心不全

心不全=酸素の需要と供給のバランスが崩れている状態

⚪︎治療のゴール
・急性心不全:症状をとる
・慢性心不全:予後改善、QOL改善

AHA 心不全ステージ分類


急性心不全にはNPPVを

NPPV(非侵襲的陽圧換気)
…PEEP(呼気終末陽圧換気)をかけることによって
肺水腫で潰れて広がりにくい肺胞を無理やり膨らませてあげる。
NPPVをipap 8, epap 4ほどで付けてあげることで、呼吸困難は一気に改善する。

○NPPV離脱の判断基準
NPPVは心不全患者には著効するが、自力で問題なく呼吸できる人からすると、陽圧をかけられる状態はかなり苦しい
→患者さんが、「NPPVつける前よりも呼吸しづらいな」と感じ始めてきたら、離脱しても良い

○NPPVの適応
・急性心不全
・COPD

⚪︎wheezeを聴取する疾患
・気管支喘息(BA)
・心不全
・気管支炎、肺炎
・肺血栓塞栓症(PE)

心不全の分類5つ

①Killip分類
カテーテル治療がない時代の分類

Killip分類


②Forrester分類
・スワンガンツカテーテルが必要なので、全例には行えない

Forrester分類


③Norria and stevenson分類
身体所見による分類→救急外来でもできる

Nohria-Stevenson分類


④clinical scenario
救急外来でどの薬を持って救急車を待つかの分類

⑤NYHA

NYHA心機能分類

CS クリニカルシナリオについて

救急に来る心不全患者さんの主訴は、呼吸苦

急性心不全の初期対応

⑴CS1 sBP≧140mmHgの方

pureなCS1は7%しかいなくて、ほとんどがCS1+2の状態。
誰でも体内に500mLほどの無効血液を持っているが、その水分が交感神経優位になることで有効血液に移動して肺に溜まって水浸しになり、急激な肺うっ血が起こっている状態。

CS1の急性期の治療



治療:ルート確保の前に
①NPPVによる酸素投与
②★硝酸薬の舌下投与orスプレー噴霧で血管拡張
  血管拡張薬の役割…前負荷・後負荷を共に減らして傾いたポンプ機能を適正化する
しかし、高齢者では医原性低血圧も引き起こし得る為、入院中のカルぺリチドの点滴静注などは避け、使用期間は極力短くなるようにする。

LVEF低下している症例では、
・ドブタミンなどの強心薬
末梢血管抵抗高値の場合は、
・PDEⅢ阻害薬と強心薬の併用
それでも循環動態が保てない場合は
・IABPなど
※入院管理で強心薬でジゴキシンを使う場合、腎機能悪化している症例ではジギタリス中毒に注意する。有効血中濃度が可能であれば、0.9ng/mLを超えないように経時的に観察が必要。
○ジギタリス中毒
症状として、高度の徐脈、二段脈、多源性心室性期外収縮、発作性心房性頻拍等の不整脈、精神症状など
低K血症があると、負のループに陥る。

⑵CS2 110≦sBP<140mmHgの方
著名な体液貯留による全身浮腫の状態
治療:★フロセミド1~2A(20~40mg)ivで利尿を促す。
既にダイアート内服などある場合は、その1-2倍量をiv。
⚠️腎機能を気にしすぎて尿引けないよりは、急性期は多めに利尿薬を投与して除水する方が良い!
効果判定:尿量 100ml/30分 または 2ml/kg/30min
入院管理の場合は、不整脈を誘発する低K血症に陥らないように注意深く観察。
Cr 1ならフロセミド1A、Cr 5なら5Aと、同じ値を目安にする。

トルバプタン(サムスカ®):抗バソプレシン受容体拮抗薬
→使う場合は、低Na血症に注意する

CS4がAMI、CS5が右心不全
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