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技術士 (電電/電設) むけ研鑽 - R5 再現論文 II-1 -


えらい I に時間がかかったが II についても同様に書き綴ってみる。


1.再現

1) どのように問題を選択したか

問題文は以下サイトを参照。

選択問題は以下の通り。

II-1-1: 静止型無停電電源装置の給電方式 3 種類
II-1-2: ビル自動管理制御システムを実現する BACnet 概要と特徴 2 つ
II-1-3: 商用ビル建物内の電気設備における雷害対策 2 つと注意点
II-1-4: 系統への逆潮流ある発電設備を高圧系統に連系する場合の単独運転防止の必要性と単独運転検出装置を設置する理由、能動的方法 2 つ

R5 選択問題 II 過去問題

本年に限らずこの科目については、電気設備のうち次のようにカテゴリが別れるものと思われる。

  • 施設電気設備

  • 工場電気設備

自分の勝手な所感ではあるが受験者に公平に選択機会を与えようと思うと、前者に偏った出題にならざるを得ないのではと思う。後者について、もちろん UPS や雷害対策も含まれるものであるが、実務で多くこなすような生産設備の電動機等の話とは少し棲み分けが異なる。この観点での分析は自身の身の上が大きくバイアスしているところもあるので、自己分析の際にあらためて触れることにする。

で、本年度で言えば II-1-2 は完全に施設寄りの話であり選択は不可。残りは実務ではあまり扱わず、セミナ等で聞いたことあるレベル。ということで、実情に即して言えばいったんこの科目を飛ばした (苦笑) II-2 を書ききって帰ってきてから選択したのが II-1-3。しかるにポジティブな選択理由など皆無で、かろうじて課された個数の回答ができそうだ、という点のみに尽きる。

2) 問題文をどのように解釈したか

技術論述なのでそこまで深い解釈は要しないかとも思うが、少し警戒したのが以下の点

  • 商用ビルであること → 大容量の動力などは回答範囲外となる

  • 建物内であること → 建物の外の避雷針は回答範囲外となる

  • 雷害の種類は指定がない → 一つの雷害について複数の施策を書くと知識が狭いと思われる?

避雷針については実務でガッツリやったこともあり、それだけで 2-3 枚は書けそうだっただけに、かなり困った。このあたりも実務領域に知識が偏っていることの証明と言えよう。雷害の種類については、直撃雷は屋外になってしまうので除外するも、誘導雷についてサージと瞬低を考えてみた。# 瞬低は適切ではなかったかも

3) どのように回答を構成したか

(1) サージ対策
頭の中をほじくり返して出てきたキーワードが SPD とサージカットトランス。注意点としては接地を通じた回り込み電流を挙げ、接地を個別に取ると電位差が生じるので共用接地とする、とした。
(2) 瞬時電圧低下対策
何も考えずに UPS としたかったが他の設問で問われているので避けたい気持ちになり、苦し紛れに CVCF を挙げた。本来なら瞬低補償装置を挙げれば良いところ、アタマからすっぽり抜けていた。注意点としては、変換損失とか苦し紛れ of 苦し紛れの記述にとどまった。

2.振返

1) AI 回答

Q: 私は、科学技術に関する技術的専門知識と高等の応用能力及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えた優れた電気電子分野/電気設備の技術者です。商用ビル建物内の電気設備における雷害対策として専門技術を二つ挙げて、それぞれの注意点を教えていただけますか?なお、避雷針はビル外の対策のため除外してください。

CahtGPT 質問

A: 商用ビル建物内の電気設備における雷害対策として、以下に二つの専門技術を挙げてみましょう。
1. 過電流保護と差動保護: 過電流保護および差動保護技術は、電気設備を雷の影響から保護するために重要です。過電流や漏れ電流の検出と遮断により、電気設備の機能を維持し、被害を最小限に抑えます。
[注意点]
適切な遮断器と保護回路の選定: 商用ビル内の電気設備には、適切な遮断器と過電流保護装置を設置します。設備の種類や電力需要に合わせて、遮断能力や動作特性を選定します。
差動保護の設置: 特に重要な電気設備や電子機器には、差動保護を導入します。これにより、漏れ電流の検出を通じて火災や感電事故を防ぐことができます。
2. 避雷器の設置とグランドプレーン: 雷の影響を吸収し、適切な経路に導くために、避雷器の設置とグランドプレーン技術を使用します。
注意点:
避雷器の選定と配置: 商用ビル内の電気設備には、適切な避雷器を設置して雷の影響を吸収し、電気設備を保護します。設備の種類と避雷器の特性を考慮して選定し、適切な位置に設置します。
グランドプレーンの最適化: 雷の影響を地へ導くために、グランドプレーン技術を使用します。電気設備内のグランドプレーンを適切に配置して、雷の影響を適切な経路に導きます。
これらの専門技術を組み合わせることで、商用ビル建物内の電気設備を雷害から保護し、安全な運用を確保することができます。ただし、具体的な状況に合わせて設計や専門家のアドバイスを受けることが重要です。

