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ペーパーマリオと俺

僕はマリオストーリーが大好きです。


昔から現在に至るまで任天堂ハードのゲームで育ってきた人間であり
小さいころは欲しいゲームを家族にねだって買ってもらっていました。

小学生当時はアクションRPGなんてものに(多分)触れたことがなかったため
またしても家族に買ってもらったN64のマリオストーリーに触れて
その世界観やお話にグッと引き込まれたのを覚えています。

おなじみのマリオの世界でいつもよりちょっとだけ壮大な冒険
「1」とか「2」とかダメージの数値が極端に小さいバトルシステム
紙と立体物の融合による映像表現
とにかくあらゆる点が新鮮に映りました。


正直RPG時代のペーパーマリオの感想なんて
インターネットのあらゆるところに書かれてるので
ここから先は超個人的にペーパーマリオへ抱いている感情を
書いていきます。


まずは2004年に発売されたゲームキューブ用ソフト
『ペーパーマリオRPG』。
マリオストーリーのシステムをほぼ引き継いだ純粋な続編で
世間的にはこちらも高い評価を受けています。

しかし個人的には「あれ? なんか……」って感想を抱きました。

いや面白くないと思ったわけではないんですけど

例えばバトル面では
前作で一種類につき一つだけ手に入ったバッジが複数個手に入るようになり
バッジの重ね付けで攻撃力をいくらでも上げられて
ゲームバランスが大味になったと感じました。

世界観にしても
最初の街からして中央にめちゃくちゃ目立つ絞首台が置いてあったり
裏口から入ると殺人事件が起きた跡っぽいのが残ってる家があったり
ギャング同士の抗争に巻き込まれるようなイベントが起こる
「ゴロツキタウン」って
いきなり何?

実際この「黒い任天堂」とか言われるノリが
好みに合った人も数多くいるらしく
マリオストーリーを超えたという評価もよく見かけますが
個人的には前作で大好きだった温かみのある雰囲気が
一気に消え失せた印象を受けました。

遊んでなくても男の娘キャラの「ビビアン」だけ知ってる人も多いかも。

2作目にしてひねくれた方面にネタを振ってきたな~と思ったのを
覚えています。


次いで2007年にはWii『スーパーペーパーマリオ』が登場。
元々GCソフトとして開発されていたのが
Wiiソフトになったという背景があります。
タルコンガ→Wiiリモコン&ヌンチャクになった
『ドンキーコング たるジェットレース』あたりと一緒。

もう今作からジャンルが従来のアクションRPGから
アクションアドベンチャーに変わりました。

ただし、前作のクッパ操作パート
「スーパークッパブラザーズ」の流れを引き継いでいたため
当時の発売前は大きな反発もなかったと認識しています。

実際に遊んでみるとRPG時代のクセをかなり引きずっており
ただのマリオのアクションゲームのように
踏んづけるだけで倒せるのではなく
RPGのようにレベル・攻撃力・防御力が設定されて
ぶっちゃけ倒すのが面倒な感じのゲームバランスになってしまいました。

かと言ってレベルを上げすぎると自分の攻撃力も上がりまくるので
一気に難易度が低下します。
そういえばゲームオーバーになったことがない気がする。

ストーリー面もかなり異質で
前作で「黒い任天堂! キャッキャ!」ともてはやされた面は
さらに強調されました。
オリジナルキャラを中心として
「愛」をテーマにした重い話が展開されます。

お話自体は決して出来が悪いわけではなく
インターネットでは歴代最高のストーリーと評する人も数多いようですが
当時のアンケートで「ストーリーが面白い」と答えた人は
全体の1%にも満たなかったそうです。
社長が訊く『ペーパーマリオ スーパーシール』|ニンテンドー3DS|任天堂 https://www.nintendo.co.jp/3ds/interview/ag5j/vol1/index3.html

本筋のストーリーと別にアクの強いボスキャラとして登場する
「カメレゴン」も特筆すべき点。
当時のテレビドラマ版『電車男』で登場するような
アニメオタクとして描写されており
見てて背中が痒くなってくるセリフがめちゃめちゃ出てきます。

以下カメレゴンの日記の転載。


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○月×日
今日は 天気が よいので ひさしぶりに
「すいーと☆ぷりりん」を 全話見る
りょうしつの シナリオに
はぎれのよい えんしゅつ
まさに けっさく アニメーション
とても たのしかった

