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桜と藤 まだ間に合うかもしれない

4月中頃、たまたま立ち寄った場所の裏に公園があった。
ふと見るとフェンスの向こうに藤の花があり、近寄ってみればもう満開。
私の中で桜は3月の終わり、藤は4月の終わりと近頃決まっていた。
ところがいつのまにか世間の季節はお構いなしに前倒しになってしまったようだ。

よくよく藤の花を眺めれば満開を通り越して散りかけの風情。
風が吹くとチラチラと静かに舞う花びらがある。
藤棚の横にはすっかり葉桜となった桜が2本。
公園の向こう端に見える桜の木の一部に散り残りの花がまばらにしがみついているような姿がある。

この時期にしては少し暑く感じる。
そんな藤棚の下しゃがみ込むと意外な景色があった。
まだ色褪せずにいる桜の花びらに、藤の花びらが重なっている。

何十年も過ごしてきてこれには初めてお目にかかった。
いやあ、もしかすると私が今更に気づいただけか…

いくつになろうと新しい発見はある。
世間では当たり前なことであって新しくもないこと。
自分の中で勝手に決めていたルールが、とっくに古臭いものになっている。
いくつになろうと気づいたときを始まりに出来れば。
まだ間に合うかもしれない。

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