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2024.03.30

『かわいいですね』

これも皆さんからよく頂く言葉です。SNSではもちろんのこと、イベント時も展示した椎茸を見てそう口にするお客さんは多かったです。軸のことを足と呼ぶように、きのこには人の姿を想像させる節があると思います。古くから妖精と紐付けて語られることも多かったきのこ。『菌輪(きんりん)』と呼ばれる輪状に発生する現象も、『フェアリーリング』という名前が付けられています。それらも「かわいい」と思ってしまう理由のひとつかも知れません。

ところで、「かわいいと思うものは?」と聞かれれば、僕が思いつくの赤ちゃんです。理由はわからないけど、やはりかわいいと。以前に誰かから聞いた話なのですが、かわいいと感じるには具体的な理由があるそうで、それは体のパーツの比率がそう思わせるのだとか。

眼の中にある水晶体は、成長や交換もされない「一生もの」なので、赤ちゃんの小さい顔の中では大きく感じられます。また、脳も体より早く成長するので、大人に比べると頭は大きいです。それに加えて、人は加齢によって目や鼻などのパーツは中央に集まる性質がありので、幼い赤ちゃんは顔のパーツとパーツの間は離れています。つまり、赤ちゃんは目が大きく、頭が大きく、顔のパーツ同士は離れている。おそらく、それらを見て「かわいい」と思うそうです。

人に限らず動物の赤ちゃんを見ても「かわいい」と感じるのは、この性質が進化の早い段階で備わったからではないでしょうか。「かわいい」と思ってしまうものは守りたくなるもの。そんな想いは種を越えて受け継がれているのかも知れません。

そこへいくと、きのこで「かわいい」と思うのは、やはり足が短くて頭の大きいもの。頭の形も、人の姿に似た丸いものにそう強く感じます。そして体の小さいものに対しても。

もし、そうだとすれば、写真の撮り方によっても「かわいい」を演出できるのかなと。つまり、足と頭の比率、頭の丸さ、体の小ささを感じ取れる写真に仕上げれば、かわいいキノコの写真は撮れるはずだと。どうなんだろう。

そんなことを思う今日この頃です。

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