゃんの名誉も回復させてあげたい。で、
『君にとってはだいぶ昔のことだけど、おばあちゃんにとっては最近のことなんだよ』
と伝えた。
齢を重ねれば重ねるほど時の流れは早く感じ、一年は短くなる。10年なんてあっという間だ。おばあちゃんも生娘だったし、孫娘だってそのうちお婆さん。
そんな笑い話の中に、自分も感じつつある時間の流れの残酷さを想った。
読んでくれてありがとう。少しはお役に立てたかな⁉︎。聞きたいことあったら、ぜひ質問くださいな。もし楽しい気持ちになれたなら、ほんの少しだけ応援ヨロシクです。