見出し画像

Bruno Mars (2024/01/20 @Tokyo Dome)

ほぼ7年以上前の曲だけのセットリスト(Silc Sonic名義の曲も企画でワンコーラス歌っただけ)で、東京ドーム7公演がすべてソールドアウト。2024年1月現在でSpotify月間リスナー数が世界1位のThe Weeknd(Bruno Marsは15位)と比較してみても、Bruno Marsはあまりにも日本人から愛されすぎている。

Bruno Marsの出自や音楽性を、日本での受容の特殊性と結びつけて考えたくなるけど、実際にライブに行ってみて、その理由が体感できたような気がしている。


東京ドーム公演に行くのは昨年のBLACKPINK(再契約おめでとう!)以来で、確かその時は冷たい雨が降っていたのだが、今回はなんとか曇り空で持ち堪えてくれた。5万人の人混みをかき分けながら、お酒を片手に定刻には着席。

ほぼ時間通りに照明が落ち、「24K Magic」のド派手なステージで幕を開けた。途中企画なども挟みながら、過去のヒット曲を惜しみなく披露し、最後までエネルギーを維持したまま走り切る流石のショーだった。


「ショーだった」という表現が彼のステージを形容するには適切だと思っている。「素晴らしいライブを観た」という真っ当な感想ももちろんあるが、ディズニーランドからの帰り道的な後味の方が上回ってくるのだ。

ラスベガスのようなスペクタクルさの中でもとりわけ際立っていたのが、彼のエンターテイナーとしての立ち振る舞いで(当時のエルビス・プレスリーもこんな感じだったのだろうか)、それこそが彼が日本で人気を獲得した理由である気がしている。

東京ドームいっぱいのオーディエンスを満足させるには、相当なエネルギーと彼らへの思いやりが必要になってくる。特に後者に関して、Bruno Marsがオーディエンスを喜ばせるためにやるようなパフォーマンスは、客観的に見たらやり過ぎだと判断されるかもしれないが、嫌味は全く感じられない。それは彼のキャラクター(彼以上に「根明」な人間はいないのではないか)が為せる部分も大きいのだろうけど、ディズニーキャストのようなプロフェッショナルとしての姿勢にも通ずるものがあるように思う。

ここまで肝心の音楽の感想を全く述べていなかったが、どの曲も知らず知らずのうちに口ずさんでいたりして、無意識レベルで自分に浸透するほど彼の曲を聴いていたのだあ、と改めて実感したところが大きかった。

かなり序盤ではあったが、ラスタカラーの照明の下、セッション(ボブ・マーリーの曲とかだったのか?)から繋げるようにして、「Liquor Store Blues」〜「Billionaire」とレゲエテイストの曲群を披露していったパートが、個人的には一番好きでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?