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大切にしたいこと その① &アトピーだから病院に行きたくなかった話。

アトピー助け合い研究所が大切にしたいこととして3つ挙げています。

1つ目「一人一人の選択を尊重すること」について、
当たり前なこのことを大切にしたいと思った体験を、
何度かに分けて記しておこうと思います。

ちなみにWebサイトには次のように書きました。

バイオインディビジュアリティ(BIo-Individuality)という言葉があります。「生物学的に見た個性」のことで、一人一人身体に合うものが違うという意味になります。​アトピー助け合い研究所では、この生物学的個性の他にも、その人の性格や置かれている環境、状況も、ある意味個性ではないかと考えています。個性が異なるということは、一人一人の選択肢が異なるということです。 
 私たち人間はどうしても「これが正しい、これは間違い」という判断をしがちですが、必ずしも「正しいこと=すべての人にとって正しいこと」ではないのだと思います。

このお話は、私がステロイド等の薬は使わずにアトピー改善に取り組んでいたころ、カポジ水痘様発疹症を発症した時の話です。

家族から、カポジになったら目への影響が心配だから
絶対に病院に行ってほしいと言われていたので、
せっかく取り組んできた腸内環境の改善もリセットかぁ~と思いながら
とりあえず抗生物質をもらいに近所の皮膚科に行きました。

待合室にはたくさんの患者さんがいてとても人気の皮膚科ようでした。
先生は、どちらかというとおじいちゃん。

長い時間待って、いよいよ診察室に入ります。
このころの私のアトピーは顔にも強くでていて、
とくにほっぺは浸出液がジュクジュク。

一般的な皮膚科に行くと、何を言われるか、何を思われるかは
だいたい予想はしていましたが、
おじいちゃん先生は私の顔を見て一言。
「それアトピー?ひどいなぁ。ステロイド使ったら一発で治るのに。」

私は「そうなんですけどねぇ・・・あはは」
と言うしかできませんでした。

ステロイドを使わないことを肯定してほしかったとか、
そういう訳ではなかったと思います。
(いや、少しはあったかも。近所にそういうお医者さんいたら心強いから)
が、完全に否定された気持ちになってしまいました。

当時は顔を上げて歩くことも怖く、心も弱っていたのだと思います。
弱っている中でも、踏ん張って自分なりに前をむいて頑張っていた時に、
先生のその何気ない一言が
やけに重く心にのしかかったことを覚えています。

診察はお決まりの処方を受けて数分で終わりました。

この時が初めてではありませんが、
私はアトピーが出ている時、病院に行くことがとても負担でした。
歯医者や眼科や皮膚科でさえも。

「薬使えばいいのに」と思われたり言われたりするのではないか、
私はどういう人に見えるのだろうか、
とかいろいろ考えすぎて、病院に行けない。

実際は前述のおじいちゃん先生含めて、
病院側には何の問題もありません。
そういう思いに囚われているのは私の中の世界で、
苦しめているのも自分自身でした。

けど、頭で分かっていても、気持ちがついていかない。

他にも、傷口からばい菌が入ってしまい
常に痛いし熱も高めでおかしいなと思ったけれど、
その時も「アトピーだから病院行きたくない」という気持ちが
病院に行った方がいいという気持ちに勝り、しばらく放置。
結果悪化して、軽い手術になったこともありました。

前述のおじいちゃん先生に、私は何を求めていたのかなと、
今でも時々思い出します。
多分、「私はステロイドを使った方がいいと思うけど、
自分なりの考えがあってのことだったら、頑張って。
どうしようもなくなったら、いつでも来て大丈夫ですよ。」
といった、そんな言葉をどこかで期待してたのだと思います。

私はこう思う。
でもあなたはあなたの思うことを頑張ってみて。

同情でもなく、諭す訳でもなく、
フラットな感じ。

こういった経験から、
当たり前だけれども「一人一人の選択を尊重すること」を
あえて挙げることにしました。
選択の背景には、一人一人の物語があるはずだからです。

アトピー助け合い研究所として、
まずはお茶会?座談会?や勉強会からと考えていて、
いろいろな方の、いろいろな経験、いろいろな考え方に出会うことになるだろうと思っています。

だから、自分自身が忘れないように。
知らないうちに、自分が悲しかったことと同じことをしてしまわないように、意識しておきたいと思います。

さらには、そういうフラットな集まりが生まれたらいいなぁ。

あと、「アトピーだから病院に行きたくない。」
これって他の人でもあるのかな?とずっと気になっています。
私だけ??

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