家庭もチームもコミュニケーションの設計と演出が必要だ
チームを作っていく上で、「コミュニケーション」は大切な要素の一つです。そのコミュニケーションは、意識的に設計し、実施し、演出する必要があると考えています。
家庭で大事にしていること
はじめに少し思い出話を。僕は結婚して10年になるのですが、常に意識していることがあります。
季節のイベントを大切にする
ということ。特に年末年始はイベント続きですね。クリスマス、正月、その後は節分、バレンタイン、ひな祭り、ホワイトデー…こういうイベントには積極的に乗っかって、家族と楽しむようにしています。
このように季節のイベントを意識するようになったのは、結婚の報告をしたときに言われた、前職の上司からの一言でした。
「家庭円満の秘訣は季節のイベントを大切にすることだよ」
そこまで関係性もできていなかった上司というのもあり、当時は「ふーん」という感じでした。
ですが、なぜか頭に引っかかっていて、妻の誕生日にはお祝いしたり、クリスマスにはケーキを食べる、そんな習慣につながりました。
当たり前にやれる人もいるとは思いますが、元上司のあの一言がなければ自分はやっていなかったかもしれません。
おかげさまで妻とは仲良くやれています。
なぜ家庭円満に効く?
なぜこれが家庭円満に効くのでしょうか?元上司の意図とは異なるかもしれませんが、僕はコミュニケーションのきっかけができるからだと思っています。
イベントを行うことによりコミュニケーションが生まれる。そうすると以下のことが起こります。
・単純にコミュニケーションの回数(質・量)が増える
・価値観の同期がとれる(昔は好きだった食べ物に飽きるなど)
・相手の気持ちを考えることができる
家族といっても自分とは違う人間です。価値観は常に変わっていきます。プレゼントを用意したり、サプライズを考えたり、そういったことで変化に気づけるのではないでしょうか。
あとは、いろいろな話をするとシンプルに仲が深まりますよね。
チームにもこれが必要なんだ
コミュニティーでお世話になっている「カイゼン・ジャーニー」著者の市谷さんがチームについて同じようなことをおっしゃっています。
・遠い距離は縮めるしかない。縮めるには時間をともにするしかない。
・単純接触効果(接触回数が警戒心を解く)
・偶発性に委ねるだけでは、単純接触効果は上がらない
※39ページ目より抜粋
・人は、単純接触していないと、物事の優先度が落ち、やがて忘れる。
・人は、人に対してすらも、優先度が落ち、距離が出来ていく。
※本文より抜粋
この話を聞いたとき、「あぁ、あの上司が言っていたのはこういうことなんだ」と自分の中で腑に落ちるとともに、チームにも同じことがいえるのだなと思いました。
僕はスクラムというソフトウェア開発プロセスのフレームワークをチームに教えたり、組織に広める仕事をしています。このフレームワークには、季節のイベントのように、コミュニケーションが発生するような設計がされています。
一日に一回の進捗確認、1週間での成果共有、次の一週間の計画作成、ふりかえり…僕はスクラムやアジャイルの良いところはこういったコミュニケーションを取るための仕組みが組み込まれていることだと考えています。
ここ最近よく耳にする1on1も同様にコミュニケーションの仕組みの一つですね。
とはいえ、単純にコミュニケーションの機会を増やせばいいってものでもないです。毎日同じケーキばかりでは会話も減ってくでしょうし、欲しくないプレゼントをもらい続けても辛いだけでしょう。
必要なことを、必要な分だけ、必要な内容でやっていく。ちゃんとそのコミュニケーションが目的や意図にあっているか考えることが重要です。
家族との、チームとのコミュニケーションを設計と演出という面で見直してみるのはいかがでしょうか。
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