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tacica猪狩翔一『新代田で会おうよ。』 at 2023.07.17 新代田crossing

『新代田で会おうよ。』
猪狩翔一(tacica) / 渡辺諒(ANTENA) / Live Drawing:近藤康平
2023年7月17日(月・祝日)@新代田Live bar crossing
18時開場/18時半開演
※チケットソールドアウト
※配信&アーカイブ有り


セットリスト

01. CAFFEINE珈琲涅(tacica 2012年miniAL『jibun』)
02. ぼくら(カセットテープ収録)
03. ordinary day(tacica 2018年Sg)
04. 時の過ぎ行くままに(原曲:沢田研二)
05. 荒野を行く(仮) ※新曲 / 悲しいことがあったらさ〜
06. ディスコード ※吸って吐いて〜
07. 人間賛歌(tacica 2022年AL『singularity』)
08. ダンス(tacica 2022年AL『singularity』)
en. Silent Frog(tacica 2008年AL『parallel park』)

猪狩さんは二番手。19:34〜20:40。前回の京都で初披露した新曲のタイトルが「荒野を行く(仮)」だった。

会場のことなど

暑い。とにかく暑い。日差しが暑いのは言わずもがな、空気そのものが暑い。外にただいるだけで、汗が流れる。

18時開場。整理番号順に点呼され整列。
会場満席、チケットソールドアウト。

ステージ背面にモニター、ステージ下手に近藤さんのスペース、道路側の壁にスクリーン。映し出されていたのは、海に佇むペンギンさまのイラスト。

感想など

近藤さんとは昨年のクリスマス以来の共演なので、なにげに今年初。

猪狩さんの服装は黒のTシャツ、デニム、adidasスーパースター、メガネ有り。スタンディングで歌唱。

近藤さんにヒントをあげるという意味で、歌う前にタイトルを言うスタイル。1曲目のCAFFEINE珈琲涅について「なぜこのタイトルのか」と近藤さんに問われると、猪狩さんにとって「中毒性の象徴」がカフェインなのだそう。歌詞や曲名について多くを語らないtacicaなので、こういった話は貴重。

ordinary dayF.A.Dの弾き語りでLOSTAGEの五味さんと共演したときに楽屋で褒められた!と嬉しそうだった。

「今日のテーマは、僕たちはどう生きるか、なんで」と。ジブリの最新作映画『君たちはどう生きるか』を観て、楽屋でずっと話していたそう。近藤さんはネタバレが嫌で、渡辺さんは全然OKで、猪狩さんはその狭間で絶妙に会話していたということだった。話したくてたまらない様子だった。(わかる)

「ジュリーの曲を歌います」と、珍しくカバー。「嘉門達夫が小学生の頃に流行ってて」と、突然名前を挙げたと思ったら、ジュリーは嘉門達夫経由で知ったということだった。猪狩さん、昭和歌謡もとても似合うのよね。

新曲「荒野を行く(仮)」と紹介。括弧仮も含めて紹介。この曲は直近の京都の弾き語りで初披露した曲。聴いた瞬間、あれだ!と思い出した。けっこう覚えているもの。近藤さんが「いい絵が描けた。こういう絵はなかなか描けない」と言うと、「新しい曲は妙なエネルギーがある。それが伝わった感じがする」と猪狩さん。茶色ベースで、人物が立ち向かっているような絵。個人的にもこの日の中で一番好きな絵だった。

tacicaの初期の曲は音楽理論がわからずに作ってたので、ぼろくそ言う人がいたということだった。「音楽も絵も、セオリー通りにやると楽しくないよね」と近藤さん。ということから、新曲のタイトルになっている「ディスコード」とは音楽用語らしいことが判明。ディスコードは聴き慣れてきた。好き。

近藤さんと一緒ということもあってか、猪狩さんのMCが濃い日だった。新曲を披露する裏で、日頃考えていることが垣間見れるのは嬉しい。

人間賛歌を演奏する前に語ったMCが以下のような内容で興味深かった。

音楽の「いい音」って、実はよくわからない。「聴く環境」や「好み」によることが大きい。そう考えると、音質の良し悪しにこだわりすぎるのはどうなんだろう。どんな環境で聴いてもいいと思える楽曲を作るべきなのではないか。

最近聴いたキセルのスリーというアルバム(*1) がすごくよかった。サブスクで聴いてたけど、CDを買って聴いたら音もむちゃくちゃ良くて(その“良い“も不確かだけど、とエクスキューズ)。

そんなことを思っていた矢先に、人間賛歌がJ-WAVEの番組で取り上げられて、「どうやって録音しているんだろう」と、自分たちが必死になってやったことに気づいて、ちゃんと聴いてくれている人がいることに感動した、ということだった。

そんな話を聞いた自分は、椎名林檎『人生は夢だらけ』の一節を思い出していた。

こんな時代じゃあ手間暇掛けようが掛けなかろうが終いには一緒くた
きっと違いの分かる人は居ます そう信じて丁寧に拵えて居ましょう

椎名林檎『人生は夢だらけ』

という流れで、人間賛歌。ブレイク部分は久々にギターを触らずアカペラ。crossingはとてもいいサイズ感なので、アカペラだったりマイクから離して歌ったときの生声が混ざって聞こえるのがたまらなくいい。あと後半で、〈歌え 人間賛歌〉と歌ってたのがよかった。

時間がだいぶ過ぎちゃったけどこの曲をやらないと終われないので、とダンス。サビ部分、声が途切れなく、シームレスに続くのが好き。

退場しかけて、またすぐ戻って、アンコール。

歌う前に「大事なこと言うの忘れてた」と告知。なんと、猪狩さん弾き語りワンマンライブ『単独飛行 vol.2』のお知らせだった!

・今回は、9月18日(月・祝)に、京都・someno kyotoで開催
・前回の『単独飛行』のライブ音源を収録したカセットを販売予定

前日に配信された喋る鹿で、このライブ後に新たなライブの告知があると触れていたのはこれだった。てっきり森田さんと弾き語りライブなのかと思っていたけれど違った。(でも、単独飛行で森田さんをゲストに迎えるの、あるのでは!?)

猪狩さんは近藤さんと一緒だと饒舌。純粋に話したくて話していることが伝わってきて、とてもいい。

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*1:ところで、その“キセルのスリーというアルバム”が、いくら探しても見つからない……。

Silent Frogの絵を撮影させていただいた。色がとても綺麗。
crossingは映える。
近藤さんのスペース。

新幹線でおいしいビールが飲みたい!