ただし それも 2クールまでで
カントクが こうたいしてからは
ださくとしか いえない

3クールからは ファンへの コビと
オモチャを 売るための テコ入れが
見え見えで 見るに たえない

カネもうけ イコール あくだとは いわない
アニメは しょせん
30分の コマーシャルなのだ

しかし あんいな サービスシーンの
ぞうかに すべてのファンが よろこぶと
おもうのは あまりに アサハカであろう

たとえば 第24話までの
ぷりりんの とうじょうシーンの こうか音は
「ぷりゃりゃりゃ~ん」だ

しかし 第25話いこうの こうか音は
「ぷりょりょりょ~ん」に なっている

ファンなら これだけでも ハッキリと
その ダメさかげんが わかるだろう

アニメとは そもそも
「命を ふきこむ」という いみである

キャラに 命を かんじないアニメは
もはや アニメとは よべない

来年から おなじ カントクによる
「すいーと☆ぷりりん・あらもーど♪」の
ほうそうが よていされている

このボクの クチに合うとは
まったく おもえないが…

ヒロインの コスチュームが
ちょープリチーなので
フィギュアと DVDを よやくした

とどくのが とても まちどおしい
はやく こないかな
ワクワク☆

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うわキツ

これで氷山の一角なのがつらい。
書いてる内容自体がまあまあわかるだけになおさら厳しい。


2012年には3DSで『ペーパーマリオ スーパーシール』が発売されます。
今作から制作体制が大きく変わり
マジでいろんなところが変わりました。

RPG時代のペーパーマリオの高評価と同じくらい
スーパーシールの低評価について
インターネットでは語りつくされているので
あんまり細かくは書かなくても伝わると信じます。

シールを使ったあらゆる要素が面倒臭いんですよねこのゲーム。

謎解きに使うシールもバトルに使うシールも
一回使ったらなくなってしまうので
同じシール使って謎解きするならもう一回シール拾いに行く必要があるし
攻撃するたびシールが減るからバトルは避けたくなる。

経験値とかがそもそも存在しないシステムなので
がんばってバトルに勝ってもコイン以外のリターンはなく
ザコ戦はマジでやる意味がありません。

さらに今回からストーリーは簡素なものになってしまったため
お話も特に面白くはないです。

フィールド探索自体は面白いし3DSの立体視もすげえいい感じで
紙らしい表現はより極まってるので
見どころも数多いのがまた悲しい。

大体スーパーシールからペーパーマリオを見限ったって人が多いかも。


この間に『マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』が発売されますが
割愛します。
これはちゃんと面白いよ。


2016年のWii Uソフト『ペーパーマリオ カラースプラッシュ』は
前作の煽りを受けてそもそも遊んでないって声が多い印象があります。

マリオの新しい能力として「ペンキハンマー」が登場。
色が奪われた世界をこのハンマーで塗りつぶしていくのが
大きな特徴となります。

欠点もそこらへんに。
ペンキハンマーにはRGB3色分のインクゲージが設定されており
例えば木の葉っぱの色を塗りつぶしたら
その分だけ緑インクを消費する形になりますが
インクが切れたら
すでに着色されているところから同じ色を補充する必要があります。
単純にここが面倒くさい。

ただ個人的にはめっちゃ好きなんですよねこのゲーム。

まず前作で面白かった探索要素はよりパワーアップしています。
ペンキで塗りつぶすのはただ楽しいし
バトルシステムは相変わらずシールのように
アイテムを消費する形になりますが
謎解きに使うことはなくなったので何もかも不親切ではなくなりました。

より「紙」が強調されるようになり
フィールド全体がめくれ上がるようなサプライズも序盤から登場します。

全体通して見ると手放しでほめられるような出来じゃなかったのもあるので
「俺は好きだよ……」ってポジションですね。


ここまで振り返ると俺はペーパーマリオが好きなんじゃなくて
マリオストーリーの雰囲気とゲームシステムに囚われているな~と
自分で感じます。
実際こんな感情のままNintendo Direct miniで新作が発表されたときは
困惑しかなかった。


こうして2020年に登場した『ペーパーマリオ オリガミキング』。
プレイ動画とか見てもゲームシステムの紹介とか見ても
死ぬほど面白くなさそうに感じていたので
うわ~~~~~~~~~~不安だ~~~~~~~~~~~~
ってなってました。

ところがいざ遊んでみると

あれ……

あれ……?

なんか面倒くさいところ……
あっこのジャイロ機能はイヤだな……あっオプションでOFFにできる

あれ……面白いな……?

敵並べるバトル面倒くさい……あっうまく並べられると楽しい……

キノピオばっかり出てくるのにキノピオ探すのが楽しい……

下品なブラックユーモアが存在しないのにストーリーも面白い……

いやまだクリアしてないんですけど
3つ目のカミテープクリアまで遊んで
特に不満が出てきてないんですよね……

俺好みの温かみのある世界観だし
紙らしいギミックもありつつちゃんと面白いんですよ今作……

でもこれ感覚が麻痺してるのかもしれないから
大っぴらにオススメ!!!って言えない……

しかしですよ
ずっと違和感を覚えたまま遊んできたペーパーマリオについて
ようやくしっくりくるゲームが出てきたんですよ
なんかこう……感動っていうか……

これまで迷走しかしてなかったと思ってるペーパーマリオ。
多分アクション本編のマリオに比べてオリガミキングの売り上げは
大したことない結果に終わると思われます。

途中まで遊んでここまで満足感を得られてるのが幸せでして……

そもそも長文書くの苦手なので
うまいこと文章まとめられてないような気がしますが
自分に憑りついていた怨霊が浄化されているのを感じたということを
ここに記しておきたいと思いました。


RPGじゃないとイヤ?
ゲームキューブだけ遊んでりゃいいんじゃないですかね……

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