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【ライブメモ】tacica BEST ALBUM TOUR 2022 “dear, deers” at 2022.02.20 東京キネマ倶楽部

tacica BEST ALBUM TOUR 2022 “dear, deers”
2022年2月20日(日)@ 東京キネマ倶楽部
開場16:30/開演17:30
※有料生配信有り(アーカイブ付)
※チケットソールドアウト

サポートミュージシャン
Drum : 中畑大樹

〈tacica BEST ALBUM TOUR 2022 “dear, deers”〉ツアー日程
01. 1月23日(日)京都 磔磔
02. 1月29日(土)新横浜NEW SIDE BEACH!!
03. 2月5日(土)名古屋Electric Lady Land
04. 2月6日(日)心斎橋Music Club JANUS
05. 2月20日(日)東京キネマ倶楽部

会場周辺について

全5公演、一ヶ月にわたる本ツアーもあっという間にファイナル。東京キネマ倶楽部は去年のaranami tourファイナルぶり。

公演一週間前に、生配信されることも告知された。いろいろな事情で会場に来れない方はもちろん、ライブに参加する身としてもアーカイブで見直せるのは嬉しい。

東京キネマ倶楽部はコインロッカーとクロークが準備されているものの、入場後しか利用できないので、駅のコインロッカーを利用した。東京メトロ・入谷駅はドトールの向かい側のスーパーがある入り口(日比谷線・中目黒行き側)の改札にあった。交通系ICが利用でき、解錠は料金支払い後に発行されるQRコードにて。

雨がぽつりぽつりと降るような曇天の日だったが、開場時間になる頃には止んでいた。整理番号順に待機エリアが分かれており、A-150番まではグッズ売り場も設けられている会場1Fのスペース。

6名ずつ呼ばれ、順番にエレベーターで上がる仕組み。ドリンク代500円。検温、手消毒、立ち位置指定(印をかかとで踏む)。

東京公演のわりにはぼちぼちの整理番号で、めっちゃ前ではないけれど、それなりの位置で観れて良かった。


セットリスト

  1. HERO(2007年)

  2. 黄色いカラス(2008年)
     

  3. 人鳥哀歌(2009年)

  4. 命の更新(2011年)

  5. newsong(2012年)
     

  6. ハイライト(2011年)

  7. 神様の椅子(2010年)

  8. 発熱(2016年)
    〜グッズ紹介〜

  9. HALO(2013年)

  10. LEO(2014年)

  11. 煌々(2018年)

  12. aranami(2020年)
     

  13. ordinary day(2018年)

  14. メトロ(2009年)

  15. アースコード(2008年)
     

  16. dear, deer(2021年)

  17. en) oops!!(2015年AL『LOCUS』)

  18. en) DAN(2013年AL『HOMELAND 11 blues』)

17:31~19:09本編終了、19:31にアンコール含めて終了。セットリストは東京公演だけアンコールが2曲。京都・横浜で演ったoops!!、名古屋・大阪で演ったDANの両方を演奏してくれた。

感想など

猪狩さんの服装は、名古屋公演と同じ黒のTシャツ(ギター弾いている人のシルエットで、右でを挙げている)、黒のパンツ。小西さんは黒系のロンTにTシャツの重ね着、ベージュのパンツ、キャップ。

照明の演出がとても良かった。ライトの数が特別多いわけではないのにその配置が絶妙で、それぞれがいい仕事をしていた。斜め上から赤いライトで照らし、後ろから青いライトで照らすといったように、格好良くも不思議な空間を演出してくれていた。

ゾンビのドラマを見ている猪狩さんが、ひたすらゾンビに怯える話。ついには、どういう家だったらゾンビに襲われないかを考える始末。どんなドアでも結局、押し潰してくるので侵入されてしまうとのことだった。ところで、猪狩さんが観ているゾンビドラマとは、Netflixで配信されている『今、私たちの学校は…』という作品だろうか。

