見出し画像

もっと旅行できるよう(な社会)になるには。Ⅱ~お金編(1)

(写真)特に物価の安かった国のひとつ・ミャンマーにて

前回「もっと旅行できるよう(な社会)になるには。」をお読みになった方は、また私の旅行記を読んで下さった方は、

そんなに長い間旅行するには、さぞお金が掛かったんだろうな、

との感想を抱く方もおられたのではないか、と思います。

これについては、資金調達の詳細を記した回もあったと思いますが、

              

旅行記1994~2000(1)出発前(1994.3) https://note.com/so6/n/n9c3f0cb1db19?magazine_key=mfd7809413989

旅行記1994~2000(10)一時帰国(1994.10ー1995.3) https://note.com/so6/n/n7b048ad316b5?magazine_key=mfd7809413989

結論から言うと、

日本で生活するより遥かにお金が要らない、

ということで、さらに言うと、

日本に居るとお金が掛かるから外国へ避難する。

意味合いが、私の1994~2000年の旅行のいくつかの動機のひとつにはあり、より正確に言うならば、

日本に居ると生活にお金が掛かるから常に働き続けなくてはならないが、当時の自分にとって労働の現場は種々の圧迫や人間関係の苦痛が生じる場所であり、また視野が狭まる場所であり、今後の人生とか様々なことをじっくりと考えたいという欲求を持っていた自分にとって、働き続けることによって自身の欲求が阻害される要因が強いため、できるだけ働かずに生きたいと思っていた。(「働かず」というよりは「所属せず」に生きたいと思っていたというのがより正確か)

それほど、お金は掛からない。

そのことを知ったのは、最初に行った1994年4月~7月のインド・ネパールの時で、出国前空港10万円を米ドルに替えたら(900ドル位になった)それでほぼ3ヶ月の旅行資金をまかなえた、ということがあり(「ほぼ」というのはネパールで少額キャッシングしたから。総額では日本円で航空券込みで20万円少し切るぐらいと思います)

確かにインドは世界一物価が安いレベルだが、他のアジアの国々も勝るにも劣らず、と他の旅行者から耳にして、帰国後、また旅行へ出ることを目指して、お金を貯める励みになったことは事実です。

人間、あまりに高い目標だとやる気がなくなるけど、少し頑張れば手が届きそうな目標なら俄然やる気になる。

つまり、旅行へ出るのに何百万円も掛かるのなら諦めるだろうけど、30万~50万位貯めれば数ヶ月~1年行けそう、という現実的な数字が出てきたから、当時はアパートの家賃も払いながら、懸命にお金を貯めました。

50万円で1年旅行できたら良いな、と思っていましたが、結果、70万円(ちょうど出国前に空前の円高(1ドル80円位)になり半分を米ドルに両替したら総額65万円が70万円相当になった)で1年半旅行することができました。

行った国は韓国、中国、ネパール、インド、バングラデシュ、タイ、マレーシア、シンガポール、ミャンマー、ラオス、ベトナム、カンボジア等。インドで1ヶ月日本円2~3万円といった感覚ですが、この中ではネパール、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジアはそれよりも少し安く旅行でき、タイ、マレーシア、中国は少しだけ高い、というのが当時の物価水準でした。

さらに一時帰国して自動車工場で働いてお金を貯め、130万円を持って三たび旅行へ出ます。この資金で旅行を続けた期間は2年7ヶ月。

行った国は中国、パキスタン、インド、トルコ、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、イギリス、オランダ、ベルギー、フランス、スペイン、モロッコ、ポルトガル、ドイツ、オーストリア、チェコ、イタリア、スイス、デンマーク、アイルランド、スロバキア、スロベニア、クロアチア、ボスニアヘルツェゴビナ、ユーゴスラビア(当時)、マケドニア、アルバニア、ギリシャ、エジプト、ヨルダン、イスラエル、シリア、レバノン、グルジア(当時)、アルメニア、イラン等。

当時、欧州へ入ったあたりでかなりの円安(1ドル140円越え)となったこともあり、西欧の国々はいずれも日本よりも物価が高かったです。西欧でも特に北側(英仏独、デンマーク、スイス)は、高い。南側(スペイン、ポルトガル、イタリア)で日本と同程度、と感じました。

しかしあとの国々はぐっと安く、東欧(ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、スロベニア、クロアチア等)はアジアと同じか少し高い程度、中東(エジプト、ヨルダン、シリア)はアジアと同程度(イスラエルは少し高い)といった当時の感覚でした。

合計約4年4ヶ月で掛かったお金は約220万円。

その間、最初のインド、3ヶ月の旅行の時はアパートを借りていたので3ヶ月分の家賃を払いましたが、あとの1年半、2年7ヶ月の旅行の時は住む所を引き払い、住民登録も抹消したので税金や社会保障費の対象からも外れ、言わば日本に居住実態のない状態で出たので、旅行費用以外は旅行保険のお金、それも1~2万円程度、といったところです。

以上、しかしこれは、各国の通貨の間に不当なまでの貨幣価値の差があることが原因で、その恩恵を受けているに過ぎないのですが。

今はもう少し縮まっているのか分かりませんが、格差はまだまだあるのでは、と思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?