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化学企業カオスマップ【財務指標で分類】

以前のFans会員の方からのリクエスト案件でして、筆者としても面白そうだなと思ったので作成してみました。(非常に時間を要してしまうことになり、大変申し訳ございません。)

化学企業のカオスマップを作成してほしい、という依頼でしたので、アカウントの趣旨も考慮した上でへー!そーなんだ!と少しでも化学企業や業界に興味を持ってもらえそうな目線での検討を重ねた結果、『財務指標』というビジネス目線で出してみようということで作成してみました。


対象企業

今回対象にしたのは以下の上場企業24社です。
信越化学、三菱ケミカル、三井化学、住友化学、旭化成、UBE、RESONAC(旧昭和電工)、積水化学、帝人、東レ、ENEOS、東ソー、日本酸素、クラレ、日本ゼオン、日本ペイント、関西ペイント、エアウォーター、DIC、関西ペイント、三菱ガス化学、ダイセル、日本触媒、日東電工

完全にMECE(抜け漏れなく)ではないのですが、化学企業と呼ばれる所で売上高順に並べた時にトップ25までには入ってくる会社を大方入れ込んでおります。なお、そーなんだ化学での決算速報等の投稿で参照する企業群と同じです。

分類基準

これが一番迷った所ですが、今回のこだわりとしては全て2018−2022年の各年における財務指標の平均値を出してマッピングしております。単年で比較するとコロナや事故、市況がたまたま丹念で良かった事や特別売却益など個別例外事情が入ってくるのでなるべく企業の実力値に近いもので比較できたら良いなと思い5年間の平均値で見てみました。5年の実績は簡単に誤魔化せるものではありません。

ということで、5年の平均値をルールに、営業利益率・一人当たり営業利益・売上高研究開発費比率・時価総額の軸で見ております。

こんな人におすすめ。

パッと見て化学企業の大体の位置付けが把握できるものですので、業界研究をしたい学生さんや、化学業界に入りたてでまだまだ勉強をしたい新社会人の方、そして知的好奇心の高い社会人の方に広く活用いただけるかと思っております。最近ですと株式投資の人もフォロワー様に増えてきているので、ちょっとした指標にお役に立てるかもしれません。

営業利益率(5年平均)での比較

筆者は化学業界に10年以上携わっておりますが自身で作成してみても改めて俯瞰してみると「へ〜」となってしまいました。笑 いくつか予想できていた範囲もありますが、5年の平均で見ると企業の実力値にも通じるものがあるのではないかと思いますのでその目線で見るとまた違った感想も出てくるものです。資料内にも記載してますが総合化学企業は石化等の汎用事業も手広くやっているので結構低いだろうな〜と思っていたものの細かく見れば東ソーはかなり高い位置に存在します。総合化学企業=利幅が低いという言い方は大枠を捉える表現としては適切なのでしょうが、やはり個別の企業で見るとそこには経営力が入ってきますのでそうでない企業もいます。

ちなみに、信越化学を入れたかったのですが5年の平均でみても29.2%と桁違いの数字でしたのでこの表の配分で作成すると1社だけ頭が抜けすぎていて枠内に収まらず、記載できないという自体になりました。
それだけ異質な成績ということで、他の指標でも同じ様なことが起きてます。数字で見るとその差がどれほどのものなのかが明確にわかるので面白いですね。

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