煌々に鼓舞された日だった。〈煌々と紅い血は誰か為に 何者でもない僕の為に〉とか、〈大抵の答えは探して見付かるものじゃない〉とか〈探していた答えも直ぐ傍にあるのかもしれない〉とか。ひたすらに沁みていた。それからいつも思うけど、〈弱音すら音を上げる〉という表現、見事すぎるよな。

ordinary dayの前の、猪狩さんのMC。「ベストアルバムを出すつもりはなかったんだけど、でも今回、妙に出したいという気持ちになって、いいタイミングだと思って出した。収録曲は作っていたときぶりにリマスタリングをしたので一曲ずつ聞き直した。そしたらこういう今の状況とか今の自分の環境とか、当時とは環境が全然違うくせにすごくしっくりきた。聞いてくれている人も当時と今とでは環境が違うと思うんだよね。学生だったのが社会人になったり、結婚して子どもができたり、色々あると思うんだけど。ベストアルバムを作って良かった。ツアーも回って良かったです。みんなのおかけです、ありがとう」(要旨)。ordinary dayを「どうってことない、いつも通りの日」と呼んでいたのが良かった。

メトロはtacicaとの出会いの曲。初めてtacicaのライブに行ったのが2011年だったので、ライブではなかなか聴けず、初めて生で聴いたときには感動と感慨が深かったことを思い出した。

本編最後のMC。「ベストアルバムに新曲を入れたくて作った曲が「dear, deer」です。今日は来てくれてありがとう。来たくても来られなかった人がいることもわかっているし、配信で観てくれている人もいるし、……だからもう、ありがとう」という猪狩さんの言葉にすべてが込められていた。

dear, deerがたまらなかった。このツアーを振り返りつつ、自分の人生を振り返りつつ、つくづく節目ソングだと思う。それから、イントロがやはりいい。ギター、ベース、ドラム、3つの楽器が織りなす重厚感が心にくる。

あと、dear, deerの歌詞について聴くたびに考えていて、〈優しさに触れる度 三日月に会いたくなった〉がいまいちピンときてなかったんだけど、東京公演で聴いたときになんとなく分かった。人に優しくされるとありがたい反面、自分の「未熟さ」や「至らなさ」に気づいてしまって、満月ではない(完璧ではない)欠けた三日月に自分自身を重ねているのかなと思った。後半の〈6巻のずっとない漫画の様〉「不完全」とか「欠けている」といった意味合いで呼応していますよね。

アンコール曲を演奏する前に告知。なんと、tacica初のBillboard Live開催決定とのこと。大阪と横浜で、それぞれ2公演ずつ。当日の20時より、FC鹿の仔での先行が始まった。

そしてそのときに、なぜか急にFIVE NEW OLDのワタルくんの話に。ワタルくんがラジオに出ているのを聞いていたらしく、関西弁で「他にもあるやろ」と言うのは角が立たないけど、標準語で「他にもあるでしょ」って言うときつい印象を受けるよね、と言う猪狩さんのモヤモヤが告白された。(もしやBillboard Liveはアコースティック編成で、再びワタルくんがアサインされるのだろうか?……と思ったけど、5/6に自身のバンドのライブがあるっぽいので関係さなそう)

鹿の仔のブログの話。猪狩さんと小西さんとなるやんさんで、お題を回そうってことになっているのに、小西さんが猪狩さんのお題をスルーすることに対して苦言を呈していた。1回目は指摘したけど、二度目は「あれ?これは根深いやつなのでは……」と危惧しているという話。しかも猪狩さんのお題には答えないくせに、なるやんさんへのお題はしっかり出題していると。猪狩さんの一生懸命話すところがいい。

ツアーファイナルはアンコールが2曲。oops!!DAN。両方聴けたのが飛び上がるほど嬉しかった。


ベストアルバムツアー『dear, deers』終わってしまった。全5公演。いろんな状況の中ではあったけれど、人生で初めてツアーの"全通"というものをしてしまった。同じ曲だとしても、一つも同じ演奏はなくて、自分の感じ方も、印象に残っている曲も公演によって違っていて、どれもこれも本当に楽しかった。直近で控えているBillboard Liveの後、夏くらいにはいよいよオリジナルアルバムを発売して、秋〜冬にはそれを引っ提げたツアーが行われるのだろうか。活動を続けてくれて本当にありがとうございますという気持ちでいっぱいだ。

本能から応答せよ

新幹線でおいしいビールが飲みたい!