CahtGPT 回答

少し肩透かしを食らった印象のある回答である。過電流保護について "ビル建物内の" というところに気を問われると負荷側にばかり頭がいってしまうが、受電設備も屋内っちゃあ屋内なので、その部分での継電器類に触れるのは悪くないかもしれない。避雷器については同意見というところで、接地について触れているのも回答としては似ている。

ちなみに CVCF を直感的に思いついてしまった自分がどれだけヤバいのか思い知るべく質問してみたら以下のようになった。

CVCF(Constant Voltage Constant Frequency)は、一定の電圧と周波数を維持するための電力制御技術です。雷害対策としてのCVCFの有用性は、特定の状況や要件に依存します。以下にいくつかの要因を考慮して、CVCFの有用性について考えてみましょう。
利点:機器保護: CVCF技術は、電圧や周波数の変動を制御するため、雷の影響から電子機器や電気設備を保護するのに役立つ可能性があります。電圧や周波数の変動が機器に影響を及ぼす可能性がある場合、CVCF技術は機器の安定した動作を確保するのに役立つかもしれません。
過電圧対策: CVCF技術は、過電圧が発生する可能性がある場合に、電圧を一定に保つことで過電圧から機器を保護する可能性があります。過電圧による損傷や故障を防ぐために有用であるかもしれません。
[注意点]
コストと複雑性:
CVCF技術の導入にはコストと複雑性が伴う場合があります。設備のアップグレードや専門的な設計が必要な場合があり、これに伴うコストや労力を検討する必要があります。
他の対策との組み合わせ: CVCF技術は単独での利用だけでなく、他の雷害対策技術と組み合わせて使用することも考慮されるべきです。適切な組み合わせによって、総合的な雷害対策を強化することができます。
効果の評価: CVCF技術の効果は、特定のビルや状況によって異なる可能性があります。効果を正確に評価するためには、適切な評価やモニタリングが必要です。

CVCF技術の有用性を評価する際には、具体的な状況や要件を考慮し、他の対策技術との比較や専門家の助言を得ることが重要です。

ChatGPT おまけ回答

どうしようもなく関係ないことを書いたわけではない、ことだけは確かめられた。無理くり関連付けられている可能性もあるので、まったく同じ質問を CVCF → テニスラケットと置き換えてみると以下の回答が得られた。

テニスラケットは、雷害対策としては一般的には有用ではありません。テニスラケットは、避雷針や過電圧保護装置などの専門的な雷害対策とは異なる目的で使用されるものです。以下にその理由を説明します。
効果の限定性: テニスラケットは、主にテニスボールを打つためのスポーツ用具であり、雷害からの保護を意図したものではありません。テニスラケットを用いて雷からの害を防ぐことは、その目的とは異なります。
雷のエネルギー: 雷は非常に高いエネルギーを持つ現象であり、テニスラケットの素材や構造ではそのエネルギーを適切に処理することは難しいです。雷によるエネルギー放出は、テニスラケットにとって過大な負荷となり、逆に危険を引き起こす可能性があります。
安全性の確保: 雷害からの保護を考える際には、専門的な雷害対策を優先することが重要です。避雷針や過電圧保護装置などの専門技術が、ビルや施設の電気設備を適切に保護し、安全性を確保する役割を果たします。

したがって、テニスラケットを雷害対策として使用することは適切ではなく、専門家のアドバイスに従って適切な雷害対策を検討することが重要です。

ChatGPT 回答検証

以上より、少なくともテニスラケットと書くよりは筋の良い回答を書いたことが確かめられた。

2) 改善案

以上を踏まえて本問に答えるとすると

  • 過電流(電圧)保護継電器と遮断器

  • SPD

  • 瞬低補償装置

あたりで論述できていれば良かったと振り返る。接地は絶妙なところで悩むが、避雷針を外しておいてこれほ入れられないかなと言うことで除外。
これより分かることとして、求められた回答数ギリでしか答えられないようでは厳しいと言うこと。今後、過去問演習するのなら、ありったけの選択肢を持つようにしたい。

以上。

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