抗菌薬

ペニシリン系

●注射用
PCG(ペニシリンG)
ABPC(ビクシリン)
PIPC(ピペラシリン)
SBT/ABPC(スルバシリン)
TAZ/PIPC(タゾバクタムピペラシリン)

●経口
AMPC(アモキシシリン)
CVA/AMPC(オーグメンチン、クラバモックス)

セフェム系

●注射用
CEZ(1) (セファゾリン)
CTM(2) (セフォチアム)
CMZ(2) (セフメタゾール)
CTX(3) (クラフォラン)
SBT/CPZ(3) (バクフォーゼ)
CTRX(3) (セフトリアキソン)
FMOX(3) (フルマリン)
CFPM(4) (マキシピーム)

●経口用
CCL(1) (ケフラール)
CFX(1) (ケフレックス)
CFDN(3) (セフゾン)
CDTR-PI(3) (メイアクト)

アミノグリコシド系

●注射用
TOB(トブラシン)
GM(ゲンタシン)
AMK(アミカシン)
ABK(ハベカシン)
SM(ストレプトマイシン)

●経口用
KM(カナマイシン)

マクロライド系

●注射用
AZM(ジスロマック)

●経口用
EM(エリスロシン)
CAM(クラリスロマイシン)
RXM(ルリッド)
AZM(ジスロマック)

ニューキノロン系

●注射用
CPFX(シプロフロキサシン)
LVFX(レボフロキサシン)

●経口用
CPFX(シプロキサン)
LVFX(レボフロキサシン)
TFLX(オゼックス)
GRNX(ジェニナック)

テトラサイクリン系

●注射用/経口用
MINO(ミノサイクリン)

カルバペネム系

●注射用
IPM(チエナム)
MEPM(メロペネム)
DRPM(フィニバックス)

●経口用
FRPM(ファロム)

抗MRSA薬

●注射用
VCM(バンコマイシン)
TEIC(テイコプラニン)
ABK(ハベカシン)
LZD(リネゾリド)
DAP(キュビシン)

●経口用
VCM(バンコマイシン)
LZD(ザイボックス)

リンコマイシン系

●注射用
CLDM(クリンダマイシン)

●経口用
CLDM(ダラシン)

ホスホマイシン系

●注射用
FOM(ホスミシンS)

●経口用
FOM(ホスミシン)

モノバクタム系

●注射用
AZT(アザクタム)

その他

●注射用
MNZ メトロニダゾール(アネメトロ)
ST合剤(バクトラミン)
CL コリスチン(オルドレブ)

●経口用
MNZ(フラジール)
ST合剤(ダイフェン)
アドバコン(サムチレール)

ESBL産生菌とは

:Extended Spectrum beta(β)-Lactamase(ESBL:基質特異性拡張型βラクタマーゼ)産生菌
セフェムの第一世代、第三世代、第四世代が無効となる。

●βラクタマーゼの種類
・A:ペニシリナーゼ
・B:メタロβラクタマーゼ(カルバペネマーゼの一種)
・C:セファロスポリナーゼ
・D:オキサシリナーゼ …Aの亜型

セフェム系抗菌薬

第三世代:肺炎球菌に◎。
第四世代(マキシピーム、メロペン):1+3+緑膿菌に有効。FNの1st choice。血流感染疑いなら、メロペン投与。

第三世代、第四世代は、髄液移行性が良いため、マキシピーム脳症などに注意。

★カルバペネム系との相違点
・嫌気性菌に無効
・ESBL産生菌に無効

★例外
第二世代は特殊。
セフメタゾール(セファマイシン系)は嫌気性菌もESBL産生菌にも有効であり、下部消化管に強い。世界ではあまり使われておらず、日本が誇る抗菌薬。

E.coliのうち、今は1/6がESBL産生菌。
ESBL非産生菌であれば、CTX(第三世代セフェム)はほぼ100%有効。

新生児で注意すべき細菌感染症

①GBS (Streptococcus agalactiae)
②大腸菌
③リステリア菌
(④髄膜炎菌 : 欧米では多いが、日本では少ない。海外渡航歴+なら注意する)

新生児でCRP上昇はかなり危険。
CRP 2で、成人の20くらいのイメージで。
胎内感染も疑って、IgMも検査項目で提出し、>15程度であれば感染ありと判断。

重症感染症を疑った場合の基本的な抗菌薬投与は、
・ABPC(ビクシリン) 220mg/kg/day
・CTX(クラフォラン 第三世代セフェム) 220mg/kg/day

髄膜炎も疑われる状況なら、ABPC 360mg/kg/dayで投与。リステリアは、セフェム自然耐性なのでビクシリンは外せない。
ESBLだと上記2剤では効かないこともあるが、ひとまず1stはこれ。

※大腸菌にはビクシリンは6割程度しか効かない。

・ABPC+GM …GBS・リステリア菌には1st。GMではなく、アミカシンでも可。ESBL産生菌にもGM効く可能性あり。
デメリットとしては、TDMのために採血頻度が多くなる点。

・ABPC+CTX …CTXはESBL産生菌には無効であるが、髄膜炎の可能性がある場合にはCTX入れて置いた方が良い。
デメリットとしては、新生児はBBBがなく中枢神経移行によりCTXが効きすぎてしまうことで死亡率が上がる点。

●抗生剤加療の期間
菌血症…10日間
髄膜炎…培養陰性確認から14日間以上


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?