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語りの可能性を考える。「soar conference 2018〜語り」を開催しました!

本日12/8(土)に「soar conference 2018」を開催しました!今年のテーマは「語り」。

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soarでは、ウェブメディアやイベントを通して、「語り」の持つ力に注目し、さまざまな困難を経験した方や、その家族、支援に携わる方、一人ひとりの生きる物語を伝えてきました。

今回のイベントでは、様々な領域で活動しているゲスト・参加者のみなさんと共に語ることの可能性や、人がよりよく生きることのヒントを探っていくため、「語り」について考えました。北海道・京都・鹿児島など、様々な場所からゲストにお越しいただき、大変貴重な機会となった今回のイベント。早速1日の様子を紹介したいと思います!

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人が自らを「語ること」の可能性

会場のNagatacho GRIDには、オープンの9:45からたくさんの人が集まりました!最初のセッションのゲストは、「浦河べてるの家」理事であり、北海道医療大学教授の向谷地生良さん。

「べてるの家」は、北海道浦河町で精神障害のある人たちがともに暮らしながら、地域で事業を興している活動拠点です。向谷地さんは、立ち上げから長年にわたり精神疾患を持った人たちと活動し、ソーシャルワーカーとして実践を続けてきました。

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イベントでは、べてるの家の名物とも言われる、統合失調症の症状の一つ幻覚や幻聴などの自身の症状について研究し、語り合い、対処法を探していく「当事者研究」についても触れられました。

「統合失調症の症状により、幻聴が聞こえる・幻覚が見えるといった不思議な世界を生きている当事者の人たちがいます。私がしてきたのは、この不思議な世界を生きてきた当事者の人たちの世界にお邪魔しながら、一緒に考えること。

否定するのではなくて、大切な意味を持った世界だと思うんですね。幻覚や幻聴のことはずっと語れないで生きてきたという人も少なくありません。でも当事者研究に出会って『自分の世界を語っていいんだ』『これで生きられると思った』と思えたという声もあります。」

後半は「カラスと会話できる」「ユニコーンを飼っている」といったべてるの家の人たちのエピソードや、当事者研究の事例を紹介する場面も。セッション全体を通して、人が自らを「語ること」の可能性を見出していきました。

インターネットを通じた「語り」が私たちにもたらす変化とは?

session2「インターネットと語り」のゲストは、ドミニク・チェンさん。早稲田大学文学学術院・准教授、NPOコモンスフィア理事、株式会社ディヴィデュアル共同創業者も務めています。

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ドミニク・チェンさんは、日本的ウェルビーイングというテーマを探求しています。ウェルビーイングとは、インターネット時代における、身体的な健康に限らない個人の社会的、精神的な生活の良好さを示した指標のこと。

「SNSは情報をコンパクトに伝えられる側面がある一方で、それによって自律的に喚起させる力が弱まり、面白い読み方や書き方をする人が減っていく可能性もあるんですよね。

複雑な世界を複雑なまま伝える。今回のテーマでもある「語る」ということをどう受け止められるかが重要なのではないでしょうか」

インターネットを通じた「語り」が私たちにもたらす変化についてや、情報技術と共存する新しい社会についてお話いただきました。

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利用者さんから発せられる「語り」に寄り添うこと

session3「身体と語り」のゲストは、「しょうぶ学園」の施設長である福森伸さん。

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「しょうぶ学園」とは、鹿児島県にある社会福祉施設で、福森伸さんは知的障害のある人たちの暮らしと表現活動の場を営んでいます。

音パフォーマンス「otto&orabu」・家具プロジェクト・食空間コーディネートなど「衣食住+コミュニケーション」をコンセプトに、知的障がいをもつ人のさまざまな表現活動を通じて多岐にわたる社会とのコミュニケート活動をプロデュースしています。

「『共生社会』というと、一般的には障害がある人が『共生社会』になるために歩み寄らなければならないという認識もありますよね。そのために障害がある人は、社会に馴染めるように訓練しなければいけない。

でも僕らは、障害者のありのままで存在が認められるような社会を目指すことが必要なのではないでしょうか」

福森さんが知的障害のある利用者さんから発せられる「語り」に寄り添い、共に紡いできた話には、頷きながら聞く参加者の方も多く見られました。

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参加者同士のストーリーを共有し合う「わたしと語り」

session4&Workshopのゲストは、勉強家である兼松佳宏さん。

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兼松佳宏さんは、ソーシャルデザインのためのヒントを発信するウェブマガジン「greenz.jp」の立ち上げと2010~2015年にかけて編集長を勤められました。

現在は、フリーランスの勉強家として独立し、著述家、京都精華大学人文学部特任講師、ひとりで/みんなで勉強する【co-study】のための空間づくりの手法「スタディホール」研究者として、教育分野を中心に活動中です。

「自分のことは自分がいちばんよくわからない」と言われるように、自分を客観的に観てくれる他者の存在も大切ですね!」

このセッションでは「勉強家」と言う肩書きを持つ兼松さんのように、参加者一人一人の「Beの肩書き」を探っていきました。

参加者が3人グループに分かれてそれぞれのストーリーを共有し合う時間は、初対面の人たち同士でも盛り上がりを見せていました。それぞれの思いを語り合う時間を通して、自分の中の「語り」を見出していった方もいたのではないでしょうか。

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soar teaの試飲タイムとsoarで紹介したお菓子


カンファレンス中は12/5に発売したばかりのハーブティー「soar tea」の試飲や販売も行いました。「soar tea」は「あなたの毎日に、優しい回復の時間を」というコンセプトのもと、日本古来の薬草をもとにした伝統茶ブランドtabel監修のお茶です。

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他にもsoarの記事にも登場した「久遠チョコレート」と「森のキッチン」のクッキーも用意!ほっとするような安らぎの時間を楽しんでいただけていたら嬉しいです。

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また、session3のあとには、体の疲れをほぐす体操として「骨体操」を参加者とゲスト、スタッフの全員で行う時間も!柴田郁恵先生が講師をしてくださいました。


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1日を通して「語り」と「語り」の秘める可能性や見出される自分の中の気持ちについて触れるイベントをつくることができたのではないかと思います。お越し頂いた皆さま、ありがとうございました!

soarでは、これからもみなさんと語り合いの場をつくったり、イベントの開催などをしていく予定です。ぜひ色々な形で参加していただけると嬉しいです。

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soarのことをもっと知りたいという方は、ぜひ活動説明会にもお越しください!

次回の活動説明会は12/11(火)、12/21(金)、1/15(火)となっています。
◆12/11(火):SOS子どもの村JAPAN&soar合同活動説明会(渋谷)
◆12/21(金):soar活動説明会(渋谷)
◆1/15(火):soar活動説明会(渋谷)

みなさまのご参加、お待ちしております✨

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soarでは、人の可能性を広げる素敵な活動を紹介してきました。これからも、soarだからこそ伝えられる素敵な記事を多くの人に届けたいと考えています。

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