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月を売った男

 ロバート・A・ハインラインの作品の中では、同じ「月」なら、『月は無慈悲な夜の女王』の方が有名で、それはそれで今のAIの時代を先取りしていて興味深いのですが、この『月を売った男』は、自分が月へ行きたくて、ありとあらゆる方法を使い、資金を集め、ロケットを作らせ、発射台を用意し、とまるで今のイーロン・マスク氏がやっているようなことをしたのです。

 しかし、「月を売った男」は、彼が優れたアイデアを次々に産み出すために、周りの者は、彼を金の卵を産むガチョウと考えて、決して危険なロケットに乗せようとしません。
 ついに彼は老年になるまで、ロケットに乗ることができず、こっそり地球の周遊船に乗せてもらって、月まで連れて行ってもらうことにします。しかし、……。この後は涙なしには読めないのですが、ネタバレになりますので、この辺にしておきます。

 イーロン・マスク氏の伝記を読み始めた時、頭に浮かんだのがこのハインラインの『月を売った男』でした。
 もちろんマスク氏ならば、その行動力によって、『月を売った男』みたいなことにはならないでしょう。
 ただ、そのバイタリティが『月を売った男』を思い出させたのです。

 私がこの『月を売った男』の話が好きだったのは、夢をかなえるために、主人公が出したアイデアが、アメリカっぽくって古典的で、かつてよく見られた方法で、そして今でも結構使われている、お金を集める手法であることに気がついたから、でした。

 二十歳になる前に読んで、なるほど、と思う反面、私には無理だと思い、その結果、お金儲けには無縁の人生を歩んでいるのですが、それでもなお、この話を好きでずっと心の中にあったのは、夢をかなえる、というのがテーマだったからだと思います。

 つい先日もnoteで

に紹介されていた、同様のテーマのYouTubeを見て、泣いていたりしました。

 いかがでしょうか。

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