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貿易実務/あなたの知らない世界(輸入編)

こんばんは、お盆前の最後の勤務日。明日からは待ちに待ったお盆休みで、仕事にも精が出る一日でしたね!
さて、今日は私が現在携わっている物流のお仕事の中でも、独特な専門用語が飛び交う貿易実務について話してみたいと思います。

以下は、実際に飛び交っている職場での会話を再現したものです。
あなたはこれらの言葉が分かるでしょうか?

職場の先輩用田さん「犬島!荷主からの船積書類一式どうなってる?ちゃんと①予備申、②D/O交換、③ドレ―の仮予約したか?④本船動静確認しておけよ、⑤搬入はいつだっけ?⑥ICGしたら、⑦フリータイムは⑧船社と⑨シッパー間の取り決めになっているから、うっかり⑩デマレージ発生させないように!」

私「はい、書類は一式コピーして、予備審、⑪通関に回してますが、まだ⑫アライバルが届いてないので、⑬フォワーダーにチャージを確認&要求中です!」

用田さん「じゃあアライバルが届いたら、⑭B/Lは確かオリジナルだったから、ちゃんと⑮裏書を確認しておくこと!あと、コンテナタイプは⑯20DRY?それとも⑰40HQだったっけ?」

私「はい、40HQの方です。ただ、⑱TARE込み、総重量25トンありましたので今回は⑲3軸シャーシで手配しました!」

用田さん「よし、あのお客さんは気をつけろよ。確か犬島、前にコンテナを⑳テレコ配車したら、メッチャ怒られたところだったらな、それから、貨物は確か㉑食品申請、㉒動検の㉓他法令ありだから、㉔NACCSでそれぞれ入力準備を確認しておくこと!」

私「はい、前回のを参考に確認済みです。それから、別件の今日、㉕港湾上屋で㉖デ直する分の㉗ディスパッチが今、㉘ランナーさんから届きましたが、どうしましょう?」

用田さん「ようやくディスパッチ入手できたか!そしたら、ドライバーさんが㉙ヤード近くのいつもの受け渡し場所で待っているから、スポットランナーを手配して、いち早く渡す手配を大至急やるように!」

私「はい。大至急着手します!」

お分かり頂けたでしょうか?(←心霊番組のナレーション風に)

上記の会話の中には、私がそれと思われるだけでも①~㉙の専門用語が飛び交ってます。

私も最初にこの貿易実務を行う海運業務課に配属された時、「ここは本当に日本国内での会話なの?」「皆さん、一体何を言ってるの?」と異文化コミュニケーションに遭遇したようなショックを受けたことは今も記憶に懐かしく、最初は心の中では泣き叫びながら、一生懸命業界用語を教えてもらってました。
なお、こうした貿易実務手配をする業者全般を乙仲(おつなか)と呼ぶそうです。
上記の会話で出てきた先輩の用田さん(見た目はお腹が少し出たハリーポッター主人公風)は、私の会社はもちろん、貿易業界でもちょっとした有名人で、コンテナヤードの人、コンテナフレイトステーションの方、同業他社、協力会社の輸送会社の方々から、その圧倒的な知識と経験で絶大な信頼を勝ち得ているので、勝手に私は用田さんのことを『乙仲業界の聖人』、略して『乙聖(おつせい)』又は『マスター用田』の称号を心の中で授与しちゃってます♡
※マスターヨーダは某SF映画のジェダイ・マスター
上記は輸入編です。また時間があれば、今度は輸出編も投稿したいと思います。
それでは、また!


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